要介護5でも在宅介護は可能？9割が知らないお金の支援制度7選

在宅で家族を介護しているあなたへ。日々、その重い負担に押しつぶされそうになっていませんか？「要介護5」という認定を受けて、途方に暮れているかもしれません。介護度が最も重いこの状況では、「もう施設に入れるしかないのか…」「いったいどれだけお金がかかるんだろう…」と不安になるのは当然です。でも、諦めるのはまだ早いです。実は、国や自治体には、在宅介護を支えるためのさまざまな支援制度があり、賢く活用すれば、経済的・精神的な負担を大きく減らすことができます。この記事では、要介護5の在宅介護で使える、9割の人が知らないお金の支援制度を、専門家の視点から徹底的に解説します。

驚くほど手厚い！在宅介護でもらえるお金の支援制度7選

介護のイメージ

要介護5と認定されても、直接現金がもらえる制度は残念ながらありません。しかし、介護サービスや必要な物品にかかる費用を大幅に軽減できる制度は数多く存在します。これらを活用すれば、経済的な不安はかなり解消されます。

高額介護サービス費制度｜介護費の自己負担を劇的に減らす

これは、介護保険サービスを利用した際の自己負担額が、ひと月の上限額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。施設サービスにも適用されるのが大きなポイントです。要介護5になると、複数のサービスを組み合わせたり、施設利用が必要になったりして、自己負担額が高額になりがちですが、この制度を使えば安心して介護を受けられます。上限額は世帯の所得状況によって変わりますので、ご自身の状況を確認し、積極的に利用しましょう。申請は、超過した月に自治体から送られてくる申請書に記入して手続きするだけです。

区分支給限度額｜サービス利用の幅を広げる上限額

介護保険サービスには、要介護度ごとに利用できる上限額が定められています。これを「区分支給限度額」と呼びます。要介護5は、要介護度のなかでも最もこの上限額が高く設定されているため、より多くのサービスを組み合わせて利用できます。例えば、訪問介護、デイサービス、訪問看護など、複数のサービスをフル活用して在宅生活を支えることができます。ただし、この上限額は施設入所サービスには適用されない点に注意が必要です。ケアマネジャーと密に連携し、この限度額を最大限に活用して、利用者本人と家族にとって最適なケアプランを作成することが重要です。

在宅介護で欠かせない！おむつ代助成制度

要介護5の方の多くは、寝たきりであったり、自力での排泄が困難な状態です。そのため、紙おむつやパッドが毎日欠かせません。この費用は家計にとって大きな負担になりますが、ほとんどの自治体で、おむつ代を助成する制度が設けられています。助成内容は自治体によって異なり、現物支給の場合もあれば、購入費用の助成金がもらえる場合もあります。まずは、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせてみましょう。

福祉用具貸与・特定福祉用具購入｜介護負担を軽くする魔法のツール

要介護5の方が在宅で安全・快適に過ごすためには、福祉用具の活用が不可欠です。車椅子や介護ベッド、床ずれ防止用具など、介護保険を利用すれば自己負担1〜3割でレンタルできます。さらに、入浴や排泄に必要な特定福祉用具（ポータブルトイレ、入浴用椅子など）は、レンタルではなく購入が必要になりますが、これも介護保険の給付対象となり、年間10万円を上限に費用の補助を受けられます。

住宅改修費の助成｜住まいをバリアフリーに

在宅介護では、家の中のわずかな段差や手すりのない廊下が大きなリスクになります。介護保険を利用すれば、最大20万円を上限に住宅改修の助成金が受けられます。具体的には、手すりの取り付け、段差の解消、引き戸への交換などが対象です。この20万円は一度に使い切る必要はなく、分割して利用できます。また、要介護度が3段階以上重くなった場合や、別の家に引っ越した場合など、特定の条件を満たせば上限がリセットされることも知っておきましょう。

医療費控除と障害者控除｜税金面での賢い節約術

介護には多くの医療費がかかります。介護サービスの自己負担分や、医師の診断書費用、通院にかかる交通費などは、医療費控除の対象になります。領収書をしっかりと保管しておきましょう。また、要介護5の認定を受けている場合、身体障害者手帳を持っていなくても、お住まいの市区町村が発行する「障害者控除対象者認定書」があれば、障害者控除を受けられる可能性があります。これは所得から一定額が控除されるため、所得税や住民税を大幅に減らせる非常に重要な制度です。

生活保護制度の介護扶助｜最終セーフティネット

経済的に困窮し、介護費用を支払うことが困難な場合には、生活保護制度の中の「介護扶助」が利用できます。これは、介護保険の自己負担分や、区分支給限度額を超えるサービス利用料などを扶助してくれる制度です。最終的なセーフティネットとして、頭に入れておきましょう。

「要介護4」との決定的な違いは？知っておくべき状態像

要介護5と要介護4はどちらも重度な介護が必要な状態ですが、その違いを正確に理解することは、適切なケアプランを立てる上で非常に重要です。

状態像と身体的・精神的な特徴

要介護5は、要介護度のなかで最も介護が必要な状態です。具体的には、ほぼ寝たきりで、食事、排泄、入浴、着替えなど、日常生活のすべての動作において全面的な介助が必要になります。意思の疎通も難しい場合が多く、認知機能の低下が著しいこともあります。一方、要介護4では、多くの動作に介助が必要ですが、一部の動作は自力で行える可能性があります。また、意思疎通もかろうじてできるケースが多いです。

この違いは、在宅での介護負担に大きく影響します。要介護5では、24時間体制での見守りや介護が必要となるため、家族だけで乗り切るのは困難なケースが多いです。だからこそ、介護保険サービスを最大限に活用し、専門家の手を借りることが不可欠になります。

在宅介護に関するよくある質問Q&A

在宅介護を進める中で、誰もが抱える疑問や不安をまとめました。

ケアマネジャーってどんな人？どうやって選ぶの？

ケアマネジャーは、介護を必要とする人とその家族の心強い味方です。介護サービスの専門家として、利用者の状態や希望に合わせてケアプランを作成し、介護サービス事業者との調整を行ってくれます。ケアマネジャーは市区町村の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に所属しています。自分で探すことも可能ですが、地域包括支援センターに相談すれば、信頼できる事業所を紹介してもらえます。自分や家族と相性の良いケアマネジャーを見つけることが、介護生活の質を大きく左右します。

「区分支給限度額を超えたらどうなるの？」

区分支給限度額は、介護保険から給付される上限額です。この限度額を超えてサービスを利用した場合、その超過分は全額自己負担となります。しかし、だからといってサービスを諦める必要はありません。まずはケアマネジャーと相談し、本当に必要なサービスを見直すことが大切です。また、先に説明した高額介護サービス費制度を活用すれば、自己負担額が一定額を超えた分は払い戻されるため、経済的な負担を軽減できます。

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まとめ｜在宅介護の未来を拓く、お金の支援制度を使いこなそう

要介護5の在宅介護は、想像以上に大変なことです。しかし、今回ご紹介したお金の支援制度を賢く活用すれば、その負担は大きく軽減できます。

これらの制度は、介護生活を少しでも楽にし、利用者本人と家族のQOL（生活の質）を向上させるために存在します。すべてをひとりで抱え込まず、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。専門家の助言を得て、利用できる制度を漏れなく活用することが、在宅介護を成功させるための第一歩です。介護生活の未来は、あなたの行動で変えられます。