在宅介護で突然必要になることの多いポータブルトイレ。「どんなものを選べばいいの?」「設置場所は?」「ニオイは本当に大丈夫?」と、不安や疑問だらけではないでしょうか。
特に、インターネットで調べてみても、商品の機能やランキングばかりで、「実際に使うときのイメージ」や「介護する側とされる側の本音」まで書かれている記事はなかなか見つかりませんよね。この記事では、これまで多くの在宅介護の現場を見てきた経験から、商品スペックだけではわからない、ポータブルトイレ選びの核心に迫ります。
「もっと早くこの記事を読みたかった!」そう思ってもらえるように、後悔しない選び方から、知られざる裏技、そして介護される方のプライドを守るための心構えまで、専門家だからこそ伝えられる情報をたっぷり詰め込みました。
ポータブルトイレを選ぶ前に知っておきたい「3つの基本」

介護のイメージ
ポータブルトイレ選びは、ただ機能が多ければ良いというものではありません。まず、介護を始める前に必ず押さえておきたい3つの基本を理解しましょう。
使う人の状態に合わせた「タイプ別」の選び方
ポータブルトイレは、使う方の身体状況や介護レベルに合わせて、いくつかのタイプに分かれています。適切なタイプを選ぶことが、安全と快適性の第一歩です。
- 居室用(汎用タイプ): 椅子に座るような感覚で使え、寝室やリビングなど、トイレまでの移動が難しい場合に便利です。基本機能が充実しており、もっとも一般的なタイプです。
- ベッドサイド用: 寝たきりの方や、ベッドから自力で立ち上がることが難しい方のために、ベッドの高さに合わせて使用するタイプです。手すりが付いているものが多く、安全に移動できます。
- シャワー・脱衣所用: ポータブルトイレと入浴補助機能を兼ね備えたタイプです。そのままシャワーを浴びたり、体を洗ったりできるため、お風呂場での移動介助が大変な場合に非常に役立ちます。
在宅介護では、これらのタイプを複数使い分けることもあります。まずは、誰が、いつ、どこで使うのかを具体的にイメージしてみましょう。
「安全性」と「快適性」を高めるチェックポイント
ポータブルトイレは、毎日の生活に密接に関わるものです。だからこそ、安全と快適性の両方を満たす必要があります。
- 安定感と耐荷重: 使う方が安心して体を預けられるよう、ぐらつきのない頑丈な構造を選びましょう。耐荷重もしっかりと確認してください。
- 高さ調整機能: 使う方の身長や、ベッドの高さに合わせて、便座の高さを調整できると、立ち座りの負担を軽減できます。
- 手すりの有無と形状: 立ち上がりを補助する手すりは必須です。アームレストの形状が、握りやすく、体重をかけやすいかどうかもチェックしましょう。
特に重要なのが、足元が滑りにくいかどうかです。ポータブルトイレの下に滑り止めマットを敷くことで、さらに安全性を高めることができます。
ニオイ問題を解決する「処理機能」の選び方
ポータブルトイレの導入をためらう一番の理由が「ニオイ」ではないでしょうか。最近の製品は、このニオイ問題を解決するための工夫が凝らされています。
- 消臭機能付き: 消臭剤を便器内に自動で噴射するものや、消臭フィルターを搭載したタイプがあります。
- バケツの密閉性: 排泄物を溜めるバケツが、しっかりと密閉される構造になっているか確認しましょう。二重蓋構造のものや、密閉性が高いパッキンが付いているものがおすすめです。
- 防臭袋の活用: 専用の防臭袋を併用することで、ニオイ漏れをさらに防ぐことができます。これは製品自体に機能がなくても、誰でもすぐに取り入れられる手軽な裏技です。
知って得する!後悔しないポータブルトイレ選び7つのコツ
ここからは、商品カタログには載っていない、実際の介護現場で役立つ「7つのコツ」をお伝えします。
- 「試し座り」をしてみる: 可能であれば、実際にショールームなどで試してみましょう。座り心地、立ち上がりやすさ、手すりの位置など、カタログだけではわからない感覚を確かめることが重要です。
- 便座の温かさもチェック: 冬場の冷たい便座は、身体に大きな負担をかけます。暖房便座機能が付いていると、冷えを気にせず、安心して使用できます。
- お手入れのしやすさで選ぶ: 毎日のお手入れは、介護する側の負担を大きく左右します。バケツが簡単に取り外せるか、本体が拭きやすい素材かどうか、細部の掃除がしやすいかを確認しましょう。
- 設置場所の確保: ポータブルトイレは、寝室のベッドのすぐそばに置くのが理想的です。夜間の移動負担を減らせるため、安全性が格段に上がります。
- 目隠し・プライバシーの配慮: ポータブルトイレは、使う方の心理的な負担も大きいものです。スクリーンやカーテンなどでプライバシーを確保することで、安心して使用してもらいやすくなります。
- レンタルも視野に入れる: ポータブルトイレは介護保険のレンタル対象品です。身体状況や介護レベルが変わる可能性も考慮し、まずはレンタルから試してみるのも賢い選択です。
- 「デザイン性」にもこだわる: 最近では、一見ポータブルトイレだとわからないような、おしゃれな家具調デザインのものが増えています。お部屋の雰囲気に合うものを選ぶことで、使う方の抵抗感も和らぎます。
この7つのコツを意識して選ぶことで、「介護される側」と「介護する側」の両方にとって、より快適な生活を送ることができるはずです。
あなたの「介護に関する疑問」に専門家が答えます
ポータブルトイレについて、よく寄せられる質問にお答えします。
Q. 介護保険を使ってポータブルトイレをレンタルしたいのですが、どうすればいいですか?
A. まずは担当のケアマネジャーに相談しましょう。介護保険の利用には、要介護認定を受けていることが前提となります。ケアマネジャーが、使う方の身体状況や生活環境を考慮し、最適な福祉用具を提案してくれます。その後、福祉用具貸与事業者と契約を結び、レンタルを開始する流れとなります。
Q. 使う本人が「ポータブルトイレなんて嫌だ!」と言って拒否します。どう説得すればいいですか?
A. 拒否されるのは、決して珍しいことではありません。ポータブルトイレを使うことは、「もう自分は普通のトイレに行けないのか」という、自尊心やプライドを傷つける行為だと感じてしまう方も少なくありません。
無理に説得しようとするのではなく、まずは本人の気持ちに寄り添いましょう。そして、「夜中に一人でトイレに行くのは危ないから、安心して眠れるように」「もしもの時にすぐに使えるように」など、安全面や安心感を理由に提案してみるのが効果的です。
また、デザイン性の高い家具調タイプを見せて、「これなら普通のイスみたいで、お部屋の雰囲気にも合うよ」と、ネガティブなイメージを払拭する工夫も有効です。
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まとめポータブルトイレは、快適な在宅介護の「最強のパートナー」
ポータブルトイレは、単なる排泄補助具ではありません。それは、在宅介護の負担を減らし、介護される方の自立と尊厳を守るための「最強のパートナー」です。
安易にランキング上位のものを選ぶのではなく、この記事でご紹介した「3つの基本」と「7つのコツ」を参考に、ご本人にとって本当に必要な機能は何か、どんな環境で使いたいかをじっくり考えてみてください。
ポータブルトイレを上手に活用することで、夜間のトイレ移動による転倒リスクを減らし、介護する側の睡眠不足を解消し、お互いにとって心穏やかな日々を過ごせるようになります。
在宅介護は、日々の小さな工夫と知恵の積み重ねです。あなたのポータブルトイレ選びが、より良い介護生活の第一歩となることを願っています。
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