「なぜうちのおじいちゃん、食べないんだろう…」「せっかく作ったご飯なのに、全然食べてくれない…」。在宅介護でご飯を食べてもらえない時、こんな風に胸が締め付けられるような気持ちになったことはありませんか?一生懸命介護しているのに、食事が進まないと「私のやり方が悪いのかな?」と自分を責めてしまうこともありますよね。
食べない原因は、単に「食欲がないから」だけじゃないんです。実は、私たちが気づかない意外な理由が隠されていることがほとんど。この記事では、在宅介護で「食べられない」と悩むあなたに、その本当の原因と、明日からすぐに試せる具体的な解決策を3つご紹介します。
在宅介護で「食べられない」時に知っておきたい3つの根本原因

介護のイメージ
「食事は人生の楽しみ」とよく言われますが、介護される側にとって、食事は「つらいもの」に変わってしまうことがあります。なぜ食事が進まなくなるのか、その意外な3つの根本原因を見ていきましょう。
脱水症状が引き起こす食欲不振の悪循環
「え、脱水?」と意外に思うかもしれませんが、高齢者が食欲をなくす最も一般的な原因の一つが、この脱水症状なんです。実は、年を重ねると体内の水分量が減少し、喉の渇きを感じにくくなります。そのため、自覚がないまま水分不足に陥りやすいのです。
水分が足りないと、血流が悪くなり、全身の機能が低下します。すると、体がだるく感じられ、元気や気力がなくなってしまいます。その結果、食事をする意欲そのものが湧かなくなってしまうのです。
この悪循環を断ち切るためには、食事とは別に意識的な水分補給が不可欠です。ただ水を飲ませるのが難しい場合は、ゼリーやスープ、フルーツなど、水分を多く含む食品を活用するのも効果的です。それでも改善しない場合は、一時的に点滴で水分を補給することで、劇的に食欲が回復するケースもあります。
服用中の薬が食欲を奪う!?意外な副作用の可能性
高齢になると、複数の病気を抱えることも多く、薬をたくさん服用している方も少なくありません。その薬の副作用が、実は食欲不振の大きな原因になっていることがあるんです。
薬の中には、吐き気や便秘、口の渇きといった副作用を持つものがあります。特に便秘を引き起こす薬は要注意。お腹が張って不快感が続くと、当然ながら食事をする気にはなれません。また、薬そのもので満腹感を感じてしまうケースも報告されています。
「食事量と便の量が合わない」「最近、便秘気味だ」と感じたら、まずは服用中の薬をチェックしてみましょう。薬剤師さんに相談して、食欲に影響しにくい薬に変えてもらう、あるいは飲み方を工夫するだけで、状況が大きく改善することもあります。薬は病気を治すためのものですが、その使い方を間違えると、かえってQOL(生活の質)を下げてしまうこともあるのです。
心理的ストレスが食事を「嫌なこと」に変えてしまう
食事は、介護される方にとって心理的なプレッシャーになってしまうことがあります。「食べなきゃいけない」「残しちゃいけない」という強迫観念が、食事の時間を苦痛なものに変えてしまうのです。
このプレッシャーは、介護する側の「なんとか食べさせたい」という気持ちが強すぎる場合に特に起こりやすいものです。介護する側も、食事を拒否されることで「受け入れてもらえない」「頑張っているのに報われない」と感じ、ストレスを抱えがちです。
この悪循環を断ち切るには、「食事=楽しい時間」という意識を取り戻すことが大切です。
食事の時間を「楽しかった」に変える!誰でもできる3つの介入方法
根本原因を知った上で、具体的にどんな対策をすればいいのでしょうか?ここでは、食事が進まない状況を改善するために、誰でも簡単に取り入れられる3つの方法をご紹介します。
「食べたいものを、食べたい時に、食べたいだけ」の魔法
栄養バランスを考えすぎて、決められた時間に決められたメニューを食べさせようとしていませんか?栄養を摂ることにこだわりすぎると、食事そのものが義務になってしまい、楽しさを失ってしまいます。
食事の楽しさを取り戻すためには、本人が「食べたい!」と思えるものを優先しましょう。例えば、食事が進まないおばあちゃんが「ラーメンなら食べたい」と言ったら、市販のラーメンでもいいんです。栄養は後からでも補えますが、食事への意欲が失われてしまうと取り戻すのが大変です。
「3食きっちり」という考えも一度手放してみましょう。好きなものをおやつ感覚で食べてもらったり、食事の回数を増やしたり、柔軟に対応することが大切です。まずは「口から食べる」ことの喜びを思い出してもらうことが最優先です。
環境を変えるだけで食べる!?意外な刺激の力
食事を拒否する方の中には、食べ物そのものへの「認識」が難しくなっているケースもあります。例えば、食べ物が危険なものだと誤解したり、どうやって口にすればいいか分からなくなってしまったり…。
そんな時は、環境を変えることが劇的な効果を発揮することがあります。
- 一緒に食卓を囲む介護する側が楽しそうに食事をする姿を見せることで、「ご飯は楽しいもの」という雰囲気を伝えます。
- においを活用する食事の良い香りは、食欲を刺激する効果があります。「今日はいい匂いだね」などと声をかけながら、食事への興味を促しましょう。
- 外食やピクニック気分を味わう気分転換に外に連れ出して、普段とは違う場所で食べることも効果的です。食事が「特別なイベント」になることで、食べる意欲が湧いてくることがあります。
特に、食事は雰囲気や匂い、周りの人の様子など、五感で感じる情報が非常に重要です。たとえ話が通じなくても、こうした非言語的な刺激が、食べる意欲を引き出すきっかけになるかもしれません。
医師と相談する勇気。専門家の力を借りるという選択肢
食べない状況が続き、体重が減ってきたり、褥瘡(じょくそう)※のような深刻な症状が出始めたら、専門家への相談をためらわないでください。特に、褥瘡はタンパク質やビタミンといった栄養素が不足すると治りが悪くなり、さらなる体力の低下を招きます。
「もう口から食べられない」と思っても、絶望する必要はありません。一時的な入院や、経管栄養(鼻や胃にチューブを入れて栄養を摂取する方法)、胃ろうといった選択肢も視野に入れるべきです。
「延命治療みたいで可哀そう」と抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、これらはあくまで「栄養状態を改善し、身体を回復させるための治療」です。栄養が満たされれば、褥瘡が治り、元気になって、再び口から食べられるようになる可能性も高まります。専門家は、そうした先の未来まで見据えて提案をしてくれます。
介護に関するQ&A誰もが抱くギモンに答えます
「食べない」という悩みから派生して、介護に関するさまざまな疑問が生まれてきますよね。ここでは、よくある質問に答えていきます。
Q. 介護食はどれを選べばいい?市販品の効果は?
「手作りの温かいご飯を…」と思うかもしれませんが、正直、市販の介護食は素晴らしい味方です。なぜなら、栄養バランスや食べやすさが科学的に考え抜かれているからです。
特に、褥瘡がある方には、傷の治癒を助ける高タンパク質・高カロリーの栄養補助食品がおすすめです。ドリンクタイプの製品は、手軽に栄養が摂れるので、食欲がない時でも無理なく取り入れられます。専門家が効果を実感している製品も多数ありますので、まずは試してみる価値は十分あります。
また、市販の介護食だけでなく、ゼリー飲料や栄養補助食品、高カロリーなアイスクリームなど、身近なもので栄養を補うことも可能です。
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頑張りすぎないで!介護は「手を抜く」ことが最高の愛
「なんとか食べさせないと!」と頑張りすぎると、介護する側も、される側も疲弊してしまいます。
実は、介護は「どうやって手を抜くか」が一番大事なんです。
頑張って食事を手作りする代わりに、市販品を活用する。食事の時間がつらいなら、訪問看護やショートステイといったサービスを利用して、物理的に介護から離れる時間を作る。それも立派な介護なんです。
介護は一人で抱え込まず、社会の資源をうまく活用することが大切です。ケアマネージャーや地域の相談窓口に「食べないことに悩んでいる」「介護が辛くなってきた」と相談するだけでも、道が開けることがあります。
介護は短距離走ではなく、長距離走です。頑張りすぎずに、自分自身も笑顔でいられる方法を探していきましょう。あなたの笑顔が、きっと介護される方にとって一番の栄養になるはずです。
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