親や大切な人の介護が始まり、初めて「介護用おむつ」の存在に直面したとき、何から手をつけていいか分からず途方に暮れていませんか?ドラッグストアの広い売り場には、パンツタイプ、テープタイプ、パッドなど、数えきれないほどの種類が並び、どれを選べばいいのか全く見当がつかない。そもそも、おむつを使うこと自体に抵抗がある、ご本人が嫌がる…そんな悩みは、介護に携わる誰もが一度は経験するものです。
しかし、安心してください。介護用おむつは、決して最後の手段ではありません。正しく選び、使い方を工夫することで、被介護者と介護者の両方にとっての負担を劇的に減らし、QOL(生活の質)を向上させる頼もしいパートナーになり得ます。このガイドを読めば、もう迷うことはありません。
介護用おむつは3つの「タイプ」と「組み合わせ」が鍵

介護のイメージ
「介護用おむつ」と一言で言っても、実は大きく3つのタイプに分かれます。さらに重要なのは、これらのタイプを適切に「組み合わせる」ことで、快適さと経済性を両立できるという事実です。
外側のおむつアウターの2タイプ
まず、体の外側に着用するアウターには、主に以下の2種類があります。
- パンツタイプご本人が自分で歩ける、または少しの介助があれば立ち上がれる方向けです。下着のように履けるため、心理的な抵抗感が少なく、リハビリパンツとして自立支援にも繋がります。最近では、下着と見分けがつかないほど薄く、スリムなデザインのものも増えています。
- テープタイプ寝たきりの方や、おむつをつけたまま横になった状態で交換する方向けです。ウエスト部分をテープで調整するため、体型にぴったりとフィットさせやすく、寝た姿勢でのモレを防ぐ効果が高くなります。
内側のおむつインナーのパッドタイプ
次に、アウターと組み合わせて使うインナーの代表格が「尿とりパッド」です。これはアウターの内側に装着する吸収体のことで、これ単体では使えません。
インナーを併用する最大のメリットは、尿を吸収するパッドだけを交換すれば済むため、アウターを何度も交換する必要がなくなり、介護者の負担を大きく減らせることです。また、アウターの費用を抑えながら、経済的に運用することができます。
失敗しない!介護用おむつ選びの3つの鉄則
おむつ選びで最も重要なのは、被介護者の「身体の状態」「排泄の量とタイミング」「体型」の3つの要素を正確に把握することです。この3つの鉄則を無視してはいけません。
鉄則1身体の状態(活動レベル)でタイプを選ぶ
被介護者がどのくらい動けるか、その活動レベルが最も重要な判断基準になります。
自力で歩ける、または介助があれば歩ける方迷わずパンツタイプを選びましょう。トイレへの誘導がスムーズになり、ご本人の自尊心を守ることにも繋がります。
寝て過ごすことが多い、または座っている時間が長い方テープタイプが最適です。寝たままの姿勢でも交換がしやすく、モレの不安を軽減できます。
鉄則2排泄の量とタイミングで吸収回数を選ぶ
おむつのパッケージに「吸収回数」や「○○cc吸収」と記載されているのを見たことがあるはずです。これは、おむつが何回分の尿を吸収できるかを示しています。
日中活動量が多い日中は、2〜3回分吸収の薄型パッドでこまめに交換するのが理想的です。
夜間就寝中は交換が難しいため、一晩中安心して眠れるよう、4〜8回分吸収の長時間用・夜用パッドを活用しましょう。
鉄則3体型に合ったサイズをチェックする
サイズが合っていないおむつは、モレや肌トラブルの最大の原因になります。小さすぎると締め付けによる不快感や赤みの原因に、大きすぎるとギャザーの隙間から尿や便が漏れてしまいます。
タイプ | 確認すべきポイント | 選び方のコツ |
---|---|---|
パンツタイプ | ウエストサイズ | 下着の感覚で、ウエストにぴったりフィットするものを選ぶ。 |
テープタイプ | ヒップサイズ | ヒップをしっかり覆い、足回りに隙間ができないサイズを選ぶ。 |
尿とりパッド | 幅と長さ | 使用するアウターの幅に合い、特に夜間は、お尻をしっかりカバーできる長めのものを選ぶ。 |
ご本人のウエストやヒップのサイズを実際に測ってから購入することが、失敗しない第一歩です。
介護用おむつに関する疑問を解決!
おむつ選びの基本を押さえたところで、多くの人が抱える具体的な疑問について、Q&A形式で解説していきます。
Q1おむつは「汚れている」と感じた時に交換すればいい?
A. 汚れていなくても、こまめな交換が大切です。尿や便は時間が経つと皮膚への刺激が強くなり、肌トラブル(かぶれやただれ)の原因になります。また、おむつ内の蒸れも大きな問題です。特に、夏場や湿度の高い時期は、たとえ少量でも1日に数回は交換して、おしりを清潔に保つように心がけましょう。
Q2パッドを何枚も重ねて使うのは効果的?
A. パッドの重ね付けは、かえって逆効果になることが多いです。パッドを重ねると、おむつと体の間に隙間ができやすくなり、そこから漏れてしまう可能性が高まります。また、吸収できる量が増えるわけではなく、下層のパッドは十分に吸収しないままになってしまうこともあります。吸収量を増やしたい場合は、吸収回数が多いパッドを選ぶか、アウターとインナーの適切な組み合わせを見直しましょう。
Q3おむつを嫌がる場合はどうすればいい?
A. おむつに抵抗を感じるのは、ご本人の自尊心に関わるデリケートな問題です。決して無理強いせず、まずは気持ちに寄り添いましょう。
- 「お守り」として提案する外出時や夜間など、特定のシーンでのみ「もしもの時のためのお守り」として使ってもらうよう提案してみましょう。
- 下着に近いデザインを選ぶ薄型で下着と区別がつきにくい「下着感覚パンツ」や、オーガニックコットンなどの肌に優しい素材のものなど、ご本人が受け入れやすい商品を探してみてください。
- 相談に乗る介護サービス事業所の専門家や、地域の高齢者総合相談センターなどに相談し、専門的なアドバイスをもらうことも有効です。
「おむつは恥ずかしいもの」という固定観念を捨て、おむつを上手に活用することで、行動範囲が広がり、自立した生活を送るためのツールになることを丁寧に説明してあげましょう。
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まとめ介護用おむつは「生活の質」を高めるためのツール
介護用おむつは、単に排泄物を処理するための道具ではありません。それは、ご本人のQOL(生活の質)を向上させ、自立した生活を支えるための重要なツールです。そして同時に、介護者の精神的・身体的な負担を大きく軽減してくれる存在でもあります。
適切なタイプとサイズを選び、アウターとインナーを賢く組み合わせることで、快適さと経済性を両立することができます。そして何より、おむつを使用することへのご本人の気持ちを尊重し、寄り添う姿勢が大切です。このガイドが、あなたの介護生活をより豊かで前向きなものにする一助となれば幸いです。
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