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介護保険改正で福祉用具はどう変わる?価格上限制度を3分で完全理解

介護職員向け
介護職員向け最新制度・法改正

介護が必要になったとき、車椅子や介護ベッドなどの福祉用具は生活を支える大切なパートナーです。でも、同じ商品なのに事業者によって価格が大きく違う、という問題をご存知でしょうか。実は平成30年の介護保険制度改正で、この問題を解決するための画期的な仕組みが導入されました。それが福祉用具貸与価格の上限制度届出システムです。

この制度改正により、利用者の皆さんは適正な価格で福祉用具を借りられるようになりました。しかし、制度の内容や背景を正しく理解している方は意外と少ないのが現状です。今回は、介護保険改正による福祉用具の価格制度について、初心者の方でもすぐに理解できるよう丁寧に解説していきます。この知識があれば、ご家族の介護費用を適切に管理し、質の高いサービスを受けることができるようになります。

福祉用具貸与で価格がバラバラだった深刻な問題

介護のイメージ

介護のイメージ

介護保険制度における福祉用具は、高齢者や障がいのある方が自宅で自立した生活を送るために欠かせないものです。車椅子、介護用ベッド、歩行器など、これらの用具は利用者の生活機能を維持・改善し、介護する家族の負担を軽減する重要な役割を担っています。

しかし、この福祉用具貸与には大きな問題がありました。それは同じ商品でありながら、貸与事業者によって価格が大きく異なるという点です。

なぜこのような価格差が生まれたのでしょうか。福祉用具の貸与価格には、商品そのものの価格だけでなく、利用者ごとに作成するケアプランの作成費用、定期的な保守点検費用、配送費用、さらには事業者の人件費など、さまざまな経費が含まれます。これらの経費は事業者の裁量に委ねられていたため、全く同じ車椅子でも、A社では月額2,000円、B社では月額5,000円といった大きな開きが生じていました。

特に深刻だったのは、平均的な価格と比べて著しく高額な請求が行われているケースが散見されたことです。利用者やご家族は介護保険制度や福祉用具の相場について詳しくない場合が多く、適正価格かどうかを判断することが困難でした。結果として、知らず知らずのうちに高額な費用を支払い続けているケースも少なくなかったのです。

平成30年介護保険改正がもたらした革命的な変化

こうした問題を解決するため、国は平成28年12月に社会保障審議会介護保険部会で「介護保険制度の見直しに関する意見」をまとめ、続く平成29年12月には社会保障審議会介護給付費分科会で「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」を発表しました。

これらの報告書では、適切な貸与価格を確保する観点から、貸与価格の全国的な状況を把握し公表する仕組みの構築が提言されました。さらに重要なのは、貸与価格に上限を設けるべきという具体的な方針が示されたことです。

この提言を受けて、平成29年度には公益財団法人テクノエイド協会により「福祉用具貸与価格の見える化に関する研究事業」が実施されました。この研究事業では、全国の福祉用具貸与事業者から価格データを収集し、商品ごとの貸与価格の実態を明らかにしていきました。

そして平成30年10月、ついに福祉用具貸与価格の上限適用が開始されました。これは介護保険制度における福祉用具貸与の歴史において、まさに革命的な出来事でした。各商品について全国平均貸与価格を算出し、その平均価格の一定割合を上限価格として設定することで、極端に高額な請求を防ぐ仕組みが確立されたのです。

福祉用具届出システムの仕組みと重要性

価格上限制度を適切に運用するためには、すべての福祉用具について価格情報を把握する必要があります。そこで導入されたのが福祉用具届出システムです。

従来から、公益財団法人テクノエイド協会が運用する「TAIS(福祉用具情報システム)」という仕組みがありました。TAISに登録された福祉用具には「TAISコード」という固有の識別番号が付与され、商品の特性や機能などの情報が管理されていました。しかし、すべての福祉用具がTAISに登録されているわけではなく、TAISコードを取得していない商品も多数存在していました。

そこで新たに導入されたのが「福祉用具届出コード」です。TAISコードが付与されていない商品については、事業者がこの届出システムを通じて商品情報を登録し、福祉用具届出コードを取得することになりました。このコードをもとに、各商品の貸与価格データが収集され、全国平均価格や上限価格が算出される仕組みです。

この届出システムの目的は、新たな商品が開発され普及していく中で、福祉用具の貸与価格の全国的な状況を継続的に把握することにあります。令和元年度以降は新商品についても同様の取り扱いがなされ、市場に出回るすべての福祉用具について価格の透明性が確保されるようになりました。

利用者にとっての具体的なメリット

この制度改正は、福祉用具を利用する方々やそのご家族にとって、いくつもの大きなメリットをもたらしました。

まず最も重要なのは、適正価格での福祉用具利用が保証されるようになったことです。上限価格が設定されたことで、極端に高額な請求を受けるリスクがなくなりました。介護保険を利用する方の多くは限られた年金収入で生活しているため、この価格適正化は家計への負担軽減に直結します。

次に、価格の透明性が向上したことで、事業者間の価格比較が容易になりました。商品ごとの全国平均貸与価格が公表されるため、利用者は自分が支払っている価格が適正かどうかを判断できるようになりました。これにより、より良い条件で福祉用具を提供する事業者を選択する権利が実質的に保障されたのです。

さらに、価格競争が促進されることで、サービスの質向上も期待できます。価格だけでなく、保守点検の丁寧さや相談対応の質など、総合的なサービスで事業者を選べるようになったことは、利用者にとって大きな前進です。

事業者側の対応と注意点

福祉用具貸与事業者にとって、この制度改正は業務プロセスの見直しを迫るものでした。特に重要なのは、取り扱う福祉用具について適切にコードを取得し、届出を行う義務が生じたことです。

TAISコードを取得していない商品を貸与する場合、事業者は届出システムを通じて福祉用具届出コードを取得しなければなりません。この手続きを怠ると、介護保険の請求ができなくなる可能性があります。平成29年10月19日付けの通知「介護給付費請求書等の記載要領について」の一部改正により、請求時にはこれらのコードを正確に記載することが求められています。

また、事業者は定期的に貸与価格情報を提供する必要があります。この情報が全国平均価格の算出に用いられ、最終的には上限価格の設定につながります。正確なデータ提供は、制度全体の信頼性を支える基盤となっています。

介護保険改正で福祉用具に関する疑問解決

すでに福祉用具を借りているけれど、価格は自動的に見直されますか

既存の契約についても、上限価格が適用されます。もし現在の貸与価格が上限を超えている場合、事業者は価格を見直す必要があります。ただし、自動的に安くなるわけではないので、ケアマネジャーや事業者に確認することをおすすめします。現在の価格が適正かどうか不安な場合は、全国平均価格の公表データを参考にすることもできます。

福祉用具届出コードとTAISコードの違いは何ですか

TAISコードは、福祉用具情報システムに正式登録された商品に付与される包括的な識別コードで、商品の詳細な機能や特性情報が含まれます。一方、福祉用具届出コードは、TAISコードを取得していない商品について、価格管理を目的として付与される識別コードです。どちらのコードも商品を特定し、価格データを管理するために使用されますが、登録プロセスや情報の詳細度に違いがあります。

新しい福祉用具を開発した場合、どうすればよいですか

新商品を市場に投入する際は、まずTAISへの登録を検討します。TAISに登録しない場合でも、介護保険で貸与する商品であれば、福祉用具届出システムを通じて届出コードを取得する必要があります。令和元年度以降、新商品についても上限価格が適用されるため、適切な価格設定と届出手続きが不可欠です。

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まとめ

介護保険改正による福祉用具貸与価格の適正化は、利用者の権利を守り、介護の質を向上させる重要な制度改革です。価格上限の設定と届出システムの導入により、透明性が高く公平な市場環境が整いました。

これからも福祉用具を利用される方は、ご自身やご家族が支払っている価格が適正かどうかを定期的に確認することをおすすめします。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すれば、詳しい情報を得ることができます。適切な価格で質の高い福祉用具サービスを受けることは、皆さんの当然の権利なのです。この制度を理解し、賢く活用することで、安心して在宅介護を続けることができるでしょう。

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