看取り介護は、近年の介護業界で注目されるキーワードとなっています。
しかし、その実態や意義は、多くの人々にはまだ十分に理解されていないかもしれません。
この記事では、ベテラン介護士としての経験をもとに、看取り介護の真実と、老人ホームでの看取りの実際について詳しく解説します。
看取り介護とは？
看取りとは、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援することを指します。これまでの医療の中心は生命の維持でしたが、看取り介護の考え方が広まることで、その人らしい最期を迎えるためのケアが重視されるようになりました。
看取り介護とは、死が近い人に対して行う介護のことです。
死ぬまでの間、身体や心の痛みをなくしたり、安らかに過ごせるようにしたりすることが目的です。
看取り介護では、本人の意思を尊重し、無理な治療はしないことが大切です。
看取りとターミナルケアの違い
看取り介護とターミナルケアの主な違いは「医療対応か、介護対応か」という点です。
ターミナルケアは終末期医療や終末期看護を中心とし、点滴や酸素吸入などの医療的ケアを提供します。
つまり、ターミナルケアとは、死が近い人に対して行う医療のことです。ターミナルケアは医師が主に行います。
一方、看取り介護は介護士や家族が行う日常生活のケア、食事や排せつの介助、褥瘡の防止などが中心となります。
老人ホームでの看取りの実際
老人ホームや介護施設での看取りは増加傾向にあります。
老人ホームでの看取りでは、入居者の希望や状態に応じて、延命治療を行わない場合もあります。
老人ホームでは、看取り介護に慣れた職員が入居者や家族をサポートします。
老人ホームでの看取りのメリットは、住み慣れた場所で最期を迎えられることや、家族が負担を感じないことです。
デメリットは、看取り介護に対応していない施設もあることや、容態が急変した場合に退去を求められる場合もあることです。
看取りについては入所前に必ず確認しておきましょう。
看取りの準備・エンゼルケア
看取り介護を受けている入居者の容態は突然悪化することもあります。その際、家族や施設の職員が寄り添い、最期の瞬間を支えます。エンゼルケアとは、亡くなった方の体を清潔にし、新しい服に着替えさせるなどのケアを指します。私自身も、看護師と一緒にエンゼルケアを行った経験があり、その時の感動や学びは今も心に残っています。
看取りの準備とは、死が近づいたときにすることです。
例えば、最期に着せたい服や聞かせたい音楽などを用意したり、本人や家族の気持ちを聞いたりすることです。
エンゼルケアとは、死んだ後にするケアです。
例えば、体をきれいに拭いたり着替えさせたりすることです。
エンゼルケアでは、本人の尊厳を守ることや家族の気持ちを考えることが大切です。
まとめ
看取り介護は、本人や家族の意向を尊重し、尊厳ある最期を迎えるための大切なケアです。老人ホームや介護施設での看取りの実際や意義を理解することで、より良い看取りが実現されることを願っています。
コメント