「お風呂、どうしよう…?」
在宅介護をしていると、この悩みにぶつかる方はとても多いのではないでしょうか。ただでさえ重労働なのに、滑って転んだり、風邪をひいたりしないかと心配は尽きませんよね。お風呂は単に体を清潔にするだけでなく、心身のリフレッシュにもなる大切な時間です。
だからこそ、介護される方も介護する方も、お互いに心から安心できる方法を知ることが何よりも大切です。この記事では、私がこれまで数多くのご家族の悩みを聞き、解決に導いてきた中で見つけた、安全かつ快適な在宅介護のお風呂介助の秘訣を7つにまとめました。
ちょっとした工夫で、お風呂の時間が笑顔あふれるかけがえのない時間に変わります。ぜひ最後まで読んで、今すぐ使える知識を身につけてください。
介助を始める前に!安全と安心を確保する3つの黄金ルール

介護のイメージ
介護される方、そして介護する方、両方の安全を守るためには、入浴介助を始める前の準備がすべてです。まずはこの3つのルールを徹底しましょう。
黄金ルール1ヒートショックと脱水症を徹底的に防ぐ
ご高齢の方にとって、入浴時の急激な温度変化は命に関わる危険があります。これがヒートショックです。脱衣所や浴室の寒さが引き金になることが多いので、入浴前から暖房をつけて室温を上げておきましょう。浴室は、シャワーを数分間出して蒸気で暖めておくのも効果的です。
また、意外に見落としがちなのが脱水症です。お風呂ではたくさんの汗をかくため、入浴中も入浴後も水分補給は欠かせません。入浴前には、のどが渇いていなくてもコップ一杯の水を飲むように促してください。この小さな習慣が、入浴時のめまいやふらつきを防ぎます。
黄金ルール2介護者・被介護者の体調をダブルチェック
入浴は想像以上に体力を消耗します。必ず入浴前に、介護される方の体温、血圧、顔色などを確認しましょう。もし少しでも体調が優れないと感じたら、無理をせずシャワーにするか、清拭(体を拭くこと)に切り替える勇気も必要です。
また、介護する側も自分の体調をチェックするのを忘れないでください。腰や肩に痛みがあったり、疲労が溜まっていたりする状態での介助は、ケガや事故につながるリスクが高まります。安全な介助は、まず介護する側が健康であることから始まります。
黄金ルール3声かけの魔法で安心感を引き出す
「今からお湯かけますね」「足、持ち上げますよ」といった具体的な声かけは、介護される方の不安を和らげ、協力を引き出すための最も強力なツールです。
入浴介助中は、次の動作に移るたびに声かけを徹底しましょう。
- これから何をするのか、次のステップを具体的に伝えることで、被介護者が心構えを持てる。
- 声をかけながら介助することで、急な動作による驚きや恐怖を軽減できる。
- コミュニケーションを密にすることで、お互いの信頼関係が深まる。
また、入浴中や入浴後には「気持ちよかったね」「体が温まったね」といったポジティブな言葉をかけることで、お風呂の時間を楽しい時間として記憶してもらうことができます。
危険を回避する!介助の場面別プロのテクニック
ここからは、お風呂介助の具体的な場面ごとに、プロが実践する安全で楽になるテクニックをご紹介します。
着替え・移動転倒リスクをゼロにする工夫
着替えは、バランスを崩しやすい危険なタイミングです。無理に立って着替えさせず、安定した椅子に座ってもらうことで転倒を未然に防ぎましょう。
特に片麻痺がある方の着替えには、特別な工夫が必要です。次の手順で行うと、よりスムーズに着脱できます。
- 脱衣時麻痺のない側の腕から服を脱ぎ始め、次に麻痺のある側を抜く。
- 着衣時麻痺のある側の腕から服を通し、次に麻痺のない側を通す。
この「脱ぐときは麻痺のない側から、着るときは麻痺のある側から」という原則を覚えておけば、介助が格段に楽になります。また、かぶり式の服から前開きの服に変えるだけでも、着替えの負担は大きく軽減されます。
体を洗う負担を減らす便利グッズの活用術
体を洗うとき、背中に手が届かなかったり、体を支えるのに力が要ったりと、多くの課題が出てきます。
そんな時は、次の便利グッズを検討してみましょう。
- 柄の長いブラシやスポンジ自分で背中や足先を洗うのが困難な方でも、介助なしで洗える範囲が広がります。
- シャワーチェア座面が回転したり、背もたれがついていたりするタイプを選ぶと、体勢の安定だけでなく、介助者も楽に体を洗うことができます。座面が低いと立ち上がりが大変なので、少し高めの椅子を選ぶのがポイントです。
これらのグッズは、ただ介助を楽にするだけでなく、「自分でできる」という自信を本人に与えることにもつながります。
浴槽への出入りと入浴中転倒・溺水リスクを徹底排除
お風呂介助の最も危険な場面が、浴槽の出入りです。滑りやすい環境での不安定な動作を、安全にサポートする方法を学びましょう。
浴槽をまたぐ介助者の腰と被介助者の安全を守る3ステップ
浴槽をまたぐ動作は、介助者にとっても大きな負担になります。次の3つのステップで、安全かつスムーズにサポートしましょう。
- 手すりの活用浴槽の縁や壁に手すりがあると、片手で体を支えながら安全にまたげます。グリップ式やL字型の手すりは、動作に合わせて最適な位置に設置できるため特におすすめです。
- バスボード(浴槽またぎ台)の利用足を高く上げることが難しい場合は、浴槽の縁に設置するバスボードが非常に有効です。まずバスボードに腰掛けてから、片足ずつ浴槽の中に入れることで、転倒リスクを大幅に減らせます。
- 滑り止めマットの敷設浴室内や浴槽の中に滑り止めマットを敷くことは、転倒予防の基本中の基本です。マットを選ぶ際は、吸盤が強力でズレないものを選びましょう。
浴槽の中溺水を防ぐ正しい姿勢
浴槽の中では浮力で体が不安定になりがちです。背もたれ付きの浴槽内いすや、浴槽内に設置された横手すりを活用することで、安定した姿勢を保つことができます。安定した姿勢で入浴することは、溺水防止にもつながります。
また、浴槽から立ち上がる際は、浴槽内の手すりやL字型手すりを両手でしっかりとつかんで、ゆっくりと立ち上がるように促しましょう。急に立ち上がると、めまいやふらつきの原因になります。
在宅介護のお風呂介助に関する疑問解決Q&A
Q1:お風呂の介助は毎日必要ですか?
A1:必ずしも毎日である必要はありません。特に体力が落ちている方や、入浴に大きな負担を感じる場合は、週に数回の入浴に切り替え、入浴しない日は清拭(タオルで体を拭く)を行うことで清潔を保つことができます。介護される方の体調と、介護する側の負担を考慮して無理のないペースを見つけましょう。
Q2:自宅のお風呂が狭く、介助が難しい場合はどうすればいいですか?
まずは福祉用具のレンタルや購入を検討してみましょう。コンパクトなシャワーチェアや、浴槽をまたぐためのバスボードなど、狭い浴室でも使える便利なアイテムがたくさんあります。
それでも介助が難しい場合は、デイサービスの利用を検討することも一つの手です。デイサービスでは、専門のスタッフが安全な入浴介助を行ってくれます。リフト付きの浴槽など、自宅では難しい入浴方法を提供している施設も多いです。
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まとめ|お風呂の時間を「苦痛」から「喜び」に変えるために
在宅介護でのお風呂介助は、時間と労力のかかる大変な作業です。しかし、今日ご紹介したようなちょっとした工夫や便利グッズを取り入れることで、介助する側の負担は劇的に軽くなります。
そして何より大切なのは、「安全にお風呂に入れた」という成功体験を重ねることです。安全が確保されれば、お風呂は心身のリラックスと、お互いの絆を深める大切な時間になります。
今回ご紹介した7つの秘訣が、あなたの在宅介護の負担を少しでも減らし、お風呂の時間を笑顔と安心に満ちた時間に変えるきっかけになれば嬉しいです。
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