「なんで、こんなに感染症を繰り返すんだろう…?」もし、そう感じているなら、それはあなたのせいではありません。多くの人が、高齢者特有の感染症の原因を「免疫力の低下」や「衛生環境」だけだと思っています。もちろん、それらも大切な要素です。でも実は、もっと根本的で、ほとんどの人が見逃している「ある習慣」が深く関わっているのをご存じでしょうか?
それが、日々の「口腔ケア」です。
「え、口の中と、尿路感染症に何の関係があるの?」そう思いましたよね。私も初めてこの事実を知った時は、本当に驚きました。この記事を最後まで読めば、高齢者の感染症予防に対するあなたの考え方が180度変わります。そして、今日からできる具体的な対策をすぐに実行できるようになります。大切な人を守るために、ぜひ最後まで読み進めてください。
なぜ高齢者は「口腔ケア」と「尿路感染症」の関係を知るべきなのか?

介護のイメージ
多くの高齢者は、若い頃に比べて免疫力が低下しています。これは、加齢とともに免疫細胞の働きが衰えるためです。しかし、それだけが感染症リスクを高める本当の理由ではありません。実は、口腔内には約700種類もの細菌が生息しており、その数は健康な人でも数百億個、不衛生な状態だと数兆個にもなるといわれています。
口腔内の環境が悪化すると、これらの細菌が増殖し、唾液や食べ物と一緒に気道に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。これはよく知られている話ですね。しかし、問題はそれだけではありません。
増殖した口腔内の細菌は、歯周病などの炎症を引き起こすだけでなく、唾液と共に消化管を通って全身に巡り、様々な臓器に悪影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになっています。特に、歯周病菌の一種である「Porphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)」などは、血管内に入り込み、全身の炎症を助長するだけでなく、体の別の部位に定着して感染症を引き起こす可能性も指摘されています。
このように、口腔内の細菌バランスの崩れが全身の健康、特に尿路感染症のリスクにまで影響を与えている可能性を、私たちはもっと真剣に考える必要があります。
口腔ケアを怠ると、なぜ「尿路感染症」のリスクが高まるのか?
「尿路感染症」は、尿道から細菌が侵入し、膀胱や腎臓などに炎症を起こす病気です。特に、高齢の女性は尿道が短いため、男性に比べて発症リスクが高いとされています。
この病気の原因菌の多くは、大腸菌などの腸内細菌です。しかし、近年、口腔内の細菌が原因となるケースも注目されています。そのメカニズムは複雑ですが、主な要因として以下のことが考えられます。
- 口腔内細菌の全身への拡散不衛生な口腔内に増殖した細菌が、唾液や血液を通して全身に運ばれ、尿路に定着することがあります。免疫力が低下していると、これらの細菌が簡単に増殖し、尿路感染症を引き起こすきっかけとなるのです。
- 栄養状態の悪化と免疫力の低下口腔内に問題があると、食事を十分に摂ることが難しくなります。咀嚼機能の低下や痛みにより、食欲が減退し、栄養状態が悪化すると、全身の免疫力がさらに低下します。その結果、細菌に対する抵抗力が弱まり、尿路感染症だけでなく、あらゆる感染症にかかりやすくなってしまいます。
- 脱水傾向口腔内が不潔だと口臭やネバつきが気になり、水分を摂るのをためらうことがあります。また、飲み込みにくさから水分摂取量が自然と減ることも。水分不足は尿量が減り、尿路の細菌を洗い流す機能が弱まるため、尿路感染症のリスクを直接的に高めます。
このように、口腔ケアは単に口の中をきれいにするだけでなく、全身の感染症予防、特に尿路感染症予防に深く関わっているのです。
今日から始める!たった3つの「口腔ケア」で感染症を遠ざける秘訣
難しいことはありません。今日からすぐに始められる、高齢者の感染症予防に効果的な口腔ケアのポイントを3つご紹介します。
### 1. 丁寧な歯磨きだけでなく「舌磨き」も習慣にする
歯と歯茎だけでなく、舌の表面も細菌の温床です。特に舌の白い苔(舌苔)には、感染症の原因となる細菌がびっしりと付着しています。
舌専用ブラシや柔らかい歯ブラシを使い、舌の奥から手前に向かって優しくなでるように磨きましょう。強くこすると味覚を司る細胞を傷つけてしまうので、くれぐれも注意してください。毎日ではなく、週に2〜3回程度を目安に行うと良いでしょう。
### 2. ドライマウス対策で唾液の分泌を促す
唾液には、口腔内の細菌を洗い流し、増殖を抑える自浄作用があります。しかし、加齢や服用している薬の影響で唾液の分泌が減少し、口腔内が乾燥しがちです。これがドライマウスです。
ドライマウスを防ぐために、こまめな水分補給はもちろん、唾液腺マッサージも効果的です。
- 耳下腺マッサージ人差し指から小指まで4本を使い、耳たぶの下から顎の先にかけて、優しく円を描くようにマッサージします。
- 顎下腺マッサージ顎の骨の内側の柔らかい部分を、指で数回押すように刺激します。
- 舌下腺マッサージ両手の親指を顎の下に当て、舌を押し上げるように数回押します。
これらのマッサージを食事前に行うことで、唾液の分泌が促され、食べ物の飲み込みがスムーズになり、消化を助ける効果も期待できます。
### 3. 入れ歯(義歯)の徹底洗浄で「カビ」を予防する
入れ歯は、細菌やカンジダ菌(カビ)が繁殖しやすい場所です。毎日の洗浄を怠ると、口の中に細菌が広がり、感染症のリスクを高めます。
入れ歯は、外したらすぐに専用ブラシと専用洗剤で丁寧に磨き、水に浸けて保管してください。歯磨き粉は研磨剤が入っているため、入れ歯を傷つけてしまうので使わないようにしましょう。また、週に一度は入れ歯洗浄剤に浸け、殺菌することも大切です。
介護者が知っておくべき「口腔ケア」の疑問と解決策
ここでは、日々の介護でよく直面する「口腔ケア」に関する疑問にお答えします。
### Q1. 本人が嫌がって、なかなか口を開けてくれません。どうすればいい?
無理強いは禁物です。まずは、口腔ケアが「嫌なもの」というイメージを変えましょう。例えば、「お口をきれいにしたら、大好物の○○を食べましょうね」「お口の体操を一緒にやりましょう」など、楽しい声かけを試してみてください。また、歯ブラシの選び方も大切です。毛先が柔らかく、ヘッドが小さなものを選ぶと、不快感が軽減されます。
### Q2. 歯茎から出血があるのですが、磨き続けても大丈夫?
歯茎からの出血は、歯周病のサインかもしれません。出血があるからといって磨くのをやめてしまうと、さらに状態が悪化します。優しく丁寧に磨き続けることが大切です。ただし、あまりにひどい出血や痛みを伴う場合は、かかりつけの歯科医に相談してください。
### Q3. 毎日の口腔ケアを忘れがちです。良い方法はありますか?
「食事前」「就寝前」など、決まったタイミングで口腔ケアを行うことを習慣にしましょう。カレンダーにチェックをつけたり、リマインダーを設定したりするのも有効です。また、介護者自身が楽しんで行えるよう、お気に入りの歯ブラシやフレーバーの歯磨き粉を見つけるのも良いですね。
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まとめ口腔ケアは「命を守る」最重要予防策
高齢者の感染症を予防する上で、手洗いやうがい、予防接種、栄養バランスのとれた食事や適度な運動が大切であることは言うまでもありません。しかし、それらに加えて、「口腔ケア」が全身の健康、特に尿路感染症予防に深く関わっているという事実は、もっと広く知られるべきです。
口腔ケアは、単なる口の中の清潔保持ではなく、全身の健康を守るための最も基本的で、かつ最も重要な予防策なのです。
この記事を読んでくださったあなたが、今日からこの知識を活かし、大切な人、そして自分自身の健康を守るための行動を始めるきっかけになれば幸いです。
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