大切なご家族やご自身が、ずっと同じ姿勢で過ごすことになった時、「床ずれ」という言葉が頭をよぎることはありませんか?「床ずれって、どうやって防ぐんだろう?」「どんなマットレスを選べばいいの?」そんな不安を感じている方も多いかもしれません。床ずれは、一度できると治りにくく、ご本人にとっても介護者にとっても大きな負担となります。でも、ご安心ください。床ずれは正しい知識と対策で、9割以上は防げると言われています。この記事では、あなたの悩みを解決するために、ただマットレスを選ぶだけではない、床ずれ予防の全体像から、今すぐ実践できる具体的な対策まで、専門家が持つ知識を分かりやすくお伝えします。
床ずれ(褥瘡)がなぜできる?そのメカニズムとリスク要因

介護のイメージ
「床ずれ」という言葉は聞くけれど、具体的にどうしてできるのかご存知でしょうか。床ずれとは、医学的には「褥瘡(じょくそう)」と呼ばれ、長時間同じ体勢でいることで、皮膚の一部分が圧迫され、血の流れが悪くなってしまうことで起こります。特に骨が出っ張っている部分、たとえばお尻の骨、かかと、後頭部、肩甲骨などは、体にかかる圧力が集中しやすく、床ずれが非常にできやすい場所です。
皮膚が圧迫されると、その部分の細胞に必要な酸素や栄養が届かなくなり、組織が壊死してしまいます。これが皮膚の赤みやただれ、ひどくなると深い傷になる原因です。高齢の方や病気などで体が弱っている方は、皮膚自体も弱くなっているため、少しの圧迫でも床ずれができてしまうリスクが高まります。
床ずれ予防の基本マットレス選びだけじゃない3つの柱
床ずれ予防は、単に高価なマットレスを使えば良いというわけではありません。マットレス選びは非常に重要な要素ですが、それと並行して実践すべき大切な柱が2つあります。この3つの柱を意識することで、より効果的に床ずれを防ぐことができます。
柱1定期的な体位変換(姿勢を変える)
同じ姿勢でいる時間をできるだけ短くすることが、床ずれ予防の最も基本となる方法です。一般的には2時間ごとの体位変換が推奨されています。自分で寝返りが打てない方の場合、介護者の方が優しく体の向きを変えてあげる必要があります。この体位変換によって、圧迫されていた部分の血流を回復させることができます。
柱2適切なスキンケアと栄養管理
皮膚を清潔に保ち、乾燥させないことも重要です。汗や尿、便などで皮膚が湿っていると、ふやけてしまい傷つきやすくなります。通気性の良い寝具を使ったり、こまめに拭き清めるなどして、皮膚をいつもサラサラな状態に保ちましょう。また、健康な皮膚を保つためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルといった栄養素をバランス良く摂取することも不可欠です。
柱3体圧分散マットレスの活用
床ずれのリスクが高い方にとって、体圧分散マットレスは必須アイテムです。このマットレスは、体にかかる圧力を均等に分散・吸収することで、特定の部位に負担が集中するのを防いでくれます。体位変換の頻度を減らすことができるため、ご本人の安眠を確保し、介護者の負担を軽減する効果も期待できます。
知って得する!マットレスの種類と選び方7つの秘訣
ここからは、床ずれ予防の要となるマットレス選びについて、後悔しないための7つの秘訣をお伝えします。
秘訣1ウレタンフォームとエアマットレス、どっちを選ぶ?
褥瘡予防マットレスは、大きくウレタンフォーム型(静止型)とエアマットレス型(能動型)に分けられます。
ウレタンフォーム型は、電源を使わず、素材の特性で圧力を分散するタイプです。安定していて静かで、自分で寝返りが打てる方や、比較的床ずれのリスクが低い方におすすめです。
一方、エアマットレス型は、内部の空気の出し入れを電動ポンプでコントロールし、圧力がかかる場所を周期的に変えてくれるタイプです。ご自分でほとんど寝返りが打てない方や、床ずれのリスクが非常に高い方に最適です。
秘訣2素材だけじゃない!チェックすべき機能
最近のマットレスは、様々な高機能を備えています。特に注目したいのは、以下の2つです。
- 交互圧切替機能エアマットレスに搭載されている機能で、一定時間ごとに空気の圧力を切り替えることで、常に体の下にかかる圧力を変えてくれます。これにより、24時間ベッドにいるような方でも、床ずれのリスクを大幅に下げることができます。
- 低空気損失機能こちらもエアマットレスの機能で、マットレス内部から微量の空気を常に送り出すことで、寝床内の湿度と温度を快適に保ち、汗や蒸れによる床ずれを防ぎます。特に汗をかきやすい方や、失禁の心配がある方に非常に有効です。
秘訣3体格や体重に合わせた「反発力」と「厚み」
マットレス選びは、使う方の体格や体重も考慮に入れる必要があります。痩せている方の場合、骨の出っ張りが直接マットレスに当たらないよう、柔らかく体を包み込むタイプが適しています。逆に体重が重い方は、柔らかすぎるマットレスだと沈み込みすぎて底つきしてしまい、かえって圧迫が集中してしまいます。体重をしっかり支える厚みと反発力のあるマットレスを選びましょう。
秘訣4体の変形(円背)がある場合の選び方
背中が丸くなっている(円背)の方や関節が固まっている方は、特定の部位に極端な圧力がかかりやすくなります。このような方には、体の凹凸に柔軟にフィットし、底つきしにくい多層構造のマットレスや、複数のエアセルが複雑に働くエアマットレスがおすすめです。
秘訣5介護の環境を考慮する
介護者の負担軽減も大切なポイントです。夜間の体位変換が難しい場合や、介護者が一人でケアしている場合は、エアマットレスのような能動的にサポートしてくれるタイプが非常に役立ちます。また、マットレスの重さや、電動ポンプの静音性もチェックしておきましょう。
秘訣6衛生面を忘れない
床ずれ予防には清潔な環境が欠かせません。汗や失禁などで汚れても、簡単に拭き取れる防水カバーや、洗濯可能なカバーが付いているかを確認しましょう。また、抗菌・防臭加工が施されている製品を選ぶと、より安心して使えます。
秘訣7レンタルか購入か?経済的な賢い選択
褥瘡予防マットレスは、介護保険制度を利用してレンタルできる場合があります。
レンタル(介護保険適用) | 購入(自費) |
---|---|
要介護度2以上の方が対象(例外あり) | 要介護認定がなくても利用可能 |
月額数百円~1,000円程度と経済的 | 製品によっては数万円~数十万円 |
合わなければ交換可能、メンテナンスもお任せ | 所有物になる、へたりを感じたら買い替え |
まずはレンタルで試してみて、ご本人に合うかどうかを確認するのがおすすめです。長期間にわたる利用が確実な場合は、トータルの費用を比較して購入を検討するのも一つの方法です。
床ずれ予防に関するよくある質問
質問1マットレスだけで床ずれは完全に防げますか?
残念ながら、マットレスだけで完全に床ずれを防ぐことはできません。マットレスはあくまで「予防対策の強力なツール」です。定期的な体位変換、適切なスキンケア、そして栄養管理と組み合わせることで、初めて最大限の効果を発揮します。
質問2体位変換はなぜ2時間ごとが推奨されるのですか?
2時間という時間は、圧迫による皮膚の血流障害が起こり始めると言われている時間です。この時間を目安に姿勢を変えることで、血流をリセットし、組織の損傷を防ぐことができます。ただし、体圧分散マットレスを使用している場合は、圧力が分散されるため、体位変換の間隔を4時間程度まで延ばせる場合もあります。
質問3自分で寝返りが打てるなら、高機能なマットレスは必要ありませんか?
自分で寝返りが打てる方でも、寝ている間に無意識に同じ姿勢が続いていたり、寝返りの回数が少なかったりすると、床ずれのリスクはゼロではありません。特に体の弱い高齢の方や、病気で体力が落ちている方は、高反発ウレタンなどの体圧分散効果のあるマットレスを使うことで、より安心して過ごすことができます。
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まとめ床ずれ予防は「知識」と「行動」で未来を変える
床ずれは、正しい知識を持って向き合えば、予防できる病気です。マットレス選びは、その重要な第一歩。この記事でご紹介した「7つの秘訣」を参考に、ご本人に最も合ったマットレスを見つけてください。
最後に、最も大切なことをお伝えします。それは、ご本人の状態をこまめに観察することです。皮膚の赤みや水ぶくれなど、小さな変化を見逃さないことが、早期発見と悪化防止につながります。マットレスや寝具の力を借りつつ、日々のご家族の温かいケアが、未来の健康を守る鍵となります。さあ、今日から一緒に、安心できる毎日を築いていきましょう。
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