「デイサービスに行かなくても、家でバイタルチェックって必要なの?」
「家族の体温や血圧を測ってはいるけど、その数値が何を意味するのかわからなくて不安…」
もしあなたがそう感じているなら、それはとても自然なことです。介護施設や病院では専門のスタッフが毎日行うバイタルチェックも、自宅となると「何を、どう測ればいいの?」「異常ってどこから?」と、不安や疑問が尽きませんよね。しかし、在宅介護におけるバイタルチェックは、ただのルーティン作業ではありません。それは、大切な家族の小さなSOSサインを見つけ出し、大きな健康問題から守るための強力な武器なのです。この記事では、元介護職員の視点から、在宅介護だからこそ知っておくべきバイタルチェックの奥深さと、今日から使える実践的なノウハウを、誰にでもわかるように丁寧に解説します。
在宅介護でのバイタルチェックはなぜ重要?その目的と役割を徹底解説

介護のイメージ
在宅介護におけるバイタルチェックの目的は、大きく分けて二つあります。一つは、健康状態の維持管理。そしてもう一つは、体調急変の早期発見です。
多くの人が、バイタルチェックというと「病気を探すためのもの」と考えがちですが、それは少し違います。毎日決まった時間に体温や血圧、脈拍などを測り、その数値を記録することで、普段の健康状態(ベースライン)を知ることができます。風邪をひいたり、体調を崩したりすると、このベースラインから数値がわずかにずれることがあります。その小さな変化に気づくことで、重大な病気に発展する前に適切な対策を打つことができるのです。
たとえば、いつもは低血圧気味だったおばあちゃんの血圧が、最近急に高くなってきた…という場合。これは単なる一時的なものではなく、何らかの体の変化を示しているかもしれません。このように、日々の記録が「あれ?いつもと違うな」という気づきに繋がり、早期の医療機関受診や介護サービスへの相談へと結びつきます。
驚愕の事実!在宅介護でチェックすべきバイタルサインは5つだけじゃない?
多くのバイタルチェックの解説記事では、体温、血圧、脈拍、呼吸の4つが紹介されています。もちろん、これらは非常に重要ですが、在宅介護の現場で本当に役立つのは、これに加えてもう一つ別の視点を持つことです。
【基本の4項目】それぞれの基準値と見るべきポイント
まず、基本の4項目について改めて確認しましょう。
- 体温個人差が大きいですが、一般的に36.0~37.0℃が平熱とされています。大切なのは、本人の平熱を知ることです。朝と晩で測ることで、その人の体温リズムも把握できます。
- 血圧収縮期血圧(最高)が130mmHg未満、拡張期血圧(最低)が85mmHg未満が目安とされています。ただし、高齢になると高血圧の方が多くなるため、かかりつけ医に最適な血圧の目標値を確認することが重要です。
- 脈拍安静時の正常値は1分間に50~100回です。脈の速さだけでなく、リズムが一定かどうかも確認しましょう。不規則な脈は、不整脈などのサインかもしれません。
- 呼吸1分間に12~20回が目安です。数を数えるだけでなく、呼吸が浅くないか、苦しそうではないかなど、呼吸の状態も観察することが大切です。
【知られざる第5のバイタル】「表情」と「意識レベル」を読み解く力
実は、在宅介護において最も見落とされがちなのが、表情や顔色、そして意識レベルです。医療機関ではバイタルサインに含まれないこともありますが、家族だからこそ気づける重要な変化です。
たとえば、いつもは明るい笑顔のおばあちゃんが、なんだかぼんやりしていて口数が少ない。顔色も少し青白い。このとき、体温や血圧は正常値かもしれません。しかし、これは体調不良の初期サインである可能性が非常に高いのです。また、質問への反応が鈍い、名前を呼んでも反応が遅いなど、意識レベルの変化も重要な指標となります。
これらの「非言語的なサイン」を読み解く力こそが、在宅介護のプロフェッショナルであるあなたの強みです。
在宅介護 バイタルチェックの実践ガイド|誰でも簡単・正確に測定するコツ
バイタルチェックは、正確さが命です。以下のポイントを押さえて、毎日の測定をルーティン化しましょう。
バイタルチェックのベストなタイミングと測定機器の選び方
【プロが教える!測定のベストタイミング】
朝、起床後と就寝前の2回が理想的です。特に、朝は体がまだ完全に活動モードに入っていないため、より正確な「安静時の状態」を把握しやすいです。食後すぐや運動後、入浴後は数値が変動しやすいため避けましょう。
【これを選べば間違いなし!おすすめ測定機器】
在宅介護では、使いやすさと正確性を両立した機器を選びましょう。
- 体温計予測式よりも実測式がおすすめです。脇の下で測るタイプが一般的ですが、耳で測るタイプも手軽で便利です。
- 血圧計腕にカフを巻く上腕式が最も正確です。手首式は手軽ですが、測定位置によって誤差が出やすいため、可能であれば上腕式を選びましょう。
- パルスオキシメーター指先に装着して、血中酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定できる機器です。呼吸器系の持病がある場合や、風邪をひいた時に非常に役立ちます。
バイタルチェックの記録方法と情報の共有
測定した数値は、必ず記録してください。メモ帳でも構いませんが、最近ではスマホアプリや専用のノートを活用するのも良い方法です。
- 日付と時間いつ測定したかを記録する。
- 測定値体温、血圧、脈拍、呼吸数(可能であれば)を正確に記入する。
- 特記事項本人の様子(元気そう、食欲がない、少しだるそうなど)、測定時の状況(入浴後、気分が悪そうだったなど)を記録しておく。
これらの記録は、いざという時に医療機関を受診する際の貴重な情報となります。介護サービスを利用している場合は、ケアマネジャーや訪問看護師と定期的に共有することで、より質の高いケアに繋がります。
介護に関するQ&Aコーナー在宅介護のバイタルチェックでよくある疑問
ここでは、在宅介護の現場でよく耳にする質問に、分かりやすくお答えします。
Q1血圧が高いけど、様子を見ても大丈夫?
A1血圧の数値だけで安易に判断するのは危険です。特に、いつもより数値が高い場合は、頭痛やめまい、吐き気などの随伴症状がないか確認してください。もしこれらの症状があれば、すぐに医療機関に連絡しましょう。血圧が急激に高い場合(収縮期血圧が180mmHg以上など)は、ためらわずに救急車を呼ぶことも選択肢の一つです。かかりつけ医とあらかじめ「この数値になったら連絡」という目安を決めておくのも良いでしょう。
Q2熱はないけど、なんだかぐったりしている…どうすれば?
A2熱がないからといって安心はできません。高齢者の場合、体力の低下や脱水症状、感染症の初期段階などで発熱しないケースも多いです。前述した「表情」や「意識レベル」を観察し、水分補給を促すなど、できる限りの対応をしましょう。数時間様子を見ても改善が見られない場合は、迷わず医療機関に相談してください。
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まとめ今日からあなたも在宅介護のプロ。小さな変化を見逃さない「観察力」を磨こう
在宅介護におけるバイタルチェックは、決して難しいものではありません。大切なのは、ただ数値を測るだけでなく、「いつもの状態」を知り、そこからの「小さな変化」に気づくことです。
この記事でご紹介した「表情」や「意識レベル」といった視点を取り入れることで、あなたは大切な家族の異変を誰よりも早く察知できる、頼れる存在になります。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、毎日少しずつ続けていくうちに、きっと「あれ、なんか違うな」という直感が働くようになるはずです。
在宅介護は孤独な戦いではありません。日々の記録をケアマネジャーや訪問看護師と共有し、専門家の意見を積極的に求めることで、あなたの不安は必ず軽減します。今日からぜひ、バイタルチェックを「愛する家族の健康を守るための、大切なコミュニケーションの時間」と捉え直してみてください。
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