介護のプロが選ぶ！在宅介護パジャマで失敗しない7つの秘訣

在宅でご家族の介護をされている皆さん、本当に毎日お疲れ様です。介護用品を色々調べている中で、「パジャマなんてどれでも同じじゃない？」と思っていませんか？実は、その考え方だと後々大変なことになるかもしれません。ただの寝間着だと思って適当に選んでしまうと、着替えに時間がかかって利用者さんの負担になったり、肌トラブルを引き起こしてしまったりと、意外な落とし穴がたくさんあるんです。毎日着るものだからこそ、ちょっとした違いが、介護する側とされる側の両方にとって大きなストレスになる可能性があります。でも、ご安心ください。この記事では、私が長年の経験から学んだ、在宅介護パジャマ選びで絶対に失敗しないためのポイントを、具体的な秘訣としてお伝えします。

なぜ「在宅介護パジャマ」選びが重要なのか？

介護のイメージ

「在宅介護」と一口に言っても、その状況は人それぞれ違います。ベッドで過ごす時間が長かったり、着替えのときに体を動かすのが難しかったり、逆にトイレに行く機会が多かったりと、介護される方の状態によってパジャマに求める機能は大きく変わってきます。一般的なパジャマでは対応しきれない場面も多く、それが介護をより困難にしてしまう原因になることも少なくありません。

通常のパジャマでは解決できない在宅介護の3つの課題

これらの課題を解決するために、在宅介護パジャマは特別な工夫が施されています。単なる衣類ではなく、介護を快適にするための重要な「介護用品」なんです。

在宅介護パジャマ選びで失敗しないための7つの秘訣

ここでは、私が実際に多くの利用者さんのパジャマ選びに携わってきた中で見つけた、本当に役立つ7つのポイントをご紹介します。

秘訣1開閉方法の種類を知り、利用者の状態に合わせる

一口に「介護パジャマ」と言っても、開閉方法は様々です。

• フルオープンタイプズボンや上着の脇から袖まで、ファスナーやマジックテープで全開にできるタイプです。寝たままの状態で着脱できるので、寝たきりの方や麻痺がある方に最適です。夜間のオムツ交換もパジャマを脱がせることなく、スムーズに行えます。
• 部分オープンタイプズボンだけ、または上着の袖や肩の一部が開くタイプです。関節が固まっている方や点滴をしている方など、特定の部位だけをケアしたい場合に便利です。

在宅介護では、日々状態が変わることもあります。どちらのタイプが良いか、あらかじめ理学療法士や作業療法士に相談してみるのも良いでしょう。

秘訣2素材は「天然繊維」を最優先で選ぶ

パジャマの素材は、肌の健康に直結する重要なポイントです。

• 綿100%吸湿性・通気性に優れ、肌触りが柔らかいので、敏感肌の方や汗をかきやすい方におすすめです。
• ガーゼ素材綿を二重、三重に重ねたガーゼ素材は、吸湿性・通気性に加え、保温性も持ち合わせています。縫い目が外側に出るように作られた製品も多く、褥瘡（床ずれ）のリスクを減らすことができます。特に長時間の療養をされる方には最適です。

合成繊維は安価なものが多いですが、静電気が起きやすく、乾燥肌の方には刺激になることがあります。できるだけ天然繊維を選ぶようにしましょう。

秘訣3サイズは少しゆったりめが基本

パジャマは寝ている間、体を締め付けないことが大切です。特に、在宅介護では寝ている時間が長いことが多いので、少しゆったりとしたサイズを選ぶのが基本です。ただし、大きすぎると寝返りを打ったときに体に絡まったり、袖が邪魔になったりすることもあるので注意が必要です。

秘訣4ボタンよりもマジックテープやファスナーを選ぶ

手の力が弱くなっている方や麻痺がある方の場合、小さなボタンの留め外しは大きな負担になります。マジックテープやスナップボタン、あるいはファスナータイプを選ぶことで、ご自身で着替えができるようになることもあります。これは、利用者さんの自立支援にも繋がる大切なポイントです。

秘訣5デザインも妥協しない

「介護用」と聞くと、地味なデザインを想像するかもしれません。しかし、最近はおしゃれなデザインの介護パジャマも増えています。素敵な柄や明るい色のパジャマを着ることで、気分が明るくなり、QOL（生活の質）の向上にも繋がります。父に花柄のエプロンを付けて嫌な顔をされたという話がありましたが、これはパジャマでも同じです。本人に気に入ってもらえるものを選んであげましょう。

秘訣6季節に応じた素材を選ぶ

夏はガーゼや薄手の綿素材、冬はフリース素材や裏起毛のパジャマなど、季節に合わせて素材を使い分けることで、より快適に過ごすことができます。在宅介護では、室温管理が難しい場合もあるので、こうした工夫が重要です。

秘訣7洗いやすさ・乾きやすさもチェック

在宅介護では、パジャマを頻繁に洗濯する機会があります。洗濯機で丸洗いできるか、乾きやすい素材かどうかも重要なポイントです。特に冬場は乾きにくいので、ポリエステル混など、速乾性のある素材も候補に入れてみましょう。

介護に関する疑問解決Q&A

在宅介護パジャマについて、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1在宅介護パジャマって、結局何枚くらい用意すればいいの？

A最低でも3枚以上用意することをおすすめします。1枚は着ているもの、もう1枚は洗濯中のもの、そして予備としてもう1枚です。急な汚れや体調不良に備えて多めに持っておくと安心です。

Q2自分で動ける場合は、普通のパジャマでも大丈夫？

Aご自身でトイレに行ったり、ベッドから起き上がったりできる方であれば、無理に介護パジャマにこだわる必要はありません。ただし、転倒のリスクを避けるために、裾が長すぎないものや、動きやすいデザインのものを選ぶようにしましょう。

Q3ユニクロや無印良品のパジャマでも代用できる？

Aユニクロや無印良品にも、前開きタイプやゆったりとしたサイズのパジャマがあり、十分代用できるものもあります。ただし、フルオープンタイプや褥瘡対策に特化した製品は、やはり介護用品メーカーの製品に軍配が上がります。ご家族の状態や経済的な事情に合わせて、最適なものを選んでみてください。

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最高のパジャマは、利用者さんの笑顔を引き出す

「たかがパジャマ、されどパジャマ」です。パジャマは、毎日身につけるものだからこそ、利用者さんの体と心に大きな影響を与えます。この記事でご紹介した7つの秘訣を参考に、ぜひご家族にぴったりの一着を見つけてあげてください。

機能性だけでなく、デザインや肌触りなど、利用者さんが「これなら着たい！」と思えるようなパジャマを選んであげること。それが、利用者さんの快適な毎日を支え、介護する側とされる側の両方にとってのストレスを軽減する、最高の第一歩となります。

介護は、毎日が試行錯誤の連続です。でも、少しの工夫と知識で、もっと楽に、もっと楽しくすることができます。この記事が、皆さんの在宅介護を少しでも明るくするヒントになれば幸いです。