認知症対応の老人ホームは入れる？9割が知らない5つの条件と施設選びの秘訣

「認知症の症状がひどくて、もう家では介護できない…」。そう感じて、老人ホームへの入居を検討し始めたものの、「うちの親は、きっと受け入れてもらえないだろうな」と諦めていませんか？
怒りっぽい、暴力をふるう、徘徊してしまう…認知症の進行で、介護の負担は計り知れません。そんな状況で施設に相談しても、「対応が難しい」と断られてしまうのではないかと不安になる気持ち、痛いほどよくわかります。
でも、安心してください。認知症の症状が重いからといって、施設入居を諦める必要はありません。この記事では、元介護専門家としての知見を活かし、認知症対応サービスが充実した施設を選ぶための、9割が知らない5つの条件と、具体的な施設選びの秘訣を徹底的に解説します。この記事を読めば、もう施設探しで迷うことはなくなります。

認知症の症状が重くても入居できる施設はどこ？専門家が選ぶ4つのタイプ

介護のイメージ

認知症の症状が重い方を積極的に受け入れている施設は複数あります。ただし、どんな施設でも良いわけではありません。重要なのは、認知症ケアに特化した設備やスタッフ体制が整っているかどうかです。ここでは、特に検討すべき4つの施設タイプを、それぞれの特徴とともにご紹介します。

グループホーム認知症ケアに特化した共同生活の場

グループホームは、認知症と診断された高齢者が、専門スタッフのサポートを受けながら少人数で共同生活を送る施設です。入居条件として、認知症の診断に加え、要支援2以上の認定が必要です。さらに、住み慣れた地域で暮らせるよう、原則として施設と同じ市区町村に住民票があることが求められます。
グループホームは、家庭的な雰囲気の中で家事や趣味活動を行うことで、認知症の進行を緩やかにすることを目的としています。そのため、症状が重い方でも、穏やかに暮らせる環境が魅力です。ただし、医療的なケアが必要な場合は対応が難しいケースもあるため、事前に確認が必要です。

特別養護老人ホーム終の棲家として選ばれる公的施設

「特養」とも呼ばれる特別養護老人ホームは、常に介護が必要な方が入居できる公的施設です。原則として要介護3以上が条件ですが、特例的に要介護1・2の方も入居できる場合があります。
特養は24時間体制で介護サービスを提供しており、看取りまで対応している施設も多く、終の棲家として選ばれることが増えています。公的施設のため費用負担が比較的低く、経済的な不安を抱えるご家庭にとっては大きなメリットです。ただし、入居待ちが長くなる傾向があるため、早めの情報収集が鍵となります。

介護付き有料老人ホーム手厚い介護と多様なサービスが魅力

介護付き有料老人ホームは、民間企業が運営する施設で、24時間体制の手厚い介護サービスが受けられます。居室が個室のためプライバシーが保たれ、レクリエーションやイベントが充実している施設も多く、生活の質を重視する方におすすめです。
住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームもありますが、認知症の症状が進行した場合は、手厚い介護が受けられる介護付き有料老人ホームが最も適していると言えるでしょう。ただし、入居一時金や月額費用が比較的高額になる傾向があるため、予算に合わせた検討が必要です。

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）自由度と安心感を両立

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）は、バリアフリー構造の賃貸住宅で、安否確認や生活相談サービスが提供されます。入居条件は60歳以上の高齢者、または要介護認定を受けている方です。
サ高住には、外部の介護サービスを利用する「一般型」と、施設内で介護サービスを受けられる「介護型」があります。認知症の症状がある場合は、介護型サ高住を選び、必要に応じて外部サービスを組み合わせることで、自由度の高い暮らしと安心を両立させることができます。

「認知症がひどい」と断られないために！9割が知らない5つのチェックポイント

「認知症対応可」と謳っていても、すべての施設が同じレベルのケアを提供しているわけではありません。特に、暴力や徘徊などの周辺症状がある場合、受け入れてもらえるかは施設の体制にかかっています。
ここでは、入居を断られるリスクを減らし、最適な施設を見つけるための5つのチェックポイントをお伝えします。

これらのポイントを事前に確認することで、入居を断られる確率を大幅に下げることができます。

老人ホーム選びで失敗しない！家族が事前に決めるべき3つのこと

施設探しをスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。家族間で意見が食い違い、話し合いが難航することのないよう、以下の3つのことを決めておきましょう。

介護のプロに相談し、親の現在の状態を客観的に把握する

まず、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、親の現在の要介護度や心身の状態を客観的に把握することが重要です。医療的なケアの必要性や、精神的な安定度など、プロの視点から現状を分析してもらうことで、どんな施設が適しているかが見えてきます。

家族で「譲れない条件」に優先順位をつける

「費用は月額20万円以内」「家から車で30分以内」「個室必須」など、家族それぞれが抱く希望をすべて満たす施設は、ほとんど存在しません。そこで、「ここだけは譲れない」という条件に優先順位をつけましょう。
例えば、「費用が安ければ、少し遠くても良い」「費用が高くても、医療ケアが充実している方が安心」など、何を最も重視するかを明確にすることで、施設選びの軸が定まります。

本人の希望を尊重する姿勢を忘れない

施設を決めるのは家族ですが、実際に生活するのは本人です。できる限り、本人の意見を尊重する姿勢が大切です。「施設の見学には必ず本人と一緒に行く」ようにしましょう。本人が「この場所なら住みたい」と思えるかどうかが、入居後の生活の満足度に直結します。

介護に関するよくある疑問解決Q&A

「施設を探すにあたって、こんな時はどうすればいいの？」
介護現場でよく聞かれる疑問に、専門家の視点からお答えします。

Q. 暴力や暴言がひどい場合は、どうやって施設を探せばいいですか？

A. 暴力や暴言といった行動は、認知症の進行による「周辺症状」の一つです。これは、施設職員や他の入居者の安全に関わるため、断られるケースが多いのが実情です。
しかし、認知症の周辺症状に特化したケアプログラムを持つ施設や、専門の医療機関と連携している施設もあります。このような施設は、行動の原因を突き止め、非薬物療法（薬に頼らない方法）や個別ケアで対応するノウハウを持っています。まずは、ケアマネジャーに相談し、「暴力や暴言に専門的に対応できる施設」をいくつか候補として挙げてもらい、見学時に率直に相談してみましょう。

Q. 施設入居の手続きは、すべて家族がしないといけないの？

A. 介護保険サービスを利用して施設に入居する場合、まず要介護認定の申請が必要です。その後、ケアマネジャーがケアプランを作成し、施設との調整を行ってくれます。このように、多くの手続きをケアマネジャーがサポートしてくれるため、家族だけで抱え込む必要はありません。
地域包括支援センターや市町村の介護保険窓口に相談すれば、担当のケアマネジャーを紹介してもらえます。

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まとめ認知症対応の老人ホームは、決して特別な選択肢ではありません

認知症の症状が重いからと、施設入居を諦めるのはもったいないことです。認知症対応サービスが充実した老人ホームは、ご本人が安心・安全に暮らせるだけでなく、介護に疲れた家族の負担を大きく軽減してくれます。
「もっと早く相談しておけばよかった」と後悔する前に、まずは一歩踏み出して、ケアマネジャーや施設に相談してみましょう。
この記事が、あなたとご家族にとって、より良い未来へ進むためのヒントとなれば幸いです。