え？特養ってこんなに違うの？介護施設見学で9割が知らない5つの気づき

親の介護が必要になり、介護施設の見学を始めたものの「何を見ればいいのかわからない」「本当に今の見学方法で大丈夫？」と不安に感じていませんか？

グループホームを中心に複数の施設を見学してきた私ですが、あるきっかけで特別養護老人ホーム（特養）の見学に行くことになり、そこで衝撃の事実に気づきました。正直、「特養は最後の砦」という漠然としたイメージしかなかったのですが、実際に足を運んでみると、グループホームとは全く違う施設ごとの個性や、見学する上で絶対に知っておくべきポイントがあることに気づかされました。

この記事では、介護施設を合計4軒（うち特養1軒）見学した私の実体験をもとに、介護施設の見学で9割の人が見落としがちな、価値ある5つのポイントを共有します。漠然とした不安を解消し、親にとって本当に良い施設を見つけるためのヒントが満載です。

グループホームと特養、見学してわかった決定的な違い

私が最初に「介護施設」と聞いて思い浮かべたのは、少人数制でアットホームな雰囲気のグループホームでした。認知症ケアに力を入れている施設が多く、これまで見学してきたのもすべてグループホームでした。実際、在宅介護を経験してきた介護職の方々も、同じ意見を持つ人が多かったからです。

一方で、特養（特別養護老人ホーム）に対しては「生きていくために必要な施設」というイメージが強く、生活のプラスアルファはあまり期待できない、と勝手に思い込んでいました。費用はグループホームより月々3〜5万円ほど安いという経済的なメリットは知っていましたが、それ以外はあまり期待していなかったのが正直なところです。

しかし、実際に特養を見学してみて、そのイメージは大きく覆されました。

グループホームと特養の目的と雰囲気の決定的な違い

グループホームは認知症の進行を緩やかにすることを目的とし、日常生活を通してリハビリや自立を支援する施設です。そのため、少人数制で家庭的な雰囲気の中、入居者同士のコミュニケーションやレクリエーションが活発に行われます。

一方、特養は中重度の要介護者が対象で、長期的な生活の場として提供されます。私が勝手に抱いていた「病院のよう」というイメージとは異なり、見学した特養はユニット型で、広い廊下を歩く入居者の方々の姿が目につき、活気がありました。一言で表現するなら、グループホームが「新しい家」だとすれば、特養は「地域コミュニティ」のような雰囲気でした。

この見学を通して、どちらの施設もそれぞれに役割と魅力があり、利用者の状態や家族の希望に応じて最適な選択肢が変わるのだと強く感じました。

知って驚愕！特養見学で気づいた5つのチェックポイント

特養は「終の棲家」となる可能性が高い場所です。だからこそ、見学時にはグループホームとは違う視点を持つことが重要です。ここからは、私が実際に特養を見学して気づいた、9割の人が知らないであろう5つのチェックポイントを紹介します。

かかりつけ医の存在とその連携体制

見学のきっかけは、かかりつけ医がその特養の嘱託医になったことでした。これまで長年お世話になってきた先生に看取りまでお願いしたいという思いがあったので、医師との連携体制は非常に重要なポイントでした。

多くの特養は嘱託医が定期的に巡回しますが、専門外の治療（例えば眼科や肛門科など）が必要になった場合、外部の医療機関への通院が必要になります。この通院を施設が手配してくれるのか、家族が付き添う必要があるのかは、遠距離介護を検討する上で見逃せないポイントです。私が訪問した特養は、専門医の通院も任せられるとのことで、もしもの時には安心できると感じました。

面会時間と家族の関わり方の実情

見学した特養の面会時間は30分と短く、自宅から遠いこともあり、母と会う頻度は激減するだろうと感じました。これは、特養が大人数の入居者を抱えているため、個別対応が難しい側面があるからです。

グループホームでは、入居者とスタッフだけでなく、家族も巻き込んだ「小さなコミュニティ」が形成されやすいのに対し、特養では家族が施設運営に深く関わる機会は少ないのが一般的です。もし頻繁に親に会いたい、行事に参加したいと考えるなら、事前に面会時間や施設のイベント、ボランティア活動への参加可否などを確認しておくべきでしょう。

入居順位と待機者リストのリアル

特養の入居待ちの状況は、地域や施設によって大きく異なります。驚いたのは、「要介護3で入居される方が圧倒的に多い」という施設側の言葉です。

 

   

     

     

     

   

 

 

   

     

     

     

   

   

     

     

     

   

   

     

     

     

   

   

     

     

     

   

 

要介護度	施設入居の難易度	解説
要介護1・2	非常に難しい	生活に一部介助が必要な程度。在宅サービスやグループホームが一般的。
要介護3	比較的高い	日常生活に全面的な介助が必要。特養の主な入居者層。
要介護4・5	最も高い	生活全般にわたる介助が必要。医療ケアも視野に入る。
認知症や独居	入居順位が上がる	経済状況や家族の介護力、認知症の程度などが総合的に判断される。

親の要介護度だけでなく、独居であったり、家族の介護が物理的に難しい遠距離介護である場合、入居順位が優遇される可能性があります。もしもの時に備えるためにも、早い段階で施設に相談し、入居順位の目安を聞いておくことが重要です。

おむつ代の費用内訳と明瞭さ

特養は、グループホームに比べて「おむつ代が月額費用に含まれている」ことが多いと知られていますが、これも施設によって異なります。私が訪れた施設は明確に「含まれている」と教えてくれました。

一見些細なことのように思えますが、おむつ代は日々の生活の中で意外と大きな負担となります。見学時には、月額利用料に含まれるもの、別途かかる費用（医療費やレクリエーション費など）を細かく確認することが大切です。費用に関して明瞭な説明をしてくれる施設は、信頼できる証拠でもあります。

最後の砦「ショートステイ」のお試し活用法

特養は、長期入居だけでなくショートステイも受け入れている施設が多いです。もし親がまだ自宅での生活が中心で、将来的に特養を検討しているなら、まずはショートステイを利用してみることをおすすめします。

ショートステイは、特養の入居を検討する上での最終的な「お試し期間」と捉えることができるのです。

介護に関する疑問解決！特養についてQ&A

Q. 遠方に住んでいる親の介護、特養は現実的な選択肢？

はい、特養は遠距離介護の家族にとって非常に現実的な選択肢となり得ます。その最大の理由は、医療連携が充実している点と、施設が日常生活の大部分をサポートしてくれる点です。遠距離では頻繁な通院の付き添いや、日々の細かなケアが難しいため、施設側で手厚くサポートしてくれる特養は大きな助けになります。ただし、面会時間が限られたり、気軽に会いに行けないというデメリットも考慮しておく必要があります。

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親の介護は、決して諦めない選択肢の旅

「在宅でいけるところまでやる」という私の気持ちは、施設見学を終えた今も変わりません。しかし、もしもの時のために「特養」という選択肢を深く知ることができたのは、大きな収穫でした。

介護施設は、ただの「入居先」ではありません。それは、親がこれからを生きるための新しいコミュニティであり、私たち家族の不安を和らげてくれる「セーフティネット」です。

施設見学は、親の未来を考える旅です。この記事で紹介したポイントが、あなたの施設選びの一助となれば幸いです。