「何回伝えてもまた同じことが起きる」「本人も反省しているのに改善しない」「このままでは利用者さんの安全も、周りの職員の心ももたない」。介護現場でいちばんつらいのは、ミスそのものより、原因が見えないまま責め合いが始まることです。実際、現場で起きる繰り返しミスは、本人の性格だけで説明できません。手順の理解不足、確認の仕組みの弱さ、イレギュラー対応への弱さ、強い緊張、メンタル不調、そして職場側の教え方や業務設計の粗さが重なって起きることが多いのです。
しかも、2026年3月から4月にかけての国内動向を見ると、国の方向性はもうはっきりしています。厚生労働省は2026年4月10日に介護職員の賃金関連データを更新し、3月には生産性向上や協働化、職場環境改善に取り組む事業所を後押しする施策を打ち出しました。つまり今は、「気をつけよう」で終わらせる時代ではなく、ミスが起きにくい職場のつくり方まで含めて考える時代です。
この記事では、介護職で同じミスを繰り返す人への対応を、現場の温度感に合わせてやさしく、でも甘くなく整理します。本人を追い込まず、利用者さんの安全を守り、職場全体の負担も減らす。そのための実践策を、今日から動ける形でまとめました。
- 同じミスが続く本当の原因の見分け方。
- 本人責任論で悪化させない現場対応のコツ。
- 利用者安全と職員定着を両立する再発防止策。
- まず知ってほしい!同じミスは根性では止まらない
- 介護現場で多い3つの原因タイプ
- 対応の正解は、叱ることではなく「原因別に変える」こと
- 今日から使える!再発防止の実践手順
- 管理者や先輩がやってはいけない対応
- いまの介護現場だからこそ必要な新常識
- 信頼を失ったあと、どうやって現場で立て直すか
- よくあるのに誰も教えてくれない!優先順位で頭が真っ白になる問題
- 報連相が遅い人ほど責められやすいけれど、本当の問題はそこだけじゃない
- 「確認したつもり」で抜ける人に足りないのは、記憶力ではなく動作の固定化
- 先輩によって言うことが違うとき、どう動けばいいのか
- 利用者さんへの言葉づかいで何度も注意される人へ
- ヒヤリハットを書くだけで終わる職場では、同じことがまた起きる
- 向いていないのか、それとも今の環境が合っていないだけなのか
- 管理者が見落としやすい、指導する側の疲弊問題
- 本人が毎日しんどいときに使える、かなり現実的な切り替え方
- 個人的にはこうしたほうがいいと思う!
- 介護職で同じミスを繰り返す人への対応に関する疑問解決
- まとめ
まず知ってほしい!同じミスは根性では止まらない

介護のイメージ
介護現場では、センサーの入れ忘れ、服薬確認漏れ、申し送り不足、食事介助時の姿勢確認漏れ、送迎時の確認抜けなど、命や生活に直結するミスが起きます。こうしたミスが繰り返されると、周囲はつい「なぜ覚えないの?」と言いたくなります。けれど、そこに答えがあるとは限りません。誤薬のような重大事故は、名前の取り違えや確認の形骸化でも起こり得て、ダブルチェックですら「相手が見てくれるだろう」という油断で機能しなくなるからです。
世界的にも、医療・ケアの安全分野では、人の注意力だけに依存するやり方には限界があると考えられています。WHOは、服薬エラーが弱いシステムや疲労、労働環境の悪さ、人手不足などの人的要因で起こり、重大な害につながり得ると示しています。長期ケアでも、強い品質管理と継続的改善がなければ、利用者に害を及ぼす可能性があると整理しています。
つまり、同じミスを減らす最短ルートは、本人を責めることではなく、何が起きたらその人はミスしやすいのかを見つけることです。
介護現場で多い3つの原因タイプ
真面目なのに空回りするタイプ
いちばん見落とされやすいのがこのタイプです。本人は努力しているのに、仕事の目的や優先順位が曖昧で、わからないことを質問できず、自分なりの解釈で進めてしまう。その結果、同じミスが起きます。しかも真面目な人ほど、注意を受けるたびに緊張が強くなり、頭が真っ白になってさらに抜けやすくなります。ファイル内の事例でも、手順理解不足、質問できない、自分判断で進める、イレギュラーに弱いが典型原因として挙がっていました。
態度や習慣に問題があるタイプ
報連相をしない、指摘されると人のせいにする、独自ルールを正当化する。こうしたケースは、教育だけで改善しにくいことがあります。放置すると、フォローする職員の疲弊、職場の雰囲気悪化、離職にもつながります。だからこそ、感情論ではなく、事実ベースの記録と段階的な指導が必要です。
急にミスが増えたタイプ
以前は普通にできていたのに、最近だけ急に抜ける。この場合は、疲労、睡眠不足、家庭事情、メンタル不調、体調変化を疑う視点が欠かせません。元資料でも、急なミス増加や遅刻・欠勤の増加は、心の病のサインとして早めの察知が必要だとされていました。ここを見誤って強く叱ると、さらに悪化します。
対応の正解は、叱ることではなく「原因別に変える」こと
最初にやるべきは、ミスの内容を分解すること
「またミスしたね」で終わる指導は、ほぼ改善しません。必要なのは、どの場面で、何を忘れ、その直前に何が重なっていたかを分解することです。たとえば「センサー入れ忘れ」なら、退室前の最終確認が抜けるのか、別件で声をかけられて流れるのか、そもそも優先順位づけが曖昧なのかで対策は変わります。現場の相談事例でも、命に関わるミスから優先順位をつけて一つずつ潰す方法が有効とされていました。
抽象注意をやめて、場面つきで伝えること
「ちゃんとして」「気をつけて」「いつもと違うから注意して」では、人は変わりません。必要なのは、「退室前はベッド柵、ギャッジアップ、センサー作動確認の3点を声に出して確認」「服薬は氏名、生年月日、薬袋、時間の4点を1セットで確認」のような場面つきの具体化です。元資料でも、いつもと違う点は抽象ではなく具体で伝えること、理由まで含めて説明することが改善ポイントとして示されていました。
本人だけでなく、職場の教え方も見直すこと
介護現場では、先輩ごとに言うことが違う、マニュアルはあるのに現場では誰も見ていない、忙しすぎて質問しにくい、ということが珍しくありません。これでは、誰でも自分流に流れます。2026年3月の厚労省資料でも、都道府県のワンストップ窓口や生産性向上の支援を通じて、サービスの質向上と働きやすい職場づくりを進める方向が明示されています。いま必要なのは、個人技の職場から、再現性のある職場への転換です。
今日から使える!再発防止の実践手順
現場でいちばん効果が出やすいのは、理想論よりも、小さな仕組み化です。次の流れで立て直すと、感情的な衝突を減らしながら改善しやすくなります。
- 最初に、直近2週間から1か月のミスを集め、命に関わるものと業務効率のものに分けます。
- 次に、命に関わるミスを上から3つだけ選び、本人と一緒に「どこで抜けるか」を言語化します。
- そのうえで、確認行動を1動作1確認に変え、貼り紙、チェックシート、声出し、同行確認など外に見える仕組みにします。
- 最後に、毎日5分で振り返り、できた点も必ず言葉にして、翌日の重点を1つだけ決めます。
このやり方の強みは、本人の自己否定を増やさないことです。「全部直して」では人は止まります。でも、「今週は誤薬ゼロに集中」「退室前確認だけは徹底」のように絞ると、行動は変わりやすくなります。
管理者や先輩がやってはいけない対応
人格否定、みんなの前で叱る、抽象論で詰める、一気に全部直させる。この4つは逆効果になりやすいです。注意される恐怖が先に立つと、人は確認より防御に意識が向きます。相談事例でも、「怒られること」に意識が向きすぎて、さらに忘れやすくなる状態が語られていました。
また、発達特性やメンタル不調の可能性があるときに、安易に決めつけるのも危険です。ただし、急な変化や極端な抜けが続くなら、受診や専門相談につなぐ視点は必要です。大事なのはレッテル貼りではなく、安全確保のために支援方法を増やすことです。
いまの介護現場だからこそ必要な新常識
直近の日本では、ミス防止を個人の努力だけに背負わせない流れがさらに強まっています。厚生労働省は、生産性向上や協働化に取り組む事業所への支援を示し、現場では見守り支援機器やインカム、介護テクノロジーの活用が、職員負担の軽減と事故減少につながる事例も確認されています。さらに、2026年4月13日には国内の介護リスクマネジメント分野で、最近の15事例から原因分析と再発防止策を学ぶ無料オンラインセミナーが案内されており、現場の関心は明らかに「気合い」から「分析と仕組み」へ移っています。
だからこれからの介護職育成は、ミスをした人を責める教育ではなく、ミスを早く見つけ、小さく止め、仕組みで減らす教育へ変えるべきです。そのほうが利用者さんにやさしく、職員も辞めにくくなります。
信頼を失ったあと、どうやって現場で立て直すか

介護のイメージ
ここは、かなり現実的な話をします。介護現場で同じミスが続いた人がいちばん苦しいのは、注意されることそのものより、「もう任せてもらえない空気」が広がることです。先輩の返事が短くなる。申し送りのときに自分だけ細かく確認される。頼まれる仕事が減る。見守られている感じが強くなる。これ、現場では本当によくあります。
でも、ここで焦って「何でもやります」「全部取り返します」と頑張りすぎると、たいてい空回りします。信頼は気合いで一気に戻るものではなく、危ないミスを減らす、報告を先回りする、約束したことを小さく守り続けることで少しずつ戻ります。ぶっちゃけ、信頼回復の近道は、派手な挽回ではなく地味な安定です。
たとえば、センサー確認忘れが続いた人なら、しばらくのあいだは「自分の中で確認したから大丈夫」ではなく、「確認したら必ず一言伝える」を徹底したほうがいいです。周囲からすると、結果だけでなく、確認の過程が見えると安心できます。介護現場では、できる人と思われることより、安心して任せられる人と思われることのほうがずっと大事です。
実際の現場感覚でいうと、信頼を落とした人が最初に取り戻すべきなのは「優秀さ」ではありません。まずは危険行為を増やさないこと、次に隠さないこと、その次に自分から相談できることです。ここができるようになると、先輩側の見え方も変わってきます。
よくあるのに誰も教えてくれない!優先順位で頭が真っ白になる問題
介護現場では、一つの仕事だけを丁寧にやっていればいい時間はほとんどありません。コール対応、排泄介助、食事介助、記録、送迎、家族対応、申し送り、突発的な体調変化。これが同時に重なると、経験が浅い人ほど頭が真っ白になります。そして真っ白になった人は、目の前で一番急いでいる人の言葉に引っ張られたり、その場で怒られにくそうな仕事から片づけてしまったりします。
でも現場で必要なのは、「急いで見える仕事」と「本当に優先すべき仕事」を分ける感覚です。たとえば、記録を早く書きたい気持ちはわかりますが、嚥下状態が不安定な利用者さんの食後姿勢確認や、転倒リスクの高い人の離床直後の見守りより先にはなりません。ここを間違えると、本人は一生懸命働いているのに、現場からは「大事なことがわかっていない」と見られます。
この問題を減らすには、自分の頭の中だけで優先順位を決めないことです。慣れないうちは、シフトに入る前に「今日の最優先は何か」を一つ決めておくとかなり違います。たとえば、「今日は誤薬につながる確認を絶対に飛ばさない」「今日は転倒リスクの高い人の離床直後を最優先で見る」といった具合です。全部を完璧にやるのではなく、最優先だけは絶対に落とさないという考え方にすると、混乱したときでも戻る場所ができます。
さらに、現場で本当に役立つのは、自分用の優先順位メモです。難しく考えなくていいです。たとえば、「命に直結」「事故に直結」「あとで取り返せる」の三段階に分けるだけで十分です。この分け方ができるようになると、急に仕事を振られても飲み込まれにくくなります。
報連相が遅い人ほど責められやすいけれど、本当の問題はそこだけじゃない
介護現場でかなり多いのが、失敗そのものより、報告が遅れたことで空気が悪化するケースです。ミスをした瞬間は誰でも怖いです。「また怒られる」「呆れられる」と思うと、少し様子を見てから言おうとしてしまう。でも、その数分、数十分の遅れが、現場では致命的になることがあります。
ただ、ここで大事なのは、報告が遅い人を単純に「無責任」と決めつけないことです。現場で見ていると、報告が遅い人には二つのパターンがあります。一つは、本当に面倒で後回しにする人。もう一つは、怒られるのが怖すぎて言えなくなる人です。後者は真面目な人にも多いです。
だから、改善するときは「ミスをなくせ」より先に、ミスをしたら何秒で誰に何を言うかを決めたほうがいいです。たとえば、「転倒につながる可能性があることは、確認より先に近くの先輩へ即報告」「服薬に関する不安は、自己判断せずその場で止めて呼ぶ」といった形です。報告の基準が曖昧だと、人は自分に都合のいい判断をしがちです。
現場目線で言うと、先輩たちがいちばん信用するのは、ミスをしない人より、ミスをすぐに出せる人です。なぜなら、介護はチームで事故を止める仕事だからです。報告が早い人は、たとえ経験が浅くても守りやすい。逆に、隠す人は一気に危険人物扱いされやすい。これは厳しいけれど、本当にそうです。
「確認したつもり」で抜ける人に足りないのは、記憶力ではなく動作の固定化
ミスを繰り返す人の多くが言います。「ちゃんと確認したつもりでした」と。これ、嘘ではないことが多いです。頭の中では確認した感覚がある。でも実際には、手や目の動きとして完了していない。このズレがすごく多いです。
介護現場では、動作が多くて中断も多いので、頭の中だけの確認は飛びやすいです。だから必要なのは、記憶力アップよりも、確認を動作に落とすことです。たとえば、センサーなら「入れる」「ランプを見る」「足で反応確認する」までを一連にする。服薬なら「氏名を見る」「本人の顔を見る」「薬袋を見る」「時間を見る」を順番固定にする。ここを毎回同じにすると、脳が混乱しにくくなります。
現場で見ていると、できる人ほど頭がいいというより、確認の型を持っていることが多いです。逆にミスが多い人ほど、その場その場でなんとなくやっています。だから、「気をつける」ではなく「型を固定する」に変えたほうがいいです。これはかなり効果があります。
先輩によって言うことが違うとき、どう動けばいいのか
これは新人さんや経験の浅い人がかなり困るポイントです。同じ介助でも、先輩Aと先輩Bで言うことが違う。声かけの仕方も、記録の書き方も、優先順位の置き方も違う。しかも、どちらも自信を持って教えてくる。こうなると、教わる側は混乱して当然です。
現実的な対処法は、どちらが正しいかを一人で決めようとしないことです。まず、「やり方が違っていて混乱している」という事実を、感情を混ぜずに伝える。そして、「この場面では施設としてどれを基本にするのか」を確認する。ここで大事なのは、「AさんとBさんで違うんですけど」だけで終わらせず、自分が迷った具体例を持っていくことです。
たとえば、「食後の臥床前の姿勢保持について、Aさんは先にトイレ誘導、Bさんは先にギャッジアップと言っていて迷いました。転倒と誤嚥のどちらを優先して判断すべきか基準を教えてください」と聞けば、ただの愚痴ではなく、仕事の相談になります。
介護現場は人によって流儀が出やすい仕事です。だからこそ、教わる側が悪いのではなく、職場側が基準を揃えていないこともよくあります。この視点を持っておくと、自分ばかり責めすぎずにすみます。
利用者さんへの言葉づかいで何度も注意される人へ
この悩みもすごく多いです。自分では普通に話しているつもりなのに、「きつい」「雑」「配慮がない」と言われる。しかも忙しい時間帯ほど、言い方が荒くなりやすい。ここで多くの人は、「もっと優しい言い方をしなきゃ」と思います。でも、それだけでは直りません。
なぜかというと、言葉づかいの問題は、性格よりも余裕のなさで悪化することが多いからです。焦っていると、人は説明を省略します。「ちょっと待って」「これやって」「危ないですよ」みたいな短い言葉が増えます。すると利用者さんには命令っぽく聞こえ、周囲からも冷たく見えます。
改善したいなら、まず完璧な敬語を目指さないことです。最初に固定したいのは、たった三つだけで十分です。呼びかけ、理由づけ、確認です。たとえば、「○○さん、立ちますね」「危ないのでゆっくりいきましょう」「大丈夫ですか」の三点が入るだけで、印象はかなり変わります。
現場で体感的に言うと、言葉づかいが荒いと注意される人の中には、悪気があるというより、作業に頭が全部持っていかれている人が多いです。だから、介助の質と言葉づかいは切り離せません。介助に余裕が出るほど言葉も整いやすい。逆に言えば、言葉づかいだけ注意しても、仕事の詰まりが改善しなければ戻りやすいです。
ヒヤリハットを書くだけで終わる職場では、同じことがまた起きる
ヒヤリハットは本来、犯人探しの紙ではありません。次の事故を止めるための材料です。でも現実には、「書いて終わり」「怒られて終わり」「ファイルに挟まれて終わり」になっている職場もあります。これだと、書く側は反省文みたいに感じるし、読む側も形だけになります。
本当にもったいないのは、ヒヤリハットの中に、現場改善のヒントが山ほどあることです。たとえば、同じ時間帯に同じ種類のミスが集中しているなら、人の問題だけでなく業務の組み方に無理があるかもしれません。特定の利用者さん対応のあとに抜けやすいなら、その介助が認知負荷を上げているのかもしれません。つまり、ヒヤリハットは個人評価ではなく、職場の弱点の地図として見るべきです。
追加で入れておきたい視点は、「誰が悪いか」ではなく「どの条件がそろうと起きるか」です。これが見え始めると、現場の会話も変わります。責める空気が減り、止め方を考える空気が生まれます。介護現場では、これがかなり大きいです。
向いていないのか、それとも今の環境が合っていないだけなのか
ミスが続くと、本人も周囲もすぐに「向いてないのかも」と言いがちです。もちろん、どうしても相性の悪い業務はあります。でも、ここは慎重に見たほうがいいです。介護現場でつまずく理由は、能力そのものではなく、環境との噛み合わなさで起きることが本当に多いからです。
たとえば、指示が口頭で一気に飛ぶ職場だと混乱しやすい人でも、確認物が見える形で整理されている職場なら安定することがあります。常に急かされるユニットではパニックになりやすい人でも、役割分担がはっきりした現場では落ち着いて動けることがあります。つまり、同じ人でも、場所が変わると急にできるようになることは普通にあります。
逆に言うと、「ここでできない自分はどこでもダメだ」と思い込むのは危険です。現場に長くいると感覚が麻痺しますが、教え方が雑、先輩ごとの差が大きい、質問しにくい、忙しすぎて確認時間がない、こういう環境は珍しくありません。そこで何度も失敗して自信を失った人が、別の職場で落ち着いて働けるようになることもあります。
だから見極めたいのは、自分に能力がないかどうかではなく、どの条件で崩れるのかです。これがわかれば、今の職場で改善できるか、異動や転職を考えるべきかの判断もしやすくなります。
管理者が見落としやすい、指導する側の疲弊問題
正直、同じミスを繰り返す人の問題は、本人だけの話では終わりません。フォローに回る先輩、記録を確認するリーダー、最終的に責任を背負う管理者、みんなが少しずつ削られます。そしてこの削られ方が続くと、現場はじわじわ荒れます。
よくあるのが、「あの人に任せるくらいなら自分でやったほうが早い」と先輩が抱え込み始めることです。すると本人はますます経験を積めず、先輩は疲れ、管理者は育っていないことに焦る。これ、かなり典型的な悪循環です。
だから本当は、同じミスを繰り返す人への対応は、個人指導だけでは不十分です。指導係を一人に背負わせない、面談内容を共有する、何をどこまで任せるか線を引く、確認ポイントを職場で統一する。ここまでやらないと、本人が変わっても現場がもたないことがあります。
現場に必要なのは、「あの人をどうするか」だけではなく、周囲が壊れない育成の仕組みです。ここに踏み込める職場は強いです。
本人が毎日しんどいときに使える、かなり現実的な切り替え方
ミスを繰り返している人は、家に帰ってからも仕事が頭から離れないことが多いです。寝る前に思い出して落ち込む。次の出勤を考えて胃が痛くなる。すると睡眠が浅くなって、翌日さらに抜けやすくなる。このループに入ると本当にきついです。
ここで伝えたいのは、気持ちの問題を軽く見るなということです。介護は身体だけでなく、神経をかなり使う仕事です。だから、家に帰ったあとも仕事の再生が止まらないなら、気合いでどうにかしようとしないほうがいいです。寝る前に反省会を始めるより、紙に三行だけ書いて終える。「今日まずかったこと」「明日一つだけ気をつけること」「今日できたこと」。これだけで十分です。
ポイントは、反省を長引かせないことです。長引く反省は、改善より消耗につながりやすいです。逆に、短く整理して終わる習慣がつくと、翌日の動きが少しずつ安定します。心が限界のときほど、壮大な自己改革より、小さい整理のほうが効きます。
個人的にはこうしたほうがいいと思う!
個人的にはこうしたほうが、ぶっちゃけ介護の本質をついてるし、現場の介護では必要なことだと思う。何かというと、「できない人を早く普通にしよう」とするより、「事故を起こさない動き方を一緒につくる」ことです。
介護の現場って、どうしても人を見る仕事だから、できない人がいると性格や根性の話に流れやすいんです。でも、利用者さんに必要なのは、完璧な人材じゃないです。今日のシフトで、危険を増やさず、異変を見逃さず、無理なときに無理と言えて、ちゃんと周りにつなげられる人です。ここを外して、「もっと気をつけて」「ちゃんとして」で育てようとすると、本人も周りも疲弊していきます。
それに、現場で本当に信頼される人って、ミスゼロのスーパーマンじゃないです。小さい違和感を早く出せる人、確認を飛ばさない人、混乱したときに勝手に抱え込まない人です。つまり介護の本質って、個人の器用さより、安全を守るために人とつながれるかなんですよね。ここを育てる方向にいったほうが、結果として事故も減るし、本人も潰れにくいです。
あと、もう一歩踏み込んで言うと、同じミスを繰り返す人を見たときに、本当に見るべきなのは「この人はダメかどうか」じゃなくて、この人が崩れる条件は何かです。急かされると飛ぶのか。口頭指示が重なると抜けるのか。怒られる恐怖で固まるのか。イレギュラーに弱いのか。ここが見えたら、対応はかなり具体的になります。逆にここを見ずに指導だけ強くすると、たいてい悪化します。
現場の介護って、きれいごとだけじゃ回りません。忙しいし、人手も足りないし、利用者さんの状態も毎日違う。その中で本当に必要なのは、「この人をどう責めるか」じゃなくて、「この人が事故を起こさないために、どこを固定すればいいか」を見つける力だと思います。それができる職場は、結局、利用者さんにも職員にもやさしいです。だから最後はそこに尽きます。人を変えようとしすぎるより、危ない瞬間を減らす仕組みを増やす。これが、遠回りに見えていちばん現場を救うやり方だと、個人的には強く思います。
介護職で同じミスを繰り返す人への対応に関する疑問解決
何回注意しても直らないなら、もう向いていないのでしょうか?
早すぎる結論です。まずは、理解不足なのか、確認設計の問題なのか、緊張や疲労なのかを分けてください。本当に不向きかどうかは、原因ごとの対策を一定期間試してから判断するほうが安全です。
厳しく指導したほうが改善は早いですか?
命に関わる場面で即時是正は必要です。ただ、普段の改善指導まで厳罰一辺倒にすると、防御的になり、報告しない、隠す、さらに萎縮するという悪循環が起きやすくなります。必要なのは、厳しさより具体性です。
本人が「自分でもなぜミスするかわからない」と言う場合はどうすればいいですか?
その言葉は、逃げではなく、本当に言語化できていない可能性があります。ミス直前の行動を一緒に再現し、「どこで中断されたか」「何に気を取られたか」を可視化してください。本人の感想より、事実の並びのほうが原因に近づけます。
受診を勧める目安はありますか?
以前はできていたのに急に抜けが増えた、遅刻や欠勤が増えた、涙もろい、集中できない、眠れていない、という変化が重なるときは、管理者判断で抱え込まず、産業保健や医療につなぐ検討が必要です。精神論で押し切らないことが大切です。
まとめ
介護職で同じミスを繰り返す人への対応で、本当に大切なのは、責める前に分けることです。真面目なのに空回りしているのか、態度や習慣に問題があるのか、急な不調なのか。この見立てがずれると、指導は外れ、本人も職場も疲弊します。逆に、原因を分けて、命に関わるミスから絞って、具体的な確認動作に落とし込めば、現場は変わり始めます。
もう「何度言ってもダメ」で終わらせないでください。介護の安全は、優秀な個人が守るものではなく、ミスが起きても大事故にしない仕組みで守るものです。今日できる最初の一歩はひとつだけです。直近のミスを3件書き出し、本人と一緒に「どこで抜けたか」を言葉にしてみてください。そこから、立て直しは始まります。


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