在宅で家族を介護しているあなた。毎日の歯磨き、ちゃんとできていますか?「食事の介助だけでも大変なのに、歯磨きまで手が回らない」「嫌がって口を開けてくれない」「どうやったらいいのかわからない」…そんな悩み、痛いほどよくわかります。
歯磨きは、単にお口の中をきれいにするだけの行為ではありません。実は、命に関わる誤嚥性肺炎を予防する、最も重要なケアなんです。しかし、多くの人が知らない「本当に効果的な歯磨きの方法」があります。この方法を知っているか知らないかで、大切なご家族の健康は大きく変わります。
この記事では、元訪問看護師として数多くの在宅介護を見てきた私が、誤嚥性肺炎を激減させるための、誰も教えてくれなかった在宅介護の歯磨き方法を、ステップバイステップで徹底解説します。
なぜ在宅介護の歯磨きが最重要なのか?誤嚥性肺炎の真実

介護のイメージ
「たかが歯磨き」とあなどってはいけません。高齢者の死因で常に上位に挙げられる肺炎。その多くは、誤嚥性肺炎が原因と言われています。
誤嚥性肺炎は「口の中の細菌」が原因だった!
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺で炎症を起こす病気です。でも、誤嚥したものがすべて肺炎につながるわけではありません。重要なのは、「口の中の細菌」が一緒に気管に入り込んでしまうことです。
高齢になると、唾液の量が減り、自浄作用が低下します。また、歯磨きが不十分だと、口の中にはたくさんの細菌が繁殖します。特に厄介なのが、歯周病菌です。これらの細菌が、誤嚥の際に肺に流れ込み、肺炎を引き起こしてしまうのです。
つまり、誤嚥そのものをゼロにするのは難しくても、口の中を清潔に保ち、細菌の数を減らすことで、誤嚥性肺炎のリスクは劇的に下げられるのです。歯磨きは、そのための最も効果的な手段なんですね。
もう悩まない!明日からできる「正しい在宅介護の歯磨き」7つのポイント
ここでは、単なる歯磨きではない、誤嚥性肺炎予防のための具体的な方法を7つのステップでご紹介します。
ポイント1体位を工夫するだけで劇的に安全に!
「歯磨き中にむせてしまう」という経験はありませんか?実は、歯磨きの体位が原因かもしれません。椅子に座れる場合は、深く腰掛けて少し顎を引いた状態にしましょう。ベッド上で行う場合は、上半身を45度〜60度起こし、枕を使って頭が安定するようにします。
この体位は、誤嚥のリスクを減らすだけでなく、介護者も体勢が安定し、歯磨きがしやすくなるというメリットもあります。
ポイント2歯ブラシ選びと正しい持ち方
市販されている歯ブラシはたくさんありますが、在宅介護には「コンパクトヘッド」で「超やわらかめ」のものがおすすめです。さらに、介助用の歯ブラシも販売されています。これは、柄が太く、介護者が持ちやすいように設計されているので、ぜひ試してみてください。
歯ブラシの持ち方は、鉛筆を持つように軽く握る「ペングリップ」が基本です。力を入れすぎず、小刻みに動かすことが大切です。
ポイント3うがいが難しい人のための「拭き取りケア」
口をゆすぐのが難しい場合、無理にうがいをさせると誤嚥につながります。そんな時は、水を含ませたガーゼや口腔ケア用のウェットシートで、歯や歯茎、舌を優しく拭き取りましょう。
唾液腺マッサージをした後に拭き取ると、汚れが浮きやすくなり、より効果的です。
ポイント4嫌がるときは「声かけと笑顔」で乗り切る
「歯磨きを嫌がる」「口を開けてくれない」という悩みは本当によく聞きます。そんな時は、無理やり行うのではなく、「これからお口をきれいにしましょうね」「すっきりして気持ちいいですよ」と明るく声かけをしてみましょう。
また、鏡を見せながら「どこが汚れているかな?」とクイズ形式にしたり、好きな音楽をかけたりするのも効果的です。大切なのは、歯磨きの時間を「不快な時間」ではなく「心地よい時間」に変える工夫です。
ポイント5磨く順番と見落としがちなポイント
歯磨きを効率的に行うためには、磨く順番を決めるとスムーズです。奥歯から手前に、上から下へと、順序立てて磨くようにしましょう。
特に見落としがちなのが、「歯と歯茎の境目」「奥歯の内側」「歯の噛み合わせ部分」です。これらは細菌が溜まりやすい場所なので、特に丁寧に磨いてください。
ポイント6舌のケアは「え?知らなかった!」という大発見
歯だけ磨いて満足していませんか?実は、誤嚥性肺炎の原因菌の多くは、舌の表面に付着していることがわかっています。舌に白く苔のように付着した「舌苔(ぜったい)」は、口臭の原因にもなります。
舌のケアは、舌専用のブラシやガーゼを指に巻きつけて、奥から手前へ優しく数回拭いましょう。ただし、強くこすりすぎると舌の粘膜を傷つけるので注意が必要です。
ポイント7義歯(入れ歯)のケアは「外して洗う」が鉄則!
義歯を使っている方も多いでしょう。義歯は必ず外して、専用のブラシと洗浄剤で丁寧に洗いましょう。義歯をつけたまま寝てしまうと、義歯に付着した細菌が繁殖し、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
義歯を外した後は、歯茎や粘膜をガーゼで優しく拭くことも大切です。
在宅介護の歯磨きに関する疑問解決Q&A
ここでは、在宅介護でよくある歯磨きの疑問にQ&A形式で答えます。
Q1電動歯ブラシは使ってもいいですか?
はい、使っても問題ありません。むしろ、電動歯ブラシは効率的に歯垢を除去できるため、うまく使えれば非常に便利です。ただし、必ず「超やわらかめ」のブラシを選び、歯や歯茎に強く押し付けすぎないように注意しましょう。
Q2歯磨き粉は使ったほうがいいですか?
歯磨き粉は、清涼感を与えたり、フッ素で虫歯を予防する効果がありますが、多量に使うと泡立ちすぎてむせやすくなることがあります。在宅介護では、ごく少量だけ使うか、ジェルタイプの口腔ケア用品を使うのがおすすめです。
Q3訪問歯科や訪問看護師は、歯磨きをどこまでやってくれるの?
訪問歯科は、専門的な口腔内のチェックや、歯石除去などを行います。訪問看護師は、日常的な口腔ケアのサポートをしてくれます。
たとえば、訪問看護師は以下のようなケアをサポートしてくれます。
- 口腔内の状態観察歯や歯茎、舌の状態、唾液の量をチェックし、異常がないかを確認してくれます。
- 正しい歯磨きの指導ご家族が一人でできる自信がない場合、正しい歯磨きの方法を一緒に実践しながら丁寧に教えてくれます。
- 専門的なケア義歯の洗浄や、口腔内保湿、口腔体操などを一緒に実施してくれます。
在宅介護で歯磨きに不安がある場合は、ぜひ訪問看護師に相談してみましょう。専門家の視点から、あなたのご家族に合った適切なアドバイスがもらえます。
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まとめ今日から実践!あなたの歯磨きがご家族の未来を変える
いかがでしたか?単なる歯磨きに見える行為が、実は大切なご家族を誤嚥性肺炎から守る最強の盾だということがご理解いただけたと思います。
日々の在宅介護は、本当に大変なことの連続です。でも、「たった5分」の正しい歯磨きが、ご家族の健康と笑顔を守る大きな一歩になります。この記事でご紹介した7つの秘訣を、ぜひ今日から一つずつ試してみてください。
介護の負担を一人で抱え込まず、訪問看護や訪問歯科といったプロの力を借りることも大切です。プロの力を上手に活用しながら、あなたとご家族にとって、安心で心地よい在宅生活を送ってください。
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