夜中に何度もトイレに起きてしまう。そのたびに睡眠が中断され、翌朝はすっきりしない。そんな夜間頻尿の悩み、もしかして「年のせいだから仕方ない」と諦めていませんか?多くの人がそう考えてしまいがちですが、それは大きな誤解です。実は、夜間頻尿は単なる加齢現象ではなく、様々な体のサインが隠されていることがあります。そして、その原因を探る第一歩となるのが、非常にシンプルながら多くの人が見落としている「睡眠時尿量」の正確な測定方法です。この測定が、あなたの夜間頻尿の根本的な原因を解き明かす鍵となるかもしれません。
なぜ夜間頻尿の原因特定に「睡眠時尿量」が欠かせないのか?

介護のイメージ
夜間頻尿は、単一の原因で起こるわけではありません。複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。しかし、原因は大きく分けて3つに分類できます。
- 夜間多尿夜間の尿量が異常に多い状態
- 蓄尿障害膀胱に尿を十分にためておけない状態
- 睡眠障害尿意とは関係なく、眠りが浅くなって目が覚めてしまう状態
この3つのどれが原因なのかを判断する上で、「睡眠時尿量」と「1日の総尿量」の関係を正確に把握することが非常に重要になります。この情報がなければ、医師は適切な診断を下すことができず、間違った治療法を選択してしまう可能性すらあるのです。
高齢者の睡眠時尿量を正確に測る5つのステップ
「睡眠時尿量」の測定と聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれません。しかし、ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に、かつ正確に測定することができます。ここでは、夜間頻尿の原因特定に直結する、具体的な測定方法を5つのステップでご紹介します。
- 就寝前に排尿を済ませ、その時刻を記録する測定開始の合図です。この時の排尿量は測定の対象外となります。
- 起床時と夜中に起きた際の排尿量をすべて測る就寝後に排尿した尿を、すべて専用の容器にためます。この時、排尿日誌に排尿した時刻と量を忘れずに記録しましょう。
- 朝一番の排尿量まで含める目が覚めて朝一番に排尿した尿量も、就寝後の尿として扱います。これも記録対象に含めましょう。
- 合計尿量を計算する就寝から起床までの間に排尿した尿の量をすべて合計します。これがあなたの「睡眠時尿量」です。
- 1日の総尿量を記録する睡眠時尿量だけでなく、24時間すべての排尿量を記録します。この2つのデータを比較することが、原因を特定する上で非常に重要です。
この測定を通じて、「睡眠時尿量」が「1日の総尿量」の33%以上を占めている場合は、「夜間多尿」の可能性が高いと判断されます。若年者の場合は20%が目安です。
夜間頻尿を紐解く3つのカギ多尿、蓄尿障害、睡眠障害の深い関連性
先ほど触れた3つの原因について、さらに詳しく見ていきましょう。これらの原因が複合的に絡み合っているケースも少なくありません。
夜間多尿その原因は意外なところに潜んでいる
夜間多尿は、夜間に尿が過剰に作られる状態です。これは単に水を飲みすぎているだけでなく、内科的な疾患が背景にあることが少なくありません。例えば、糖尿病や心不全、さらには睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。特に睡眠時無呼吸症候群は、夜間に呼吸が止まることで心臓に負担がかかり、体液のバランスが崩れるため、夜間多尿を引き起こすことが知られています。また、特定の降圧薬(カルシウム拮抗薬)も夜間の尿量を増やす可能性があります。
蓄尿障害膀胱と前立腺の問題
膀胱に尿をためておけない状態を「蓄尿障害」といいます。代表的な原因は過活動膀胱です。これは、膀胱が勝手に収縮してしまうことで、日中も夜間も尿意を感じやすくなります。男性の場合、前立腺肥大症もこの原因となります。肥大した前立腺が尿道を圧迫し、膀胱が過敏になることで頻尿を引き起こします。
睡眠障害実は尿意とは無関係なケースも
尿意で目が覚めるのではなく、眠りが浅いせいで少しの尿意でも目が覚めてしまうのが「睡眠障害」です。不眠症やうつ病、そして先ほども触れた睡眠時無呼吸症候群などが原因となります。特に、日中に強い眠気を感じたり、いびきがひどいと言われる方は、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみる必要があります。
夜間頻尿の治療は、これらの原因を正確に見極めることから始まります。原因が異なれば、取るべき治療法も全く変わってきます。だからこそ、排尿日誌による正確な「睡眠時尿量」の測定が非常に重要なのです。
介護に関する疑問解決夜間頻尿で介護者が知るべきこと
高齢者の夜間頻尿は、ご本人だけでなく、介護者の方にとっても大きな負担となります。ここでは、介護者が抱えがちな疑問にお答えします。
Q. 毎日排尿日誌をつけるのは大変。どうすれば続けられますか?
排尿日誌の記録は、慣れないうちは負担に感じてしまうかもしれません。しかし、治療の方向性を決めるための重要なデータとなります。まずは1週間、最低でも3日間の記録を目標にしてみましょう。スマートフォンのアプリや、簡単なメモ帳でも構いません。排尿した時刻と量を記録するだけなので、習慣化すれば負担は軽減できます。ご本人と一緒に「夜間頻尿を解決するための大切なミッション」として取り組むと、モチベーションを保ちやすくなります。
Q. 転倒リスクが心配です。トイレまでの環境整備で気をつけることは?
夜間頻尿は、暗闇の中での転倒リスクを伴います。転倒は骨折など深刻な事態につながりかねません。トイレまでの動線は、障害物をなくし、足元を照らすフットライトを設置するようにしましょう。また、ポータブルトイレの活用も有効です。
Q. 病院に行くタイミングは?「年のせい」と片付けないでいいですか?
「年のせい」と諦めず、一度は専門医に相談することをおすすめします。特に、以下の症状が見られる場合は、すぐに受診を検討しましょう。
- 夜中に2回以上トイレに起きる習慣が続き、睡眠の質が低下している
- 日中に強い眠気や疲労感を感じる
- 排尿日誌で夜間多尿の傾向が見られる
- 尿意切迫感や尿もれ(尿失禁)の症状がある
泌尿器科専門医や総合内科専門医のいるクリニックでは、多角的な視点から原因を特定し、適切な治療を提案してくれます。
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まとめ夜間頻尿の真実を知り、質の高い睡眠を取り戻そう
夜間頻尿は、決して「年のせい」で片付けられる問題ではありません。正確な「睡眠時尿量」の測定と、その背後にある多尿、蓄尿障害、睡眠障害といった根本的な原因を突き止めることが、質の高い睡眠を取り戻すための第一歩です。
今回ご紹介した「高齢者の睡眠時尿量測定方法」は、ご本人だけでなく、介護者の方にとっても非常に役立つ情報です。たった数日間の記録が、長年の悩みを解決する大きなヒントになるかもしれません。もし、あなたの身近な人が夜間頻尿で悩んでいるなら、ぜひこの記事の内容を参考に、一歩踏み出してみてください。あなたの生活の質が、確実に向上するはずです。
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