夏本番、連日ニュースで報じられる熱中症のニュースに「うちの両親は大丈夫だろうか?」「介護中の家族が脱水にならないか心配」と胸を痛めている方も多いのではないでしょうか。
特に高齢者の脱水は、想像以上に早く進行します。なんとなく元気がない、食欲がない、といった些細な変化が、実は脱水の初期サインかもしれません。しかし、「水分をこまめにとる」だけでは不十分なケースがほとんど。今回の記事では、見落としがちな脱水のリスクから、今日からすぐに実践できる「9割が知らない」具体的な対策まで、専門家の視点から徹底的に解説します。大切な家族の命を守るために、ぜひ最後までお読みください。
なぜ高齢者は脱水になりやすい?知られざる3つの「体の変化」

介護のイメージ
「喉が渇いたら飲む」という私たちの常識が、高齢者には通用しないことをご存知ですか?加齢によって、体には脱水を招きやすい3つの変化が起こります。
喉の渇きを感じにくくなる「かくれ脱水」
若い頃は喉がカラカラになって初めて水分を欲しますが、高齢になると脳の喉の渇きを感じる機能(口渇中枢)が鈍感になります。その結果、すでに体内の水分が不足しているにもかかわらず、「喉が渇いた」と感じない「かくれ脱水」の状態に陥りやすいのです。本人は自覚がないため、周囲が意識的に水分補給を促す必要があります。
体内の水分量が少なくなる「ドライシニア」
人の体は、年齢を重ねるごとに筋肉量が減り、体脂肪が増える傾向にあります。実は、水分は筋肉に多く含まれているため、筋肉量の減少に伴って体内の総水分量が自然と少なくなります。例えるなら、若い頃は大きな貯水タンクを持っていたのに対し、高齢になるとそのタンクが小さくなってしまうイメージです。
腎臓の機能が低下する「水分喪失」
健康な腎臓は、体内の水分量を適切に保つために、尿を濃縮して水分を再吸収します。しかし、加齢によって腎機能が低下すると、この尿を濃縮する機能が弱くなります。結果として、必要以上に多くの水分が尿として排出されてしまい、脱水につながりやすくなります。
「水分補給」だけじゃダメ?脱水を見抜く3つのチェックポイント
「水分はこまめに飲んでいるはずなのに…」と感じたら、脱水の兆候を見逃しているかもしれません。単に水分を摂取するだけでなく、脱水のサインを正確に把握することが重要です。
尿の色と回数で脱水度をチェック!
脱水が進行すると、腎臓は体内の水分を節約しようと働くため、尿が濃くなります。ご家族の尿の色が濃い黄色や茶色に変わっていたり、トイレに行く回数が極端に少ない場合は、脱水状態のサインかもしれません。逆に、頻繁にトイレに行くようになった場合も、腎機能の低下による脱水の可能性が考えられます。
皮膚の「ツルゴール」で脱水度をチェック!
手や腕の甲の皮膚をつまみ、持ち上げてみてください。正常な皮膚はすぐに元の状態に戻りますが、脱水状態の皮膚はつまんだ状態がしばらく残ってしまいます。これは「ツルゴール」と呼ばれるもので、皮膚の弾力性が失われている証拠です。
声の変化と舌の状態で脱水度をチェック!
脱水が進行すると、口の中が乾燥し、舌が白っぽく、ひび割れたように見えることがあります。また、呂律が回らなくなったり、声がかすれたりすることもあります。口の中の乾燥は脱水の初期症状として見過ごされがちなので、注意して観察しましょう。
今日から実践できる!高齢者 夏場の脱水防止策命を守る5つの秘訣
ここからは、専門家が実践する脱水対策の秘訣を5つご紹介します。単なる水分補給を超えた、具体的な実践方法です。
秘訣1水分を「こまめに」ではなく「習慣化」する
「喉が渇く前に水分を」とよく言われますが、さらに一歩踏み込んで「水分補給を習慣化」させましょう。
- 起床後、食事前、入浴前後にコップ1杯の水分補給をルーティン化する。
- ベッドサイド、リビング、トイレなど、常に手の届く場所に飲み物を置いておく。
- 飲み物の種類を工夫する。麦茶、ほうじ茶、スポーツドリンク、経口補水液など、飽きずに飲めるよう複数用意する。
### 秘訣2水分は「塩分」とセットで摂取する
汗と一緒に体の塩分も失われます。真水ばかりを大量に飲むと、体内の塩分濃度が薄まり、かえって脱水を加速させる「水中毒」のリスクがあります。水分と塩分をバランスよく補給することが大切です。
経口補水液市販の経口補水液は、水分と塩分のバランスが最適です。
自家製ドリンク水1リットルに、砂糖小さじ4.5杯、塩小さじ1/2杯を混ぜて作ることもできます。
秘訣3冷房は「つけっぱなし」にする勇気を持つ
「電気代がもったいない」と冷房を我慢してしまうケースは少なくありません。しかし、室内の温度が上がると、体は発汗によって体温を下げようとし、知らず知らずのうちに多くの水分が失われます。特に夜間は、睡眠中の発汗で脱水が進行しやすいため、冷房は適度な温度(26~28℃)に設定し、つけっぱなしにしておくことを強く推奨します。
秘訣4食事で「水分と栄養」を摂取する
食事から摂取する水分も、脱水予防に非常に重要です。水分を多く含む食材やメニューを積極的に取り入れましょう。
食材・メニュー | 効果・補足 |
---|---|
きゅうり、トマト、スイカ、ナス | 水分だけでなく、カリウムも豊富で体内の水分バランスを整えます。 |
ゼリー、プリン、茶碗蒸し | 喉ごしが良く、食欲がない時でも水分を無理なく摂取できます。 |
味噌汁、スープ、具だくさんのおかゆ | 塩分と水分を同時に補給できます。 |
### 秘訣5「周りの人」の力を借りる
脱水対策は、決して一人で抱え込むものではありません。ご家族やケアマネジャー、訪問看護師など、周りの人々と連携し、チームで取り組むことが最も効果的です。特に、在宅介護の場合は、専門家による定期的な観察が非常に重要になります。
介護に関する疑問Q&A専門家が答えます
Q1: 経口補水液は毎日飲んでも大丈夫ですか?
A: 軽度の脱水時や、熱中症のリスクが高い日には有効ですが、毎日継続的に飲む必要はありません。あくまでも応急処置として考えてください。塩分と糖分が含まれているため、腎臓病や糖尿病などの持病がある方は、かかりつけ医に相談してから使用しましょう。普段の水分補給は、麦茶や水がおすすめです。
Q2: 高齢者が冷たい飲み物を嫌がります。どうすればいいですか?
A: 冷たい飲み物が苦手な方も多くいらっしゃいます。無理に飲ませるのではなく、常温の飲み物や温かい麦茶、ほうじ茶などを少量ずつ、こまめに提供してください。前述のように、ゼリーやスープ、味噌汁など、食事から水分を補給する方法も有効です。
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まとめ今日からできる小さな一歩が、命を守る大きな力に
高齢者の脱水は、想像以上に早く、そして静かに進行します。しかし、今回の記事でご紹介したように、正しい知識と少しの工夫があれば、そのリスクを大きく減らすことができます。
大切なのは、「喉が渇く前に水分を補給する習慣」を身につけ、「脱水のサインを正確に把握する」こと。そして何よりも、「一人で抱え込まず、専門家の力を借りる」ことです。今日からできる小さな一歩が、ご家族の健康と笑顔を守る大きな力になります。ぜひ、この記事の内容を参考に、脱水のない安心な夏をお過ごしください。
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