在宅介護でご家族の体調が急変したとき、「救急車を呼ぶべきか?」「もう少し様子を見るべきか?」と迷った経験はありませんか?
特に夜間や休日に、一人で判断しなければならない状況は本当に心細いものです。
「もし間違った判断をして、手遅れになったらどうしよう…」そんな不安を抱えるあなたの気持ち、痛いほどよくわかります。
この記事は、在宅介護の現場で長年経験を積んできた私自身の体験と、専門家の知識を組み合わせた「救急車を呼ぶ判断基準」をまとめたものです。
この記事を読むことで、あなたの中で救急車を呼ぶことへの迷いが消え、本当に必要なときに迅速かつ適切な行動がとれるようになります。
在宅介護における「救急車を呼ぶべきか?」の判断基準3つの原則

介護のイメージ
在宅介護でご家族の急変に直面したとき、まず頭に入れておいてほしい3つの原則があります。
これは、迷ったときに立ち返るべき「羅針盤」のようなものです。
原則1命に関わる「緊急事態」のサインを見逃さない
まずは、一刻を争う事態、つまり生命の危険があるサインを見逃さないことが最も重要です。
これは、救急車を呼ぶかどうかの判断を迷う余地がないケースです。
これから紹介する症状が1つでも見られたら、迷わずすぐに救急車を要請しましょう。
* 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
* 呼吸が苦しそう、顔色が悪い、唇が紫色になっている(チアノーゼ)
* 激しい胸の痛みがある、心臓を抑えて苦しがっている
* 大量の出血(吐血、喀血、下血など)がある
* 手足の片側だけ麻痺がある、ろれつが回らない、急にものが二重に見える
これらの症状は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や心筋梗塞など、命に直結する重篤な病気のサインかもしれません。
「いつもと違う」「急に」といった変化を感じたら、それがたとえ軽微に思えても、プロの判断を仰ぐべきです。
原則2「もしも」のために事前にかかりつけ医と相談しておく
在宅介護では、日頃からご家族の健康状態を把握しているかかりつけ医やケアマネジャー、訪問看護師などの専門家と、緊急時の対応について話し合っておくことが何より大切です。
例えば、「発熱したときは、何℃になったら連絡すべきか」「こんな症状が出たらすぐに救急車を呼んでください」といった具体的な指示を事前に確認しておきましょう。
万が一に備えて、ご家族の既往歴(持病)、服用中の薬、アレルギー情報、かかりつけ医の連絡先、そして緊急連絡先をまとめたメモを冷蔵庫の扉など、誰でもすぐにわかる場所に貼っておくことを強くお勧めします。
これがあれば、救急隊員に的確な情報をスムーズに伝えることができます。
原則3「心配」という直感を信じる
在宅介護に携わるあなたは、ご家族のわずかな変化にも気づくことができる、いわば「専門家」です。
「なんだか様子がおかしい」「いつもと違う気がする」といった直感は、決して軽視してはいけません。
多くの場合、その直感は、あなただけが気づける「危険のサイン」です。
少しでも不安を感じたら、躊躇せず救急車を呼びましょう。
救急車を呼んだことで、もし「たいしたことなかったね」と言われることがあっても、それは恥ずかしいことではありません。
「安心」を買ったと思えばいいのです。
あなたの「心配」という感情は、ご家族の命を守るための大切なセンサーだと認識してください。
在宅介護の救急車判断を劇的に変える!5つのチェックリスト
ここからは、より具体的な判断の助けとなるチェックリストをご紹介します。
急変時にパニックにならず、落ち着いて状況を判断するための具体的なステップです。
これは、私が救急車を呼ぶときに必ずチェックしているポイントでもあります。
- 意識レベルの確認声をかけたり、体を軽く揺すったりして、反応があるかを確認してください。ジャパン・コーマ・スケール(JCS)などの専門的な知識がなくても、「眠っているのか」「声をかけても起きないのか」を判断することが重要です。
- 呼吸と脈拍の確認胸の動きや呼吸音、顔色をチェックし、呼吸が困難そうでないか、いつもと違うリズムや速さでないか確認してください。手首や首の頸動脈で脈を測り、脈が速すぎないか、弱すぎないか、不規則ではないかを確認してください。
- 頭痛、麻痺、ろれつ、視覚の確認特に激しい頭痛の訴えがないか、顔の片側がゆがんでいないか、片方の手足に力が入らない、しびれがないか、ろれつが回らない、言葉が出ない、片方の目が見えない、二重に見えるなどの症状がないか、冷静にチェックしてください。
- 転倒・転落の有無と状況確認転んだり、ベッドから落ちたりしていないか確認してください。もし転倒・転落があった場合は、頭を打っていないか、体のどこかに痛みがないか確認し、無理に体を起こさず安静にさせてください。
- 発熱や嘔吐、下痢などの全身症状の確認急激な体温の上昇や、激しい嘔吐、下痢がないか確認してください。特に発熱や脱水は、高齢者の体調を急激に悪化させる原因となります。
これらのチェックリストは、ご家族の急変時に「まず何をすべきか」を明確にしてくれます。
頭の中でシミュレーションしておくだけで、いざというときの対応が格段にスムーズになります。
在宅介護に関する疑問解決よくある質問と答え
在宅介護で救急車を呼ぶにあたり、多くの方が抱える疑問にお答えします。
Q1救急車を呼んだら怒られますか?
Aいいえ、決して怒られることはありません。
「こんなことで呼んでしまった」と後悔する方もいますが、救急隊員はプロです。
迷う状況であれば、迅速に駆けつけて判断を仰ぐことは全く問題ありません。
あなたの判断が早ければ早いほど、結果的にご家族の命を救うことにつながります。
救急隊員も、命に関わるサインを見逃すリスクを考えると、躊躇せず呼んでくれたことに感謝こそすれ、怒ることはありません。
Q2救急車が到着するまでの間、何をしたらいいですか?
A救急車を要請したら、以下の3つの行動を落ち着いて行ってください。
- 安全の確保と観察ご本人のそばを離れず、安静を保つようにしてください。特に、意識がない場合は、顔を横に向けて吐物が気管に入らないようにします。同時に、発症時間や現在の症状(呼吸の状態、意識レベル、手足の動きなど)を観察し、メモを取っておくと救急隊員に正確に伝えられます。
- 家族や医療機関への連絡可能であれば、ご家族やかかりつけ医、ケアマネジャーに状況を伝え、指示を仰ぎましょう。
- 準備保険証、診察券、お薬手帳、事前に作成しておいた緊急連絡先のメモなど、必要なものをまとめておきましょう。救急隊員が到着したときにすぐに渡せるようにしておくと、搬送がスムーズになります。
Q3救急車を呼ばずに病院へ連れて行った方がいいケースは?
A判断が非常に難しいところですが、自分で病院まで連れて行くことでかえってリスクを高める場合があります。
特に、以下の症状が見られる場合は、迷わず救急車を呼びましょう。
- 意識がもうろうとしている、または意識がない
- 呼吸が苦しそう、または呼吸が止まっている
- 激しい胸の痛みがある、または嘔吐を繰り返している
- 手足の麻痺やろれつが回らないなど、脳卒中が疑われる症状がある
これらの症状がある場合、自己判断で車に乗せることは、症状をさらに悪化させる可能性があります。
専門的な処置を施しながら搬送できる救急車を待つ方が、圧倒的に安全です。
「自分で車を運転して連れて行ける」という状況であっても、救急車を呼ぶことで、医療機関への受け入れ態勢が整いやすくなるというメリットもあります。
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まとめ在宅介護の救急車は「迷ったら呼ぶ」が正解
在宅介護では、ご家族のわずかな変化を見逃さないことが、命を守ることにつながります。
「このくらいで救急車を呼んだら迷惑かな?」
そんな不安が頭をよぎるかもしれませんが、最も大切なのは、後悔しないことです。
この記事でご紹介した5つのチェックリストと3つの原則を頭に入れておけば、いざというときに落ち着いて、適切な行動がとれるようになります。
あなたの「心配」という直感を信じ、「迷ったら救急車を呼ぶ」というマインドセットを持つことが、在宅介護を続ける上で最も重要なことなのです。
在宅介護は、決して一人で抱え込むものではありません。
不安や疑問は、かかりつけ医やケアマネジャーなど、身近な専門家に遠慮なく相談しましょう。
この記事が、あなたとご家族の安心につながる一助となれば幸いです。
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