特別養護老人ホーム(特養)への入所を検討しているあなたへ。
「うちの親は要介護度3だけど、申し込んでも入所できるの?」
「要介護度が同じ人がたくさんいるけど、どうやって入所順位が決まるの?」
こんな疑問や不安を感じていませんか?
インターネットで調べても、自治体のホームページは専門用語が多くて分かりづらい。
どこに聞けばいいのかもわからないし、時間だけが過ぎていく…。
でも、安心してください。この記事では、特養の入所基準と、要介護度が同じでも差がつく「入所順位の裏側」について、誰でもわかるように、そして具体的に解説します。
この記事を読めば、あなたの抱えている不安は解消され、これから取るべき行動が明確になります。
特養の「原則要介護3以上」はなぜ?知っておくべき入所基準の基本

介護のイメージ
特別養護老人ホームは、「在宅での生活が困難になった高齢者」を対象とする公的な施設です。そのため、入所できる要介護度には原則として基準が設けられています。
この原則は、2015年の介護保険法改正によって定められました。それまでは要介護1や2でも入所申し込みが可能でしたが、改正後は原則として要介護3以上の高齢者が対象となりました。
これは、在宅介護の負担が大きいと判断される要介護度が高い方を優先し、介護サービスが必要な方がより適切に施設を利用できるようにするためです。
特例として、要介護1や2でも入所が認められるケースがありますが、それはあくまで「やむを得ない事情」がある場合に限られます。この「やむを得ない事情」については、後ほど詳しく解説します。
まずは、入所の第一関門である要介護度の基準をしっかりと理解することが重要です。
「要介護3」の具体的な状態とは?入所の可能性を高めるためのヒント
「要介護3」と聞いても、具体的にどのような状態なのかイメージが湧かないかもしれません。
要介護3は、「日常生活において、部分的にまたはほぼ全面的な介助が必要な状態」と定義されています。
例えば、以下のような状態が該当します。
- 立ち上がりや歩行が不安定で、常に介助が必要になることが多い
- 食事や排泄、入浴などの身の回りの動作に全般的な介助が必要
- 認知症の症状が進み、意思疎通や理解力に大きな困難がある
- 徘徊や暴力行為など、在宅での介護が非常に困難な状況にある
このように、「在宅での生活を維持するのが難しい」と判断される状態が、特養の入所基準の基本となります。
ですから、単に要介護度3であるだけでなく、「なぜ在宅生活が困難なのか」を明確にすることが、入所申請の際に非常に重要になります。
要介護度が同じでも差がつく!入所順位を決定する「裏ルール」
元の文章にもあったように、特養の入所は「施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させる」と定められています。
しかし、同じ要介護度の申込者が複数いる場合、どのようにして順位が決まるのでしょうか?
実は、多くの施設では、自治体が定めた独自の「入所判定基準」や「点数化基準」を用いて、客観的に順位を決定しています。この基準は、地域や施設によって異なりますが、一般的に以下の3つの要素が考慮されます。
点数を左右する3つの重要ファクター
入所順位を決定する上で、特に重要視される3つのファクターは以下の通りです。
ファクター①介護者の状況
これは、在宅で介護している家族の状況を評価する項目です。
たとえば、介護者が高齢であったり、病気を抱えていたり、介護者が一人暮らしで孤立していたりする場合、在宅介護を継続することが困難と判断され、点数が高くなります。
「老老介護」や「認認介護」など、介護者自身が大きな負担を抱えているケースは、特に入所順位が上がりやすい傾向にあります。
ファクター②医療的な必要性
これは、本人の健康状態や医療ケアの必要性を評価する項目です。
例えば、胃ろうや吸引など、日常的な医療行為が必要な状態であったり、頻繁な入院が必要な重い疾患を抱えている場合、家庭でのケアが困難と判断され、点数が加算されます。
また、認知症の症状が重く、自傷他害の危険がある場合も、この項目で高得点となることがあります。
ファクター③生活環境の状況
これは、本人の居住環境や経済状況を評価する項目です。
例えば、一人暮らしで身寄りがなく孤立している、虐待のリスクがある、住居が狭く介護が困難な環境であるなど、安全な生活を維持することが難しいと判断される場合、点数が高くなります。
経済的な困窮も、入所を必要とする理由として考慮されることがあります。
これらのファクターは、単独で評価されるのではなく、総合的に判断されます。
つまり、要介護度が高ければ自動的に入所できるわけではなく、介護者の負担や医療的ニーズ、生活環境といった「在宅での介護が困難な理由」を具体的に示すことが、入所への近道になるのです。
介護に関する疑問解決!知っておきたいQ&A
特養への入所を検討する中で、誰もが抱く疑問に答えます。
Q1要介護1や2でも特養への入所は可能?
原則として要介護3以上ですが、「やむを得ない事情」があると認められた場合は、要介護1や2でも特養への入所が可能です。
この「やむを得ない事情」には、以下のようなケースが含まれます。
- 認知症により、在宅生活が困難な状況が継続している場合
- 知的障害や精神障害が併存し、在宅生活が困難な状況が継続している場合
- 家族などによる深刻な虐待が疑われる、または虐待を受けている場合
- 独居、老老介護、認認介護など、家族の支援が困難な状況にある場合
ただし、これらのケースに該当するからといって必ず入所できるわけではありません。
最終的な判断は、各自治体や施設の入所判定委員会が行います。
まずはケアマネジャーに相談し、ご本人の状況を正確に伝え、申請が可能かどうかを確認することが大切です。
Q2特養の申し込みは複数施設にしてもいい?
特養の申し込みは、複数の施設に同時に行うことができます。
これは、各施設で入所待ちの状況が異なるため、選択肢を広げることで入所の可能性を高めることができるからです。
ただし、多くの施設では、申し込み手続きに時間がかかる場合がありますので、計画的に進めることが重要です。
気になる施設があれば、見学や相談を積極的に行い、施設の雰囲気やサービス内容をしっかりと確認しましょう。
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まとめ特養入所は「要介護度」と「状況」の掛け算で決まる
この記事では、特養の要介護度基準と入所順位の裏側について詳しく解説しました。
特養への入所は、単に要介護度が高いだけで決まるものではありません。
大切なのは、「なぜ、ご自宅での生活が困難なのか」という具体的な理由を、介護者の状況、医療的ニーズ、生活環境といった複数の視点から客観的に示すことです。
この点を理解し、ケアマネジャーと連携しながら入所申請を進めることが、特養入所への最も確実な道です。
特養への道のりは決して楽ではありませんが、正しい知識と行動があれば、きっと乗り越えられます。
ご家族の介護で悩んでいるあなたの気持ちが、少しでも軽くなることを願っています。
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