令和6年度から介護保険制度が大きく変わったことをご存知ですか？実は、この改正内容を知っているかどうかで、年間数万円もの負担額が変わる可能性があります。特に65歳以上の方や、ご両親の介護を考えている方にとって、今回の改正は見逃せない重要な変更点が満載です。
この記事では、令和6年度の介護保険制度改正について、難しい専門用語を使わず、誰でも理解できるように徹底解説します。保険料の変更から施設利用時の費用まで、あなたの生活に直結する情報をすべてお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
令和6年度介護保険改正の基本を押さえよう
介護のイメージ
まず知っておいていただきたいのは、介護保険制度は3年に1度必ず見直されるという仕組みです。これは、高齢化社会の進展や介護サービスの実態に合わせて、より良い制度に改善していくための取り組みなんです。
今回の令和6年度改正では、第9期介護保険事業計画がスタートしました。この計画は令和6年度から令和8年度（2026年度）までの3年間を対象とし、全国の市町村がそれぞれの地域の実情に応じた施策を展開していきます。
改正のポイントは大きく分けて、保険料の見直し、介護報酬の改定、そして施設利用時の費用変更の3つです。それぞれがあなたの家計に直接影響する可能性がありますので、一つずつ詳しく見ていきましょう。
保険料はどう変わった？あなたの負担額を確認しよう
65歳以上の方（第1号被保険者）の保険料変更
65歳以上の方が支払う介護保険料は、基準額が増額されました。これは高齢化の進展により、介護サービスを必要とする方が増えているためです。ただし、ここで朗報があります。
所得が低い方への配慮として、第1段階から第3段階の方の保険料軽減措置が継続されています。これは非常に重要なポイントで、生活保護を受けている方や、年金収入が少ない方は、通常よりも大幅に軽減された保険料で済むということです。
具体的には、あなたの所得に応じて保険料が9段階から13段階程度に細かく分けられており、所得が高い方がより多く負担し、所得が低い方の負担を軽減する仕組みになっています。ご自身がどの段階に該当するかは、お住まいの市区町村から送られてくる通知書で確認できます。
40歳から64歳の方（第2号被保険者）の保険料
働き盛りの40歳から64歳の方の介護保険料は、加入している健康保険の保険料に含まれて徴収されます。計算方法は加入している健康保険の種類によって異なり、協会けんぽ、健康保険組合、国民健康保険など、それぞれで算定方法が違います。
給与明細を見ると、健康保険料の中に介護保険料分が含まれているはずです。会社員の方は会社と折半で負担していますので、実際の保険料の半分を自己負担している形になります。
令和6年8月から変わった施設利用時の費用
居住費の基準額が改定されました
特に大きな変更が、令和6年8月から施設の居住費が改定されたことです。これは介護老人福祉施設、介護老人保健施設、短期入所生活介護などを利用する際に影響します。
例えば、ユニット型個室を利用する場合、これまで1日2,006円だった基準額が2,066円に変更されました。一方、従来型個室は1,668円から1,728円へ、多床室（相部屋）も1,668円から1,728円へと、それぞれ60円の増額となっています。
1日あたりの増額は60円程度ですが、1ヶ月換算すると約1,800円、1年では約2万円以上の差になります。施設入所を検討されている方は、この費用変更を必ず頭に入れておく必要があります。
食費は据え置きです
今回の改正で注目すべき点は、食費については令和6年7月利用分までの金額が据え置かれているということです。つまり、居住費は上がりましたが、食費は変更なしという状況です。ただし、今後の改正で変更される可能性もありますので、定期的に最新情報をチェックすることをお勧めします。
低所得者への手厚い支援制度を活用しよう
補足給付制度とは
介護保険制度には、低所得者の方が施設を利用しやすくするための補足給付制度があります。これは申請制なので、対象となる方は必ず申請してください。知らないと損をする重要な制度です。
この制度を利用すると、食費と居住費の一定額以上が保険給付されるため、実質的な自己負担額が大幅に軽減されます。令和6年8月利用分からは、この補足給付の金額も改定されています。
具体的な軽減額を確認しよう
補足給付には段階があり、あなたの所得や資産によって軽減される金額が変わります。例えば、最も手厚い支援を受けられる第1段階の方は、ユニット型個室の居住費が820円から880円の負担で済むようになっています。通常の基準額が2,066円ですから、1日あたり1,186円もの軽減を受けられることになります。
さらに重要な変更として、令和7年8月からは年金収入額等の基準額が80万円から80万9千円に変更されます。この変更により、これまで補足給付の対象外だった方が新たに対象となる可能性があります。
介護報酬改定があなたに与える影響
令和6年度には介護報酬の改定も実施されました。介護報酬とは、介護サービス事業者に支払われる報酬のことで、この改定により、提供されるサービスの質や内容が変わる可能性があります。
介護報酬が改定されると、あなたが支払う自己負担額（1割から3割）も変動します。ただし、この改定は介護サービスの質を向上させ、介護職員の処遇を改善するためのものでもあります。長期的には、より質の高い介護サービスを受けられる環境が整っていくことが期待されています。
令和6年介護保険改正に関する疑問解決
今回の改正で私の保険料はいくら上がるの？
保険料の増額は、お住まいの市区町村や所得段階によって大きく異なります。一般的には、基準額で月数百円程度の増額となるケースが多いですが、所得の高い方はそれ以上の増額となる場合もあります。具体的な金額は、市区町村から送付される介護保険料決定通知書で確認してください。また、所得が低い方は軽減措置により、増額幅が抑えられるか、場合によっては据え置きとなることもあります。
施設に入所している家族の費用はどれくらい変わりますか？
令和6年8月からの居住費変更により、施設の種類や部屋のタイプにもよりますが、月額で約2,000円から5,000円程度の増額が見込まれます。ただし、補足給付の対象となる方は、申請することで負担増を大幅に抑えることができます。まだ申請されていない方は、今すぐお住まいの市区町村の介護保険窓口に相談することをお勧めします。
補足給付の申請はどうやってするの？
補足給付を受けるには、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に申請する必要があります。申請には、本人と配偶者の収入や資産に関する書類が必要です。マイナンバーカードがあれば手続きがスムーズに進む場合が多いので、準備しておきましょう。わからないことがあれば、窓口で丁寧に教えてもらえますので、遠慮せずに相談してください。
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まとめ令和6年介護保険改正を味方につけよう
令和6年度の介護保険制度改正は、保険料の増額や施設利用時の費用変更など、一見すると負担増に見える内容も含まれています。しかし、低所得者への配慮や補足給付制度の継続など、必要な支援はしっかりと用意されているのが今回の改正の特徴です。
大切なのは、この改正内容を正しく理解し、あなたやご家族が利用できる制度を最大限活用することです。特に補足給付は申請しなければ受けられませんので、対象となる可能性がある方は必ず確認してください。
また、今後も介護保険制度は3年ごとに見直されます。令和9年度にはまた新たな改正が実施される予定ですので、定期的に最新情報をチェックし、賢く制度を活用していきましょう。わからないことがあれば、お住まいの市区町村の介護保険窓口に気軽に相談してみてください。プロの担当者が、あなたの状況に合わせた最適なアドバイスをしてくれるはずです。
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