介護職への就職や転職を考えているあなた。履歴書の志望動機欄を前に、ペンが止まっていませんか?「ありきたりな内容になってしまう」「他の応募者と差別化できない」「本当にこれで採用されるのか不安」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、採用担当者が履歴書で最も重視しているのが志望動機なのです。同じような経歴や資格を持つ応募者の中から、あなたを選んでもらうためには、心に響く志望動機が不可欠です。この記事では、現役の採用担当者の視点も交えながら、採用される志望動機の書き方を具体的な例文とともに徹底解説します。未経験者から経験者まで、あなたの状況に合わせた実践的なテクニックをお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
介護職の志望動機で採用担当が本当に見ているポイント

介護のイメージ
採用担当者は何百通もの履歴書を見てきています。その中で光る志望動機には、明確な共通点があります。
まず最も重要なのが、なぜ数ある介護施設の中からその施設を選んだのかという具体性です。「介護に興味があります」「人の役に立ちたいです」といった抽象的な内容では、どの施設にも使い回せる印象を与えてしまいます。応募先の施設の理念や特徴を事前にしっかりリサーチし、それがあなたの価値観とどう結びつくのかを明確に示すことが重要です。
次に採用担当者が注目するのは、あなたの過去の経験がどう介護職に活かせるかという点です。介護未経験であっても、接客業での傾聴力、子育てでの忍耐力、チームスポーツでの協調性など、必ず活かせるスキルがあるはずです。単に「頑張ります」ではなく、具体的なエピソードを交えて説得力を持たせましょう。
そして見落とされがちなのが、長く働き続ける意思が感じられるかという視点です。介護業界は人手不足が深刻で、すぐに辞めてしまう人材を採用するリスクを避けたいのが本音です。あなたがその施設で長期的にどんなキャリアを描いているか、成長意欲を示すことで、採用担当者の不安を払拭できます。
状況別・介護職の志望動機例文集
未経験から介護職を目指す場合
未経験の場合、採用担当者が最も気にするのは「本当に介護の仕事を理解しているか」という点です。理想と現実のギャップに苦しんですぐに辞めてしまうケースが多いため、介護職を選んだ明確な理由と覚悟を示す必要があります。
飲食業から転職する場合の例文として、「10年間飲食店のホールスタッフとして勤務する中で、常連のご高齢のお客様との交流が最も心に残る仕事でした。お一人でご来店される方も多く、世間話をするうちに、実は独居で話し相手を求めていることに気づきました。この経験から、高齢者の方々がより豊かな生活を送れるサポートをしたいと強く思うようになりました。貴施設が小規模多機能型で、利用者様お一人おひとりと深く関われる点に魅力を感じ、応募いたしました。飲食業で培った臨機応変な対応力とコミュニケーション能力を活かし、利用者様に寄り添える介護職員として成長していきたいと考えています」という内容であれば、具体的なエピソードがあり、施設の特徴も理解していることが伝わります。
主婦から復職する場合は、家族介護の経験を活かすのが効果的です。「実母の介護を3年間経験し、介護の大変さとやりがいを身をもって学びました。特に認知症の進行に伴い、コミュニケーションの取り方を工夫する中で、小さな変化に気づき対応することの重要性を実感しました。この経験を活かして専門的な知識と技術を身につけたいと考え、介護職を志望しました。貴施設の『利用者様の尊厳を守り、その人らしい生活を支援する』という理念に深く共感し、ぜひ一員として貢献したいと思っています」このように、家族介護の経験は大きな強みになります。
介護経験者が転職する場合
経験者の転職では、前職での具体的な実績となぜその施設を選んだのかを明確にすることが重要です。単なる環境の不満で転職していると思われないよう、キャリアアップや新しいチャレンジを前向きに語りましょう。
特養から有料老人ホームへの転職例として、「特別養護老人ホームで5年間勤務し、重度の要介護者様への身体介護や看取りケアに携わってきました。この経験を通じて、介護技術だけでなく、ご家族への精神的サポートの重要性も学びました。今後はより個別性の高いケアに挑戦したいと考え、貴施設の手厚い人員配置と個別ケアプランに魅力を感じました。特に貴施設が力を入れている看取りケアの質の高さは、私が目指す介護の理想像と合致しています。これまでの経験を活かしながら、さらに質の高い個別ケアのスキルを磨き、利用者様とご家族に選ばれる介護職員を目指したいと思っています」このように、前職での学びと応募先での成長意欲を結びつけることがポイントです。
デイサービスから訪問介護への転職では、「デイサービスで3年間勤務し、レクリエーション企画や送迎業務を通じて、多くの利用者様と関わってきました。その中で、施設では見せない利用者様の自宅での様子や本当のニーズに触れる機会があり、訪問介護でより深く一人ひとりの生活に寄り添いたいと思うようになりました。貴事業所が地域密着型で、利用者様との信頼関係を大切にする姿勢に強く共感しました。デイサービスで培った観察力とコミュニケーション能力を活かし、利用者様が住み慣れた自宅で安心して暮らせるよう全力でサポートしたいと考えています」という内容が効果的です。
ブランクがある場合
ブランクがある方は、正直にその理由を述べた上で、今なぜ復帰したいのかとブランク期間に学んだことを伝えましょう。
子育てによるブランクの例として、「介護福祉士として5年間勤務後、出産・育児のため4年間のブランクがあります。子育てを通じて、相手の立場に立って考える力や、言葉にならないサインを読み取る観察力がさらに磨かれました。子どもが小学生になり、時間的余裕ができた今、改めて介護の仕事に携わりたいという思いが強くなりました。ブランク期間中も介護業界の動向を追い、認知症ケアの新しい手法などを学んできました。貴施設の研修制度が充実している点に魅力を感じ、最新の知識と技術を学びながら、育児で培った共感力を活かして利用者様に寄り添える介護職員として貢献したいと考えています」このように前向きな姿勢を示すことが大切です。
NGな志望動機とその改善例
多くの応募者が陥りがちなNG例を知ることで、あなたの志望動機をさらに磨くことができます。
最もよくあるNGが抽象的すぎる内容です。「人の役に立ちたいと思い、介護職を志望しました」という文章は、なぜ介護なのか、なぜその施設なのかが全く伝わりません。改善例として、「祖父が入所していた施設で、笑顔で寄り添う介護職員の姿を見て感銘を受けました。特に認知症で不安そうだった祖父が、スタッフの方の声かけで安心した表情になる様子を目の当たりにし、私も誰かの心の支えになりたいと強く思いました。貴施設の認知症ケアの専門性と、利用者様の笑顔を第一に考える理念に共感し、ぜひ一員として貢献したいと考えています」のように、具体的なエピソードと施設の特徴を結びつけましょう。
次に避けるべきなのが給与や待遇だけを理由にする内容です。「給与が良かったので」「家から近いので」という理由だけでは、採用担当者に「他にもっと良い条件があればすぐ辞めるのでは」と思われてしまいます。もちろん待遇は重要ですが、それを前面に出すのではなく、「通勤時間が短いことで、利用者様との時間をより大切にできる」「安定した環境で長期的にスキルアップに取り組める」といった前向きな表現に変えることが重要です。
また、ネガティブな退職理由を述べるのも避けましょう。「前の職場は人間関係が悪かった」「残業が多すぎた」という不満を書くと、同じ理由でまた辞めるのではないかと懸念されます。改善例として、「前職では施設全体での介護に携わりましたが、より個別性の高いケアに挑戦したいと考えるようになりました。貴施設の少人数制とユニットケアの方針は、私が理想とする介護の形であり、一人ひとりの利用者様と深く向き合える環境で成長したいと思っています」のように、前向きなキャリアチェンジとして表現しましょう。
採用率を高める履歴書作成の7つの法則
志望動機以外にも、履歴書全体で注意すべきポイントがあります。これらを押さえることで、採用率は大きく上がります。
第一の法則は丁寧な字で書くことです。字の上手い下手ではなく、一文字一文字を丁寧に書いているかどうかが見られています。読みやすさを意識し、楷書で書きましょう。特に名前や連絡先など基本情報は、採用担当者が最初に目にする部分なので、細心の注意を払ってください。
第二の法則は空欄を作らないことです。趣味や特技の欄も、「特になし」と書くのではなく、何か書きましょう。たとえば「散歩」でも構いません。「利用者様との会話のきっかけになる」という視点で選ぶと良いでしょう。
第三の法則は証明写真にこだわることです。清潔感のある服装、自然な笑顔、背筋を伸ばした姿勢を心がけてください。介護職は人と接する仕事なので、第一印象は非常に重要です。できれば写真館で撮影することをおすすめします。
第四の法則は職歴を正確に書くことです。短期間の職歴であっても隠さずに記載しましょう。社会保険の記録で後からわかってしまい、信頼を失うことになります。短期間で退職した理由を面接で聞かれた場合に備え、前向きな説明を準備しておくことが大切です。
第五の法則は資格は正式名称で記載することです。「ヘルパー2級」ではなく「介護職員初任者研修修了」、単に「介護福祉士」ではなく取得年月も正確に記載しましょう。資格欄は専門性をアピールできる重要な部分です。
第六の法則は自己PRで具体的なエピソードを語ることです。「コミュニケーション能力があります」だけでなく、それを証明するエピソードを添えることで説得力が増します。数字を使って表現するとさらに効果的です。
第七の法則は提出前に必ず見直すことです。誤字脱字はもちろん、年号の統一(西暦か和暦か)、住所の省略がないか、日付は提出日になっているかなど、細かくチェックしましょう。可能であれば、第三者に見てもらうことをおすすめします。
よくある質問
志望動機はどのくらいの長さが適切ですか?
履歴書の志望動機欄は、8割以上を埋めることを目標にしましょう。文字数で言えば200~300文字程度が理想です。短すぎると熱意が伝わりませんし、長すぎても要点がぼやけてしまいます。最も伝えたいポイントを3つに絞り、それぞれを具体的に説明する構成がおすすめです。読みやすさを考慮し、適度に改行を入れることも忘れずに。
複数の施設に応募する場合、志望動機は使い回しても良いですか?
絶対に使い回しは避けてください。採用担当者は多くの履歴書を見ているため、テンプレート的な内容はすぐに見抜かれます。各施設のホームページや求人情報をしっかり読み込み、その施設ならではの特徴や理念に触れることが重要です。手間はかかりますが、本気度を示すためにも一つひとつの施設に合わせた志望動機を作成しましょう。
介護福祉士の資格がない場合、志望動機にどう書けば良いですか?
資格がないことをネガティブに捉える必要はありません。働きながら資格取得を目指す意欲を示すことで、むしろプラスに働きます。「貴施設の資格取得支援制度を活用し、働きながら介護福祉士の資格取得を目指したいと考えています。入職後は積極的に研修に参加し、実務経験を積みながら専門知識を深めていきたいです」というように、成長意欲をアピールしましょう。
転職回数が多い場合、志望動機で何を強調すべきですか?
転職回数の多さは不利に見られがちですが、多様な経験から得たスキルをポジティブにアピールすることが重要です。「様々な業種を経験する中で、人と直接関わる仕事にやりがいを感じ、介護職こそが自分の天職だと確信しました」という流れで、今回の応募が深く考えた上での決断であることを示しましょう。そして「貴施設で長期的にキャリアを積みたい」という定着意欲を明確に伝えることが大切です。
今の職場に不満がある場合はどうしたらいい?
「今の待遇で満足できない」「自分をもっと評価してほしい」そう感じているあなたへ。
あなたの豊富な経験と資格は、まじめに勉強して得た努力の結晶です。
しかし、職場によってはあなたの考えが否定されたり、人間関係によって働きづらくなってしまいあなた自身が損をしてしまいます。
もし、あなたがそんな悩みを少しでも抱えているのであれば「転職」は1つの選択として、頭のどこかに入れておくことが大切です。
なぜなら、転職を1つの選択肢として、考えて動いていないと本当に自分が辛い立場や気持ちに追い込まれたときに柔軟に考えることもできなくなってしまうからです。
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まとめ
介護職の履歴書における志望動機は、あなたの人柄や熱意を伝える最も重要な項目です。採用担当者は、なぜその施設を選んだのか、過去の経験がどう活かせるのか、そして長く働く意思があるのかを見ています。
この記事でご紹介した例文を参考にしながら、あなた自身の言葉で、あなたにしか書けない志望動機を作成してください。使い回しではなく、一つひとつの施設に真摯に向き合うことが、採用への最短距離です。丁寧な字で、具体的なエピソードを交え、前向きな姿勢を示すことで、必ずあなたの想いは伝わります。
履歴書の作成は確かに時間がかかりますが、それはあなたのキャリアの第一歩です。この記事でご紹介した7つの法則を実践し、自信を持って応募してください。あなたの介護職としての新しいスタートを心から応援しています。
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