「志望動機、何を書けばいいのか全然わからない…」そんな悩みを抱えていませんか。実は、介護施設の採用担当者が最も重視するのが志望動機なんです。資格や経験がなくても、志望動機の書き方次第で採用率は大きく変わります。
実際に、ある介護施設の採用担当者に聞いたところ、「応募者の8割は志望動機が弱く、どこの施設にも使い回せる内容」だと言います。つまり、しっかりとした志望動機を書けば、それだけで上位2割に入れるということです。
この記事では、現役の採用担当者や介護施設の人事責任者への取材をもとに、本当に採用される志望動機の書き方を徹底解説します。未経験でも、ブランクがあっても、この5つの黄金ルールを実践すれば、あなたの志望動機は見違えるほど魅力的になります。
なぜ介護職の志望動機がこれほど重視されるのか

介護のイメージ
介護業界は人手不足と言われていますが、だからといって誰でも採用されるわけではありません。むしろ、長く働いてくれる人材を見極めるために、志望動機を慎重にチェックしています。
採用担当者が志望動機から読み取りたいのは、次の3つです。まず、本気で介護の仕事をしたいと思っているかという熱意です。単に「人手不足だから採用されやすい」という安易な考えで応募していないか、見抜こうとしています。次に、この施設で働く明確な理由があるかという志望の本気度です。どの施設でも使える志望動機では、すぐに辞めてしまうのではないかと懸念されます。そして最後に、介護職としての適性や価値観です。利用者さんとどう向き合いたいのか、介護をどう捉えているのか、その人の人間性が表れます。
実は、介護施設の離職率は決して低くありません。厚生労働省のデータによると、介護職員の1年以内の離職率は約15パーセント程度と言われています。採用や教育にかかるコストを考えると、施設側は「長く働いてくれる人」を採用したいと強く願っています。だからこそ、志望動機であなたの本気度と定着可能性を見極めようとするのです。
介護職履歴書の志望動機を書く前に必ずやるべき3つの準備
いきなり志望動機を書き始めるのは失敗のもとです。採用される志望動機を書くには、まず準備が必要です。
応募先の施設を徹底的にリサーチする
志望動機で最も差がつくのが、施設への理解度です。ホームページを見るだけでなく、できれば施設見学に行きましょう。見学時には、スタッフの雰囲気、利用者さんとの関わり方、施設の清潔感などを観察します。また、その施設独自の取り組みや理念をチェックしてください。
たとえば、「リハビリに力を入れている」「看取りケアを重視している」「レクリエーションが充実している」など、施設ごとに特色があります。これらを志望動機に盛り込むことで、「この施設のことをちゃんと調べている」という印象を与えられます。
自分の介護観を明確にする
あなたはどんな介護をしたいですか。この問いに対する答えが、あなただけの志望動機の核になります。「利用者さんの笑顔を大切にしたい」「その人らしい生活を支えたい」「専門的なスキルを身につけたい」など、自分の価値観を言語化しましょう。
ここで重要なのは、なぜそう思うのかまで掘り下げることです。たとえば、家族の介護経験、ボランティア活動、前職での気づきなど、具体的なエピソードと結びつけることで説得力が生まれます。
自分の強みを整理する
未経験でも、あなたには必ず介護に活かせる強みがあります。コミュニケーション力、忍耐力、観察力、体力、前職で培ったスキルなど、自分の経験を振り返ってみましょう。特に、接客業や営業職の経験は対人スキルとして高く評価されます。子育て経験も、相手の立場に立つ力として十分なアピールポイントになります。
採用される志望動機の5つの黄金ルール
ここからが本題です。採用担当者が「この人と一緒に働きたい」と思う志望動機には、共通する5つの要素があります。
ルール1「なぜ介護職なのか」を具体的なエピソードで語る
抽象的な理由ではなく、あなたの人生経験に基づいた具体的なストーリーを語りましょう。「人の役に立ちたい」だけでは弱すぎます。なぜそう思うようになったのか、いつ、どこで、誰との出会いがあったのかを描写してください。
たとえば、「祖母が認知症になり、訪問介護のヘルパーさんが笑顔で接する姿を見て、私もこんな風に誰かを支えたいと強く思いました」という具合です。感情の動きが伝わるエピソードが、あなたの本気度を証明します。
ルール2「なぜこの施設なのか」を3つ以上の理由で説明する
ここが最も差別化できるポイントです。施設の特徴と自分の介護観を結びつけて、「この施設だからこそ働きたい」という必然性を示しましょう。
効果的なアプローチは、施設の理念、ケアの方針、教育体制、職場環境など、複数の角度から理由を挙げることです。たとえば、「貴施設の『利用者さんの尊厳を最優先する』という理念に深く共感しました。また、プリセプター制度による丁寧な教育体制があり、未経験の私でも安心して成長できると感じています。さらに、施設見学の際にスタッフの皆さんが利用者さんと笑顔で会話されている様子を拝見し、温かい雰囲気に惹かれました」というように、複数の魅力を具体的に述べることで説得力が増します。
ルール3「入職後のビジョン」を短期・長期で描く
採用担当者は、あなたが施設で成長し、長く貢献してくれるイメージを持ちたいと考えています。そのため、入職後の目標を具体的に示しましょう。
短期目標としては、「まずは3ヶ月で基本的な介護技術を習得し、利用者さんの名前と顔を覚えて信頼関係を築きたい」など、現実的で具体的な目標を設定します。長期目標では、「1年以内に介護職員初任者研修を取得し、3年後には介護福祉士の資格を取得して、チームリーダーとして後輩の指導にも携わりたい」というように、キャリアパスを明確に示すことが重要です。
ルール4前職の経験を介護に活かす視点を示す
未経験者にとって大きな武器になるのが、異業種での経験を介護にどう活かすかという視点です。単に「コミュニケーション力があります」ではなく、具体的にどう活かすかを説明しましょう。
接客業なら「お客様一人ひとりのニーズを察知する観察力を、利用者さんの小さな変化に気づくケアに活かします」、営業職なら「相手の立場に立った提案力を、利用者さんやご家族への丁寧な説明に活かします」、事務職なら「正確な記録や報告書作成のスキルを、介護記録の正確性向上に貢献します」というように、職種と介護を具体的に結びつけることがポイントです。
ルール5謙虚さと学ぶ姿勢を忘れない
自信を持つことは大切ですが、過度な自信は逆効果です。介護は専門職であり、学ぶべきことが山ほどあります。「先輩方から多くを学ばせていただきながら」「ご指導をいただきながら成長したい」という謙虚な姿勢を示しましょう。
同時に、主体的に学ぶ意欲も伝えます。「業務時間外でも介護の勉強を続けます」「研修には積極的に参加します」など、自己研鑽の姿勢をアピールすることで、成長意欲の高さを示せます。
状況別・志望動機の具体例とポイント解説
ここでは、さまざまな状況に応じた志望動機の例文を紹介します。あなたの状況に近いものを参考に、自分らしい言葉で書き換えてください。
家族介護の経験を活かしたい場合
義母の介護を3年間経験する中で、プロの介護職の方々の技術と心配りに深く感銘を受けました。当初は何もわからず戸惑うばかりでしたが、ヘルパーさんが義母の好きな話題を見つけて会話を弾ませる姿や、負担の少ない介助方法を教えてくださった経験から、介護は単なる身体的サポートではなく、その人らしさを支える専門的な仕事だと実感しました。貴施設は未経験者への教育プログラムが充実しており、私のような経験を持つ者が改めて基礎から学べる環境だと感じています。家族介護では気づけなかった視点を学び、より多くの方の生活を支えたいと考え、応募いたしました。
接客業からのキャリアチェンジの場合
飲食店で8年間接客業に従事する中で、お客様に喜んでいただける瞬間にやりがいを感じてきました。しかし、もっと深く人と関わり、長期的に誰かの人生を支える仕事がしたいという思いが強くなり、介護職を志望しました。貴施設を選んだ理由は、利用者さん一人ひとりに寄り添うケアを実践されている点です。見学の際、スタッフの方が利用者さんの趣味や好みを把握し、個別のレクリエーションを提供されている様子を拝見し、これこそ私が目指す介護だと感じました。接客で培った傾聴力とホスピタリティを活かし、利用者さんの小さなニーズにも気づけるケアを提供したいです。
資格取得を目指している場合
介護は専門性を高めながら長く働ける職業だと考え、将来を見据えてこの道を選びました。現在、独学で介護の基礎知識を学んでおり、半年以内に介護職員初任者研修の資格取得を計画しています。貴施設は資格取得支援制度が充実しており、働きながらスキルアップできる環境が整っていることに魅力を感じました。実際に、貴施設のホームページで、未経験から入職後3年で介護福祉士を取得されたスタッフの方の事例を拝見し、私もそのようなキャリアパスを実現したいと強く思いました。5年以内に介護福祉士の資格を取得し、将来的にはケアマネジャーとして、より幅広い視点から利用者さんを支えられる人材になりたいです。
子育て経験を活かしたい場合
子育てを通じて、相手の立場に立つこと、小さな変化に気づくこと、そして何より忍耐強く寄り添うことの大切さを学びました。子どもが小学校に入学し時間ができたとき、この経験を社会で活かしたいと考え、介護職を選びました。貴施設は育児と両立しながら働くスタッフが多く在籍しており、シフト調整など働きやすい環境が整っていると伺いました。また、アットホームな雰囲気を大切にされている点も、私の価値観と合致しています。子どもに接するように、利用者さん一人ひとりの個性を尊重し、安心感を与えられるケアを提供したいです。
これだけは避けたい!志望動機のNGパターン5選
良い志望動機を書く前に、まずは避けるべきパターンを知っておきましょう。以下のような志望動機は、採用担当者にマイナスの印象を与えてしまいます。
まず、「どこでも使える抽象的な内容」は最も多い失敗例です。「人の役に立ちたい」「やりがいのある仕事がしたい」だけでは、なぜ介護なのか、なぜこの施設なのかが全く伝わりません。次に、「待遇面だけを強調する内容」も避けましょう。「福利厚生が充実している」「家から近い」という理由だけでは、条件が変わればすぐ辞めるのではと懸念されます。
また、「ネガティブな転職理由を前面に出す」のも危険です。「前職が嫌だった」「人間関係が悪かった」という表現は、たとえ事実でも避けるべきです。採用担当者は「この人も同じ理由でうちを辞めるのでは」と心配します。さらに、「具体性のない自己PR」も効果がありません。「コミュニケーション力があります」「体力には自信があります」だけでは、それをどう介護に活かすのかが見えません。
最後に、「施設のことを調べていないことが明らか」な内容も致命的です。施設の特徴や理念に全く触れない志望動機は、使い回しだと一目でわかってしまいます。
志望動機をさらに磨く3つのチェックポイント
志望動機を書き終えたら、提出前に必ず以下の3つをチェックしましょう。
まず、声に出して読んでみることです。実際に声に出すと、不自然な表現や読みにくい箇所がすぐにわかります。また、文章のリズムも確認できます。次に、第三者に読んでもらうことも効果的です。家族や友人に読んでもらい、「なぜ介護なのか」「なぜこの施設なのか」が伝わるか確認してもらいましょう。
そして最後に、一晩寝かせてから見直すこともおすすめです。書いた直後は客観的に見られませんが、時間を置くことで冷静に評価できます。誤字脱字のチェックも忘れずに行いましょう。
介護職履歴書の志望動機に関する疑問解決
志望動機の適切な文字数はどれくらいですか
履歴書の志望動機欄のサイズにもよりますが、一般的には200文字から400文字程度が適切です。短すぎると熱意が伝わらず、長すぎると要点がぼやけてしまいます。書きたいことが多い場合は、最も重要な3つのポイントに絞りましょう。面接で詳しく聞かれることを想定し、志望動機をさらに深掘りした内容を準備しておくことも大切です。
複数の施設に応募する場合、志望動機は使い回していいですか
絶対に避けてください。採用担当者は使い回しをすぐに見抜きます。各施設の特徴をしっかり調べ、その施設ならではの魅力を志望動機に盛り込む必要があります。基本的な構成は同じでも、「なぜこの施設なのか」という部分は必ず個別に作成しましょう。手間はかかりますが、それだけ本気度が伝わり、採用率が高まります。
未経験で資格もない場合、何をアピールすればいいですか
未経験でも、あなたの人間性と学ぶ意欲は十分なアピールポイントです。前職で培ったスキル、人生経験、介護に対する真摯な姿勢を伝えましょう。また、資格取得に向けた具体的な計画を示すことで、成長意欲をアピールできます。「現在、介護職員初任者研修の受講を予定しており、○月には資格取得の見込みです」という具体的な情報は、採用担当者に好印象を与えます。
面接で志望動機について深掘りされたときの対策は
志望動機は面接で必ず深掘りされます。そのため、志望動機に書いた内容は全て説明できるよう準備しておきましょう。特に、「なぜ介護職を選んだのか」「他の施設ではなくなぜうちなのか」「入職後どう働きたいか」については、より詳しく語れるようにしておくことが重要です。また、施設のホームページや理念を暗記するくらい読み込んでおくと、自信を持って答えられます。
今の職場に不満がある場合はどうしたらいい?
「今の待遇で満足できない」「自分をもっと評価してほしい」そう感じているあなたへ。
あなたの豊富な経験と資格は、まじめに勉強して得た努力の結晶です。
しかし、職場によってはあなたの考えが否定されたり、人間関係によって働きづらくなってしまいあなた自身が損をしてしまいます。
もし、あなたがそんな悩みを少しでも抱えているのであれば「転職」は1つの選択として、頭のどこかに入れておくことが大切です。
なぜなら、転職を1つの選択肢として、考えて動いていないと本当に自分が辛い立場や気持ちに追い込まれたときに柔軟に考えることもできなくなってしまうからです。
介護ジャストジョブは、介護業界の専門家集団として、あなたの希望を丁寧にヒアリングし、待遇も働きやすさも納得できる正社員求人だけを厳選して紹介してくれます。
あなたの価値を正しく評価し、キャリアを次のステージへ押し上げる職場が見つかるサポートをしてくれている会社です。
正社員としての転職をご希望の方は今すぐご登録ください。あなたの「今」と「未来」に寄り添う転職サポートを無料で体験しませんか?
▼無料登録はこちら▼
無料登録はこちら
まとめあなたらしい志望動機で理想の職場を手に入れよう
介護職の志望動機は、あなたの人生経験と介護への想いを伝える大切な機会です。この記事で紹介した5つの黄金ルールを実践すれば、採用担当者の心に響く志望動機が必ず書けます。
重要なのは、テンプレートをそのまま使うのではなく、あなた自身の言葉で、あなたの物語を語ることです。なぜ介護なのか、なぜこの施設なのか、どんな介護職員になりたいのか。その答えは、あなたの中にすでにあります。
今日から、応募したい施設のリサーチを始め、自分の経験を振り返り、志望動機を書き始めましょう。丁寧に作り込んだ志望動機は、あなたを理想の職場へと導いてくれるはずです。介護の世界で、あなたらしく輝けることを心から応援しています。
コメント