耳が遠い?高齢者の難聴を改善する為の4つのポイント

難聴 聞こえていない様子 在宅介護に役立つ情報
在宅介護に役立つ情報

高齢者の方と一緒に生活していると話しているのに話題がずれていたりすることありませんか。もしかしたら、聞こえていないのかもしれませんよ。話が聞こえていないだけだったらいいのですが、聞こえないがために交通事故にあってしまったり、家の中で転倒してしまったりするリスクが高くなります。そこで、高齢者特有の難聴について、どうやって対策していけばいいのか。難聴の原因を理解し、改善させるための4つのポイントについて把握して、在宅介護や高齢者の難聴に対して役立てていきましょー!

高齢者特有の難聴とは?

高齢者特有の難聴は加齢とともに音が聞こえにくくなる「老人性難聴」とも呼ばれています。程度の差こそあれ、40代から少しづつ症状が現れ始め、60代以上になれば約半数の人に症状が現れます。難聴を聴こえないまま放置しておくと、家族や友人・地域とのコミュニケーションの妨げになるだけでなく、認知症の原因にもなることがイギリスの週刊医学誌「The Lancet(ランセット)」でも発表されています。その中では、45歳~65歳に聴力低下があった場合、約2倍も認知症になるリスクが高くなることが分かっています。高齢者の難聴は、少しずつ進行するため、初期のうちに本人が気づくことが少なく、いつも通り会話をしていてコミュニケーションが取りにくい、テレビやラジオの音が不自然に大きいといったことに、まず家族や周囲の人が気づくことが多いが特徴的ですね。もし、下の5つの項目を見て1つでもチェックが入るようなら、難聴の可能性が高いので耳鼻科に行って検査された方がいいでしょう。

  • □ 家族や友人からテレビの音が大きいと言われる。
  • □ 「えっ?」「もう一回言って」など聞き返すことが多くなった。
  • □ 窓口で声を掛けられても聞き取れない。
  • □ 騒音があると人の会話が聞こえない。
  • □ 体温計や電子音や高音が聞こえない。



高齢者難聴の原因とリスク

高齢者難聴の原因

聞こえない 高齢者
高齢者の難聴の原因の多くは、加齢とともに音を聞き取る内耳の感覚細胞や神経の細胞が減ってしまうことにあります。ですので、急に聞こえなくなるわけではなく、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病や日々のストレスがあると、細胞が劣化しやすくなることが大きな原因になります。
難聴には「伝音難聴」「感音難聴」「混合性難聴」という3つの種類があり、それぞれ原因が違います。

伝音難聴

伝音難聴は、外耳または中耳に何らかの問題があるために、音が聞こえにくくなります。 耳に何らかの音を遮る問題が生じ、それによって生じる鼓膜穿孔、外耳炎音が原因です。

感音難聴

感音難聴は内耳、または内耳と脳の間の神経経路に関わる問題です。通常は、蝸牛(かぎゅう)内にある音を伝えるための内耳の微細な毛が損傷することで起こります。加齢、ある特定の遺伝的障害、ウィルス感染などの感染症、うるさい場所への長期滞在が原因です。

混合性難聴

混合性難聴は伝音系・感音系の両方が原因で生じる障害となります。

高齢者難聴のリスク

怪我をしている高齢者
難聴は、事故を引き起こしますリスクが付きまといます。米国における近年の研究報告によると、難聴の人は、自分の全体的な環境をうまく認識できないため、つまずいたり転倒したりする可能性が高まるともいわれています。軽度の難聴を抱える人は、難聴のない人と比べ転倒した経験が3倍近くあったという報告もあり、コミュニケーション以外にも重大な怪我に繋がるリスクもあります。

高齢者難聴の4つの対策(ポイント)

コミュニケーション対策

難聴高齢者の中には、相手の話していることが正確に聞き取れず、「何度も聞き返すのは相手に悪い」と考えてそのまま黙ってしまったり、分かったふりをしてしまったりすることもあります。そのようなコミュニケーション障害を繰り返した末、無口になってしまうとか、引っ込み思案になってしまうなど、性格にも影響を及ぼすことも珍しくありません。
まずは、できるところから以下の5つに気を付けてコミュニケーションを取ってみましょう。

1.難聴の方の注意を引いてから話し始める
2.顔と目を見ながら難聴者に向かって話す
3.ゆっくり話す
4.普通より少し大きめの声と大きめの口で話す
5.近づいて話す

転倒対策

事前に家のリフォーム(リノベーション)を行っておくと難聴の方も安心して生活ができます。介護保険で家をリフォームする方法もありますので詳しくはこちらをご覧ください☛在宅高齢者の家をお得にリフォーム!介護保険を使ってみよう!

補聴器で対策

難聴を、薬や手術などで治療する方法は現在のところ、見つかっていません。今できる最良の策は、難聴の状態で過ごすよりも、音をはっきりと聞き取れるように、自分にあった医療器具の力を借りることです。難聴が発症したら、早めに補聴器を使い始めてトレーニングをして慣れておくと今後のためにもよいでしょう。近年では補聴器も小型化・高性能化が進み、いろいろな形状があります。使い始める際には、自分に合った使いやすい補聴器をじっくり選択して決めるようにしてください。補聴器も種類が多いですので、補聴器選びで悩んだらこちらクリックして参考にしてください。☛高齢者の補聴器の選び方は?価格と機能と人気(楽天・Amazon)を比較!


自分でできる対策

高齢者の難聴の原因は老化現象の一つであるため、根本的な治療法は存在しません。ですが、生活習慣等を見直すことで予防や進行を遅らせることはできます。また、下の2つの点を行うことで簡易的ですが、自分で対策もできます。(根本的な改善は、医師や専門員に相談しましょう。)

1.耳の血行を良くするマッサージをして、神経の伝達を促進できます。耳の血行を良くするには、適度な運動、バランスのとれた食事が大切です。特にビタミンを豊富に含む食材をお勧めします。
2.ストレスや大きい音はできるだけ避けるようにしましょう。過度なストレスや騒音は難聴の原因になることが多くあります。



まとめ

高齢者の難聴は、老化からくるものが多く対策できない、どうしようもないものだと思いますよね。でも、早くから対策を行うことで大幅に軽減することも、不可能ではありません。難聴になってしまうと、人とのコミュニケーションがうまくいかないから人と話したくないと思って塞ぎ込んできませんか?塞ぎ込んでいても何も解決にもなりません。
難聴になってしまっても医師の方や専門員に相談・機器を利用することで、今より改善するケースがあります。人生100年時代の現代社会において、健康であることが生活を豊かに楽しくすることになりますので、少しでも早く身体の状況を知ることが大切です。在宅で介護されている方にとっても本人が、少しでも元気で健康になってくれれば、自分自身の負担も軽減できます。より良い生活を営む為に、まずはできるところから初めてください。
(介護ヒーロー!在宅ケアマンより)


コメント

  1. […] 試しをできる補聴器もありますので、購入する際には、実際の使い心地や使い勝手を試してから購入することをおすすめします。☛耳が遠い?高齢者の難聴を改善する為の4つのポイント […]

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