要介護4の状態で在宅介護を考えている方、またそのご家族の皆様へ。介護費用はどのくらいかかるのでしょうか? また、その費用をどうやって抑えることができるのでしょうか? この記事では、要介護4の在宅介護にかかる費用とその節約術について詳しく解説します。
要介護4とは
要介護4とは、食事や排泄、入浴などにおいて全面的な介助が必要な状態です。寝たきりや認知症等のため、昼夜を問わない常時介護が必要です1。
要介護4の方は、以下のような心身状態にあります。
- 思考力や理解力の低下、認知症の周辺症状(徘徊・妄想・誤食・不潔行為)なども目立つ。
- 身体機能の減退により、立ち上がりや歩行、座った姿勢の維持なども困難。
- トイレや入浴、着替えなどの日常生活のほとんどに介助を必要とする。
- 認知症が著しく進行している場合。
- 糖尿病やパーキンソン病などの特定疾患で身体状態が悪化している場合。
要介護4の方は、一人暮らしは非常に難しく、施設入居を検討することを強くおすすめします。
介護に従事している身としては、要介護4の方を在宅介護で見るのは、かなり難しいです。
要介護4の在宅介護費用の概要
要介護4の状態で在宅介護を行う場合の費用について理解を深めていきましょう。
要介護4の方が在宅で利用する介護保険サービスは、利用の上限額が決まっています。この上限額を支給限度額といい、上限額は単位数で表します(1単位=10円程度)。
要介護4の上限は30,938単位で、実際に利用できる 上限額は30,938円 (自己負担1割の場合)です。
在宅介護費用には、以下のような項目があります
項目 | 説明 | 例 |
---|---|---|
介護保険サービス費 | 介護保険サービスを利用した場合にかかる費用。自己負担割合は所得に応じて1割から3割まで変動する。 | 訪問介護や通所介護など |
月額サービス利用料・超過分 | 支給限度額を超えた場合にかかる費用。自己負担割合は全額。 | 支給限度額を超えた分 |
福祉用具レンタル | 福祉用具をレンタルした場合にかかる費用。自己負担割合は1割(9割給付)。 | 車椅子やベッドなど |
食費 | 食事を提供するサービスを利用した場合にかかる費用。自己負担割合は全額。 | 宅配弁当や食材宅配など |
光熱費 | 電気やガス、水道などの費用。自己負担割合は全額。 | 水道・電気・ガス代 |
その他生活費 | 介護サービス以外でかかる費用。自己負担割合は全額。 | 家賃や管理費、娯楽など |
在宅介護の場合、介護保険サービス費や福祉用具のレンタル代などの一定の費用がかかります。また、要介護度が重くなるほど費用が高くなる傾向にあります。
要介護4の場合、在宅介護にかかる1ヵ月あたりの費用は平均で5.9万円です。
在宅介護で介護サービスを使う場合の金額一覧表
要介護4の方が在宅で利用する介護保険サービスとその費用の一覧表を作成しました。あくまで一例として参考程度にしてください。
サービス名 | 内容 | 単価 | 利用回数 | 費用 |
---|---|---|---|---|
訪問介護 (日常生活援助) |
食事や排泄、入浴などの身の回りの世話を行うサービス。 | 1,000円 | 30回 | 30,000円 |
訪問入浴介護 | 入浴車で自宅に訪問し、入浴を行うサービス。 | 2,000円 | 4回 | 8,000円 |
通所介護 (日中一般) |
デイサービスセンターで食事や入浴、レクリエーションなどを行うサービス。送迎も含まれる。 | 500円 | 10回 | 5,000円 |
合計単位数 | 30,938円 | |||
合計単位数 | 43,000円 |
上記の表はあくまで一例ですが、要介護4の方が在宅で利用する場合、 自己負担額は約4.3万円 (1割負担の場合)となります。
このほかにも、福祉用具レンタルや食事代、光熱費などがかかりますので、それらも考慮してください。
また、要介護4の方は以下のような給付金制度を受けられる場合があります。
- おむつ代助成制度
- 障害者控除
他にも、助成金や補助金はあるので、詳しいことが知りたい方はそちらをご覧ください。
在宅介護費用の平均と一覧表
費用項目 | 平均金額(月額) | 備考 |
---|---|---|
介護保険サービス費 | 30,938円 | 要介護4の 利用限度額(1割負担) |
福祉用具費 | 10,000円 | レンタル料金 (1割負担) |
住宅改修費 | 0円 | 一時的な出費であり 月額化してません |
食費 | 51,000円 | 配食サービスや 介護食も含む |
光熱費 | 10,000円 | 水道・電気・ガス代 |
その他生活費 | 30,000円 | おむつや医療費など |
合計 | 131,938円 |
この表はあくまで一例であり、実際にかかる金額は個人差があります。また、この表では住宅費は含めていませんが、賃貸住宅に住んでいる場合は家賃も考慮する必要があります。
要介護4の区分支給限度額
要介護4の区分支給限度額は、負担割合が1割の場合は30,938円、3割の場合は92,814円が自己負担額となります。
在宅介護と施設介護の費用比較
在宅介護と施設介護の費用には大きな差があります。具体的な金額については後述しますが、一般的には在宅介護の方が費用を抑えることが可能です。
平均的な介護費用
要介護4〜5、認知症重度の方の場合、介護費用は1ヵ月あたり平均13万円となります。
在宅介護と施設介護の費用比較
在宅介護と施設介護、それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
在宅介護の費用
在宅介護の費用は、介護サービスの利用状況や自己負担額によりますが、要介護4の場合、自己負担額は30,938円となります。
施設介護の費用
施設介護の費用は、施設の種類や地域によりますが、一般的には在宅介護よりも高額になります。
費用の差
在宅介護と施設介護の費用には大きな差があります。具体的な金額は施設やサービスによりますが、一般的には在宅介護の方が費用を抑えることができます。
在宅介護費用の節約術
節約術を知ることで、在宅介護の費用を抑えることが可能です。
補助金・助成金の活用
各地方自治体では、介護費用を補助するための制度が設けられています。これらの制度を活用することで、自己負担額を減らすことが可能です。
別の記事で、在宅介護の費用面に対して補助が受けられるお金の話をしています。詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
サービスの選択
必要なサービスだけを選択し、無駄なサービスを排除することで、費用を抑えることができます。
自己負担額の計算
自己負担額は所得に応じて変動します。自己負担額を正確に計算し、予算管理を行うことが重要です。
【Q&A】よくある質問
「在宅介護 費用 要介護4」で検索しているユーザーが疑問に思っている内容について少しお話をしていきたいと思います。
要介護4の在宅介護費用はどのくらい?
要介護4の在宅介護費用は、自己負担額が1割の場合、月額30,938円となります。
在宅介護と施設介護の費用はどのくらい違うの?
在宅介護と施設介護の費用は大きく異なります。一般的には在宅介護の方が費用を抑えることができます。
4-3.在宅介護の費用を抑える方法は?
在宅介護の費用を抑える方法としては、補助金・助成金の活用、必要なサービスだけを選択する、自己負担額の計算と予算管理を行う、
などがあります。
5.【まとめ】要介護4の在宅介護費用と節約術
要介護4の在宅介護を考えている方やそのご家族の皆様にとって、介護費用は大きな負担となります。しかし、補助金・助成金の活用やサービスの選択、自己負担額の計算と予算管理を行うことで、費用を抑えることが可能です。介護は長期にわたるものですから、費用の管理はとても重要です。この記事が皆様の参考になれば幸いです。
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