【徹底解説】男性の在宅介護について知っておくべきこと!

【徹底解説】男性の在宅介護について知っておくべきこと! 在宅介護に役立つ情報
在宅介護に役立つ情報

在宅介護について考える時、性別による違いを意識することは少ないかもしれません。

しかし、男性(祖父や父や夫)の在宅介護には特有の課題や注意点が存在します。今回は、男性の在宅介護に焦点を当て、その実態と対策について詳しく解説します。

男性の在宅介護の現状

ちょっとお勉強チックになってしまってイヤなのですが、大切な話なので堅苦しい話からしていきますね。

介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(以下「要介護者等」という。)は、平成30年度末で645.3万人となっており、平成21年度末(469.6万人)から175.6万人増加しています。

要介護者等は、第1号被保険者の18.3%を占めています。

要介護者等について、介護が必要になった主な原因について見ると、「認知症」が18.1%と最も多く、次いで、「脳血管疾患(脳卒中)」15.0%、「高齢による衰弱」13.3%、「骨折・転倒」13.0%となっています。

また、内閣府のデータをもとに、男女別に見ると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」が24.5%、女性は「認知症」が19.9%と特に多くなっています。

男女別に見ると、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」が24.5%、女性は「認知症」が19.9%と特に多くなっている
引用元:内閣府「第1章 高齢化の状況(第2節 2)

 

男性の在宅介護者の割合

要介護者等からみた主な介護者の続柄を見ると、5割強が同居している人が主な介護者となっています。その主な内訳を見ると、配偶者が23.8%、子が20.7%、子の配偶者が7.5%となっています。

また、性別については、男性が35.0%、女性が65.0%と女性が多くなっています。要介護者等と同居している主な介護者の年齢について見ると、男性では72.4%、女性では73.8%が60歳以上であり、いわゆる「老老介護」のケースも相当数存在していることがわかります。
 

介護が必要となった主な原因

前述したように、「認知症」や「脳血管疾患(脳卒中)」、「高齢による衰弱」、「骨折・転倒」などが主な原因として挙げられます。特に男性では、「脳血管疾患(脳卒中)」が最も多く、女性よりも約10ポイント高い割合となっています。
 

男性特有の介護の原因

厚生労働省の調査では、「前立腺肥大」「前立腺癌」「尿道結石」「尿道狭窄」「尿失禁」「勃起不全」「射精障害」「精巣癌」「陰茎癌」「包茎・短小包茎」「陰茎湾曲症」「精索静脈瘤」「睾丸扭転」「睾丸下垂・上昇」「精索水腫」「精巣炎」「陰嚢水腫」「陰嚢膿瘍」「陰嚢腫瘍」などが男性特有の泌尿器系の疾患として挙げられています。

これらの疾患は、排尿障害や性機能障害などを引き起こし、介護が必要になる場合があります。

また、男性は女性に比べて、心筋梗塞や肺癌などの生活習慣病やがんによる死亡率が高いことも、介護の原因となりうる要因として考えられます。

家族との介護

要介護者等のいる世帯の主な介護者は「配偶者」が35.3%で最も多く、次いで「子」が28.9%となっています。

世帯構造別に主な介護者をみると、「単独世帯」では「事業者」が50.2%と最も高く、「核家族世帯」では「配偶者」が59.6%、「三世代世帯」では「子」が49.7%となっています。

 

要介護者のいる世帯の構造

要介護者等のいる世帯を世帯構造別にみると、「核家族世帯」が40.3%で最も多く、次いで「単独世帯」が28.3%、「その他の世帯」が18.6%となっています。

年次推移をみると、「核家族世帯」の割合は上昇傾向であり、「三世代世帯」の割合が低下しています
 

同居している主な介護者の続柄

同居している主な介護者は、「配偶者」が59.4%で最も多く、次いで「子」が25.0%となっています。

世帯構造別にみると、「核家族世帯」では「配偶者」が88.8%、「三世代世帯」では「子」が66.4%となっています。

これだけ見ると、配偶者か子ども介護するという未来にはあまり変化はないですね。

 

女性が占める介護者の割合

要介護者等のいる世帯の主な介護者は、女性が64.5%を占めています。同居している主な介護者は、女性が58.7%を占めています

この女性は、嫁や娘なども含まれるため、日本では女性の方が男性よりも介護をしている人が多いということですね。

介護時間とその負担

同居している主な介護者が1日のうち介護に要している時間を見ると、「必要な時に手をかす程度」が約4割、「ほとんど終日」約2割となっています。要介護度別に見ると、要支援者、要介護1及び要介護2では「必要な時に手をかす程度」が最も多くなっているが、要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなっており、要介護5では約半数がほとんど終日介護していることが分かります。

 

1日の介護時間の割合

在宅の要介護者等のいる世帯の主な介護者は、「ほとんど終日」が28.0%で最も多く、次いで「2~3時間程度」が23.7%となっています。

世帯構造別にみると、「単独世帯」では「必要なときに手をかす程度」が40.9%、「核家族世帯」では「ほとんど終日」が36.8%、「三世代世帯」では「2~3時間程度」が32.4%となっています。

 

要介護度別の介護時間

要介護度別にみた同居している主な介護者の介護時間の構成割合は、要介護度が高くなるにつれて「ほとんど終日」の割合が高くなり、「要支援1」では9.8%、「要支援2」では14.6%、「要介護1」では20.0%、「要介護2」では28.6%、「要介護3」では38.5%、「要介護4」では54.5%、「要介護5」では56.7%となっています。

 

高度な要介護における介護時間

高度な要介護(要介護4・5)における同居している主な介護者の1日あたりの平均介護時間は、約9時間です。

【Q&A】よくある質問

男性の在宅介護について知っておくべきことを知りたい方が、疑問に思っている内容について少しお話をしていきたいと思います。

 

男性の在宅介護にはどのような特徴がありますか?

男性を在宅介護するときは、以下のような特徴があります 。

男性は、女性に比べて介護を必要とする年齢が若く、介護期間が長い傾向があり、女性に比べて病気や障害に対する認識や受容が遅れやすく、介護サービスの利用に抵抗感を持ちやすい傾向があります。

また、男性は、女性に比べて自立心が強く、自分の意思やプライドを尊重されたいという気持ちが強く、女性に比べて感情表現が苦手で、不満や不安を口に出さないことが多いので、その点を考慮していないとトラブルの原因になることもしばしばあります。

 

男性の在宅介護で注意すべき点は何ですか?

男性は、自分の感情や悩みを表現しづらく、ストレスや孤立感を抱えやすい傾向にあります。そのため、自分の気持ちを吐き出したり、他の人と交流したりする機会を作ることが大切です。

男性の病気や障害の症状や進行度について、医師や専門家から正確な情報を得ることが大切です。また、男性にもその情報を分かりやすく伝えることで、介護サービスの必要性や利益を理解してもらうことができます。

男性は自立心やプライドが高いので、その点を尊重し、できるだけ自分で決められることは決めさせるようにすることが重要になってきます。また、男性の意思や希望に沿って介護計画を立てることが望ましいです。

男性の感情表現が苦手な場合は、言葉だけでなく態度や表情などからも気持ちを察するように努めることが必要です。また、男性にも感情を吐き出す機会を作ってあげることで、ストレスや孤立感を軽減することができます。

他にも、男性の身体的特徴や生理的ニーズにも配慮することが大切です。例えば、排泄や入浴などの介助では、男性のプライバシーや恥ずかしさを考慮し、同性の介護者や家族に任せることができれば任せるようにすることが望ましいです。

 

男性の在宅介護者を支援するための方法は何がありますか?

男性介護者と支援者の全国ネットワーク(男性介護ネット)など、各地に存在する男性介護者の会に参加することで、情報交換や相談、交流などができるので、そういった情報をキャッチするように心がけましょう。

訪問介護や訪問看護、訪問入浴介護などの訪問型の介護サービスや、デイサービスや通所リハビリなどの通所型の介護サービスを利用することで、自宅での介護を助けてもらえるので、利用できる範囲で積極的に利用していきましょう。

福祉用具やリフォームなどで住宅環境を整えることで、安全性や利便性を高めることができるので、ケアマネジャーなどと相談して環境を整えましょう。

【まとめ】男性の在宅介護について理解を深める

男性の在宅介護には、女性とは異なる特徴や課題が存在します。これらを理解し、適切な支援を行うことが重要です。今回の記事を通じて、男性の在宅介護についての理解を深め、より良い介護を実現するための一助となれば幸いです。

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