「介護うつ」の原因と3つの対策について。悩んだらチェック!
あなたは「介護うつ」って聞いたことはありますか?
介護は、とても疲れます。介護は体を使って相手をケアする為、身体の疲れがあることはもちろんのこと、ただ単に機械的・事務的にやればいいというわけではなく、体が不自由な人のケアをするため少しのミスで大怪我に発展してしまうことがあり、常に緊張感があります。
そんな緊張感漂う在宅介護をしていると、身心の負担が大きくなり、疲れが溜まって「うつ病」になることがあります。
それが、「介護うつ」です。じつは、この「介護うつ」未然に防ぐ方法があります。
この記事は、在宅介護を頑張っている方はもちろん、これから家族の介護を始める人のために、「介護うつ」の原因と3つの対策方法についてご紹介します。
この記事を見るメリット
記事のメリット
- 介護うつの原因がわかる。
- 介護うつへの3つの対策がわかる。
- 介護うつの事例もあるからこれから介護する人でもわかりやすい。
内閣府が発表している「平成30年版高齢社会白書」では日本の高齢化率は27.7%。約3人に1人が高齢者というデータが出ています。(内閣府「平成30年版高齢社会白書」を参照)詳しいデータを知らない方でも、ニュースやTVで今の日本が少子高齢化になっているということはご存知かと思います。
超高齢化社会の日本において、「介護」というのは誰もが考えなければいけないことです。
介護は大変です。おむつの交換やお口のケア、身体を起こしたり、体調が急変したら対応しなければいけない。自分の時間なんてほとんどありません。そんなストレスや大変なのをすべて押し付けて手伝ってくれない家族への怒りや不満、行き場のない気持ちが溜まりに溜まると介護うつになります。
じゃあ、介護うつの原因はなんなのか、介護うつに対して対策方法はないのかなど実際に介護うつになった方の事例も含めながら説明していきます。
介護うつの原因
介護うつとは、「介護」が原因で「うつ病」になることです。
なぜ、介護うつになるのか。介護うつになりたくないなぁと思ったら介護うつにならないための原因を知っておく必要があります。介護うつになりやすい人の特徴としては、「責任感が強い人」「真面目で几帳面な人」「完璧主義な人」の3つタイプの人です。日本人の多くが、このいずれかに該当します。俗にいう典型的なA型(血液型)ってやつです。
日本人は、真面目で責任感が強く「自分の家族、身内なのだから自分が最後まで面倒を看なければいけない。」「介護するのであれば、こうしなければいけない」「他の人に任せるなんてもってのほか!」など強く感じてしまう傾向があります。
この考え在宅介護においては、とても危険なんです!
真面目で責任感が強い人ほど、「介護うつ」になってしまう、簡単に言ってしまうとこれが「介護うつ」の大きな原因です。
もちろん、他にも「介護うつ」になる人もいます、ここでは介護うつの原因の代表例を5つご紹介します。
金銭的不安
介護が必要になったときに、どのくらいのお金がかかるのか、 仕事や生活にどのような影響が出るのか、予想もできないと思います。
ココだけの話、介護サービスって実はあなたが思っている以上にお金がすごくかかります。在宅介護で自分一人で介護し続けることはできません。自分ができない範囲を必ずどこかで介護のプロに助けてもらわないといけなくなってきますが、在宅介護の費用は1人当たり、平均で6万9千円(家計経済研究所2016年の調査報告を参照)と言われていますが、人によってはもっとかかります。
例えば、あなたの家族の介護度が「要介護3」だったとして介護サービスを使うとしたら、
週に2回、デイサービスで日中見ててもらう(通所介護)とホームヘルパーに食事やトイレの世話をしてもらう(訪問介護)週に1回、家にリハビリ専門のプロを読んで機能回復を促す(訪問リハビリテーション)・看護師さんに医療的なケアをしてもらう(訪問看護)
上の内容の介護サービスだけで、約3万円ぐらい。(「要介護3」の方の居宅サービスに利用限度額は、1ヶ月267,500円です。)
介護サービス費以外では、日々の日用品や消耗品・生活必需品(食費・おむつ・洋服・理美容代)は別途で費用が発生する為(各世帯で個人差はあるが目安として6万円~12万円)、在宅介護で発生する費用は合計目安は9万円~15万円になります。
いくら介護保険で、利用者の負担金額が1割(人によっては2割・3割)といっても金銭的な余裕がないと、ショートスティやデイサービスをたくさん利用するのが難しく、すべて自分で負担することになります。(介護保険が適用される1ヶ月267,500円を超えてデイサービスを増やしたいとか、出張や旅行でショートスティを利用したいなどあった場合は全額自己負担で費用を支払わなければいけません。)
そうなってくると家族(要介護者)の年金だけでやりくりすることが、なかなかできません。
金銭的に余裕がないと気持ちの余裕もなくなり、焦りで介護をしなければいけないという状況に陥り、介護の負担を自分一人で受け止め、負担に耐え切れなくなり「介護うつ」になってしまいます
身体的疲労や負担
さきほどもお伝えしましたが、在宅介護はとても大変です。移動や食事・お風呂など、介護には体を抱えたり支えたりするためには力(パワー)が必要になります。すべて、自分で行っているのであれば、肉体的負担や疲労の蓄積は大きくなります。また、介護と合わせて仕事をしている場合は、蓄積した疲労が爆発して過労による体調不良が原因でうつ病を引き起こすことがあります。
精神的負担やストレス
在宅介護をしている人の多くは、介護の専門知識や経験が少ない為、効率良く介護をすることは、まずできません。何度も言っていますが、在宅介護は重労働です。それにプラスして、介護をしたから介護をしているからといって必ずあなたに感謝をしてくれるとは限りません。
もちろん、感謝なんてそもそもしてもらえるとは思っていないし必要もないという方もいらっしゃると思います。でも、「ありがとう」も言われず「もっとこうしてくれ!あれをしてくれ!」だけでは、介護に対する精神的ストレスは溜まる一方ですよね。そうなってしまうと「この人が死ぬまで私はこの人のために介護しなきゃいけないんだ…。」「それならいっそのこと早く死んでくれないかな…。」という考えに行きついてしまいます。
さらに、介護だけでなく仕事もある方にとっては、介護のために仕事を休まなければいけない場面も出てきます。介護の大変さをわかっている方が上司や同僚にいても「自分のせいで仕事が滞っている」と感じ、負い目を感じてストレスが溜まり「介護うつ」につながります。
自分しかいないというプレッシャー
家族や親族の介護をする場合、誰か一人に介護の負担が集中すると、その人が負担に耐え切れなくなり「介護うつ」になります。
実際の介護現場でも1人に負荷がかかりすぎないように交代や分担作業しています。また、わからないことがあったら上司や同僚に相談をしています。
しかし、在宅介護では家族の介護について相談したりできる相手がいなければ、介護者は一人で抱え込み、思い詰め、自分しかいないと考えてしまい、周囲も自分も気付かないうちにうつ病が進行してしまいます。
バーンアウト
バーンアウトって聞きなれないですよね(^^;)俗に言う、燃え尽き症候群のことです。
「家族や親族の為に介護をすることは当たり前のこと。」と思っている人ほど、ひたむきに家族と向き合い、相手のために頑張り続けてしまう熱心な人ほど、燃え尽き症候群になりやすい傾向にあります。また、年齢が若い人や仕事への経験が少ない人ほど、仕事に対する理想が高い傾向にあり、現実とのギャップを感じることで燃え尽き症候群になってしまうと考えられています。
エネルギーを注ぐことで消耗した状態になると、疲弊感を強く感じるようになります。
頑張りすぎてしまい、心身が限界に達して、突然やる気を失うことがあります。これが「燃え尽き症候群」で、何もかも嫌になって捨て鉢な思考を持つようになったり、現状への不満や怒りが強くなったりします。介護の最中にも起こりますが、被介護者が亡くなった後に発症するケースもあります。
介護うつの3つの対策
うつ病は、一度発症すると治るまでに時間がかかるといわれています。
じゃあ、介護うつにならないためには、どうしたらいいのか「介護うつ」の3つの対策を知っておきましょう。
原因となる精神的ストレスや身体的疲労を軽減することが重要です。
「自分一人でやらなければ」という思い込みをなくし、ストレスを軽減する。
何もかもを一人で行うのはとても難しいです。介護が始まるときは「介護は一人で行うものではない」と思いましょう。自分自身が体調を崩してしまったり、精神的に弱ってしまっては、介護を続けることはできません。それは、介護行うあなたにとっても介護を受ける要介護者にとってもよくありません。無理をしすぎないように適度に身内や介護サービスに頼る工夫が必要です。
「興味または喜びがなくなり、何をするのもおっくうになる」「体がだるくて動くのがめんどくさい」というときは、一時的な疲れと決めつけず、「今はストレスがたまっているな」と考えてみましょう。自分のストレスを自覚すれば、「介護うつ」になる前に、そのストレスを都度発散させることができるからです。
誰かに相談する
介護のことで悩んだら、身近な家族や親せき、友人、プロのカウンセラーなどに相談することも大切です。話し相手もいないで自分だけで介護の悩みを溜め込んでいると、ストレスや疲れが溜まってしまいます。
たとえ、些細な事であっても、誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなり、ストレスを軽減できる効果が見込めます。また、自分では気づかなかった部分に気づくことができるので、今の介護を効率よくできるヒントを得られることもあります。
自分でできないところは介護サービスを利用する
介護は、一人だけ背負いこまずに、必ず複数人で行った方が効率が良いのとストレスや疲れなどの負担を一人だけに集中させないメリットがあります。要介護者の状況にあわせて介護サービスを利用することはとても重要です。
日々の介護をホームヘルパーさんに依頼して手伝ってもらったり、少し休息の時間が欲しいときは老人ホームのショートステイを利用したりすることで、自分のための時間をつくれるようになります。また、施設の専門家と接することで、介護のプロの視点から要介護者の体の様子や接し方などに普段自分が気づかないところにも気付けるというメリットもあります。
また、在宅介護が限界で施設入所を考えている方もいきなり施設に預けるのは不安という人もいるかと思います。そんなときは、施設見学を無料でサポートしてくれるかいごDB(介護DB)や首都圏に特化している有料老人ホーム紹介サイト【きらケア老人ホーム】を使って簡単に施設見学や資料請求してみるのも一つの手です。
介護うつの事例
実際に介護うつになってしまった方の事例をご紹介します。事例と同じような境遇の方がいらっしゃったら自分で抱え込まずに、すぐに「介護うつの3つの対策」を取るが大切です。また、これから介護をする方にもこうなってしまったら「介護うつ」なんだという認識をもっていただき介護うつを未然に防いで欲しいので是非参考にしてください。
介護離職をした50代の主婦です。
母親は要介護3で、最初は仕事をしながら介護を頑張っていたのですが、母親の介護を一人ですべて行わなければいけなく、また仕事もしなければいけなくて介護と仕事の両立が苦痛になりました。このままでは親子共倒れになると思い、介護に専念するために仕事を退職しました。
しかし、母親を介護施設(デイサービス)に送り出す準備をしたり、入浴の着替えの準備も辛くなりました。またサービスがない日の毎日の口腔ケアやオムツ取り替えも大変です。介護のために仕事を退職したので、ある程度は覚悟していたつもりですが、仕事を辞めたことによって、生活費を確保することも困難になってきますし、肉体的にも精神的にも辛かったです。
楽しいと思っていたことも最近では、何も感じなくなり、気持ちが落ち込む日々が続いていました。施設入所も考えていたので、無料施設紹介サービスで日本最大級の介護施設検索サイトのかいごDB(介護DB)を使って施設見学をしているときに介護施設の職員さんに今の状況を説明したら「もしかしたら、病院の先生に相談した方がいいかも。」と親身に接してくれてその後病院に行ったところ「介護によるうつ病」と診断されました。
自分一人で抱え込んでいたことが、大きな原因と病院の先生から指摘を受けました。その後、介護施設に入所をするという選択をしました。親族とも話し合ったのですが、正直協力は難しいという結論に至ったからです。また、母の認知症も悪化して、自分たちでは介護が難しいと判断したからです。また、私が介護離職をしていましたので、予算も限られていました。ですが、かいごDB(介護DB)の相談員の方が親身に対応してくれて母の年金でも予算に見合う介護施設を紹介してもらい、実際に施設見学に行き、老人ホームに入所することができました。
今では、母のところに定期的に面会に行き、良い距離感で接することができ、気持ちの整理もできて私の体調も回復しています。親身に接してくれた相談員の方には、本当に感謝しかありません。あの時、かいごDB(介護DB)を使って本当に良かったと思っています。
介護うつになってしまった、Aさんのお母様は要介護3でした。住んでいる地域にもよると思いますが、要介護3だと人気の特別養護老人ホームの順番が回ってくることは、まず難しいでしょう。
もともと、デイサービスの利用やショートスティの利用もある中で、すでに体調を崩しているなら、無料施設紹介サービスで日本最大級の介護施設検索サイトのかいごDB(介護DB)を使って入所できる施設を見学し、直接話を聞いたのは正解でしょう。
ここで、「介護離職をしてまで介護に専念することを決めたのだから自分ですべてやらなければ…。」という風に介護の負担を自分すべてで背負いこんでいたのであれば、介護が負担で自分が倒れていたか、もしくは、介護によって精神的に追い込まれ要介護者を殺してしまったり無理心中という最悪の結末までいっていたかもしれません。何事も、自分で追い込まず、利用できるサービスは利用して自分にできる介護を考えて動くことが、最善の介護につながります。
介護うつが原因で起こった悲劇
超高齢化社会の日本社会では、介護が原因で凄惨な事件が数多く起きています。厚生労働省が把握しているだけでも年間で20人~30人は介護が原因で亡くなっています。※平成 28 年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」から参照
しかし、いま日本では2週間に一度「介護殺人」が起きているというデータもあります。ここで認識していただきたいのが、介護が原因でそれほど多くの人がなくなっているというのが現実です。
※ニューズウィーク日本版(2017)から参照
ここでは、「介護」によって取りたくもない行動取ってしまった、凄惨な事件の一部について話していきます。
認知症の母親を殺害してしまった事件
茨城県石岡市で2018年2月、認知症の母親を自宅で絞殺したとして無職の男が殺人容疑で逮捕されました。自宅での5年にわたる介護生活で困窮が進み、行政やケアマネジャーに自身の困窮な状況を明かさないまま、自身が追い詰められて殺害に至ったという事件です。 原因は、孤立した中高年男性による在宅介護により追い詰められて、殺害に至ってしまったという凄惨な事件です。
※毎日新聞から一部抜粋。
介護による困窮で無理心中をしようとした事件
2018年9月、栃木県日光市のパーキングエリア(PA)に止めた乗用車の中で母親と姉を殺害したとして、無職の男が逮捕された事件は、障害がある姉を介護していた母親が認知症となったことを背景として起きた心中事件だったことがわかった。
姉には先天性の知的障害があり、母親が一人で介護してきたという。しかし、2012年ごろから母親に認知症の症状が現れ、要介護の状態に。2人の介護を担った父親も2017年末に亡くなり、被告と妻が仕事を辞めて2人の介護にあたったという。
被告は介護離職後、生活や介護の費用を投資で得ようと考えて失敗。2018年8月までに相続金や預貯金など計2千万円を失い、200万円超の借金を背負ったという。母親の認知症が進んで姉の介護負担も増し、被告は将来を悲観して犯行前々日の9月8日、2人の殺害と自殺を決意したとされる。
※朝日新聞から一部抜粋。
事件の原因は今の日本の制度と風土にある?
現代の日本社会では核家族化、地域のつながりの希薄化が進んでおり、家族が家族の介護を当たり前のように担ってきた「責任」や「努力」を求める時代ではないのと思います。それにもかかわらず、古い考え方(「自分たちで介護をしなければいけない、介護サービスに頼るなんて親不孝者」等)に捕らわれてしまう、押し付けてしまうことは悲劇につながります。少しでも凄惨な事件が減るように介護で困った人を助けられる介護制度になっていくことが、今の日本社会に求められていることだと思います。
介護うつになる前に相談しよう
介護が原因でうつ病になってしまう前に大切なことは「一人で抱え込まないこと」が大切です。しかし、どこに相談していいかわからない人も多いかと思います。そこで、無料で介護の相談に乗ってくれる場所は「市区町村の役所にある介護保険の窓口」と「地域包括支援センター」と「介護施設」ですので覚えておきましょう。
市区町村の役所にある介護保険の窓口
お住まいの地域の市町村の担当課(介護保険課・高齢者福祉課など)では、介護保険制度や高齢者の保健福祉に関する総合的な相談窓口があります。電話でも応対してくれますので、一度お近くの市区町村に相談してみるのも一つの手です。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関のことです。インターネットなどで調べるとお近くの地域包括支援センターがどこにあるか簡単に調べることができます。地域によっては「高齢者支援総合センター」「おとしより相談センター」「いきいきサポートセンター」「おたっしゃ本舗」などいろいろ呼び方が変わることもありますが、基本的な存在意義や機能はほとんど同じで、高齢者の方やそのご家族の悩みや心配ごとの解決方法を提案してくれたり、各市区町村が実施する介護予防プログラムを紹介してくれたりします。
介護施設
介護施設に連絡するとだいたいは上記の二つ(「市区町村の役所にある介護保険の窓口」や「地域包括支援センター」)に相談するように促されますが、実際に老人ホームに入所を考えているときは、施設に今の介護の状況を説明してアドバイスを受けたり、入所を考えている施設がどんな施設でどんな状況なのか。直接話を聞くことができます。しかし、今の日本ではどこの老人ホームも待機者がたくさんいます。そこで一つの施設に絞らず、色々な施設を見学することをおすすめします。
もし、どこの施設を見学すればいいのかわからないときは日本最大級の介護施設検索サイトのかいごDB(介護DB)を使うともっと介護施設選びを効率よく探したり、見学したりすることができますので利用することをおすすめします。
介護うつになったらどうしたらいいの?
じゃあ「介護うつ」になってしまったらどうしたいいのか。未然に防ぐことが大切ですが、もし「介護うつ」になってしまった時の方法ですが、これは今自分がどんな症状が出ているのかによって変わってきます。また、自分が介護うつなのかどうかわからないという方向けにチェック項目を掲載しておきますので参考にしてください。
うつ病チェックシート(QIDS -J)はこちらからダウンロードできます。
※厚生労働省で掲載されているPDFデータになります。
このチェックシートは専門機関でも使われているものですので、このチェックシートを使って自分がうつ病なのかどうか調べてから、専門家に話してみるのもありです。
介護うつは立派な病気ですのでなった場合は、病院に行って治療が必要になってきます。ここでは、介護うつになった方の具体的な症状例と対処方法をご紹介します。
介護うつの症状
介護うつの症状は大きく分けて4つになります。もちろんここに書いてあるのは代表例なので、それ以外の症状が出る方もいます。それぞれ、対応の仕方が異なってきますので、わからない場合は専門機関の方に電話でもいいので聞いてみましょう。
もし、あなたが以下の4つの症状が出ているのであれば、先ほどのチェックシートですみやかに、自分の状況を確認した方がいいでしょう。
疲労感・倦怠感がある
運動や労働を長時間しているわけではないのに、体がすぐに疲れてしまい、いつもだるく感じるようになります。中には、ひどい肩こりや頭痛や目まいをする人もいます。体が重く感じられるために何をするのも面倒になり、活動する意欲が衰えて無気力になります。
不安感・焦燥感がある
自分ではよくわからないけど焦りや不安な気持ちが常に付きまとい、イライラして気持ちが落ち着かなくなることもあります。人によっては、神経質になり、ちょっとした物音や騒音が気になるようになります。
食欲がなくなる
「うつ病」を患っている人の多くに現れる症状の一つです。何を食べてもおいしくないと感じるようになり、食欲がなくなります。物をあまり食べなくなるので、体調が維持できなくなります。
寝れなくなる
「うつ病」を患っている人の多くに現れる症状の一つです。寝つきにくい、眠っている間に何度も目が覚める、朝早く起きてしまい十分な睡眠がとれない、睡眠がとれないから精神的にも体調的にも悪くなるという症状です。
気持ちが落ち込んでしまい、興味がなくなる。
気持ちが落ち込んで物事に対して消極的になり、人と会話することが面倒になります。その結果、すべてに興味・関心が少なくなって、一人の世界に入り込むようになります。また、物事をネガティブに考えるようになり、「自分なんかいてもいなくても一緒」「すべてに嫌になった」と自殺願望を抱く例もあります。
介護うつの治療法
実際に介護うつになってしまったら、どうすれば良いでしょうか。ここでは、介護うつの治療法についてご紹介します。
うつ病の症状が続いたときは、心療内科や精神科を受診することが望ましいですが、介護者本人が受診を嫌がるようであれば、まずは家族から医師に相談し、対応してもらうと良いでしょう。
介護うつの治療法として代表的なものには、「しっかり休む」「薬物療法」「精神療法」の3種類があります。
しっかり休む
介護うつになった原因は、介護にあります。そのため、しばらく介護から距離を置くことで休むことが大切です。
「休むなんてできないし、要介護者はどうするの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、介護する人が不健康で体調が悪くては十分に介護してあげることはできません。
もちろん、誰かあなたの代わりに介護してもらわないといけなくなりますので、介護サービスのショートステイや施設で介護してもらいましょう。もちろん、どんな場所に預けるか心配になるかと思いますので、そんなときは介護施設検索サイトのかいごDB(介護DB)を使って施設見学してください。
薬物療法
薬物療法を行う場合、専門の医師に相談の上、最初は副作用を抑えるために少量から抗うつ薬の服用を開始し、徐々に適切な服用量に調整していきます。うつ病の人は物事を悲観しやすくなりますが、脳の中では、情報を伝達するためにさまざまな神経伝達物質が働いており、そのうちセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンは、モノアミンと総称されています。一説に、うつ病は、このモノアミンが減ることで引き起こされるとされています。
抗うつ薬の効果があらわれるまでには、服用開始から2∼3週間ほどかかるため頭痛、倦怠感、便秘・下痢、口の渇き、眠気、吐き気・嘔吐などの副作用がありますが、人によって症状は異なります。副作用がひどいと感じるときや長引くときなど、気になることがある場合は、薬をもらった医師に相談しましょう。
精神療法
精神療法には、「認知療法」と「行動療法」2種類あります。
精神療法では、医師やカウンセラーなどが、対話を重ねながら、問題を解決する方法を患者さんと一緒に探すのをお手伝いをします。
認知療法とは、私たちのものの考え方や受け取り方(認知)に働きかけて、気持ちを楽にしたりする治療方法です。
行動療法とは、ある体験が体調に影響しているパターンを修正していきます。例えば、介護(おむつ交換、口内ケア、トイレ介助)が精神的に負担という行動による考え方を変化させるように治療をしていきます。
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まとめ
本当の「在宅介護」とは、「精神的におちついた家族がいつも見守ってくれる安心感があってのこと」つまり誰も自分を介護してくれている人が自分の介護が原因で「介護うつ」になることを望んでいる人はいません。
介護うつは、介護に関わる人なら誰でもかかる可能性があります。「私は大丈夫」という思い込みはとても危険です。介護している本人も家族も、介護うつという病気があることを認識し、少しでも思い当たる症状があるときは早めに相談したり、受診したりすることが大切です。
また、限界を迎えてから介護サービスに頼るのではなく、早め早めに頼れそうなところを探しておきましょう。要介護者の体調は今より良くなることは、なかなかありません。リハビリや介護予防をやっていれば昔のように劇的に元気になるほど、リハビリは魔法ではありません。
在宅介護を行っていて介護に困っているのであれば、要介護者が元気なうちから選択肢の一つとして介護施設を探しておくことがとても重要です。もちろん、老人ホームにも種類がありますので資料を請求したり、実際に施設見学をすることによってあなたの介護に対する知識も深まります。
探すのが大変なのであれば、こちらに資料請求や施設見学を無料で案内してくれるかいごDB(介護DB)や【きらケア老人ホーム】を使ってみてください。あなたに役立つ介護施設の情報がきっと見つかります。
介護に対する知識や気持ちを事前に備えておくことで、幾分か楽になることでしょう。あなたにとって最悪な事態を避けるためにも、今回紹介したことをご検討ください。
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